いまや、転職活動には欠かせないと言われる「転職エージェント」は1つだけでなく、複数利用する方が効果的と言われています。
複数を併用すると混乱したり、管理が煩雑になってしまいそうです。実際に転職エージェントを複数利用することのメリットにはどんなことがあるのでしょうか?
この記事では、転職エージェントを複数利用することのメリット、デメリットを徹底検証します。
まだ利用していない人、1カ所しか登録していない人はぜひ参考にしてください。
目次
各エージェントに「良い転職先があれば、すぐに転職したい」と伝え、優先的にサポートしてもらう。
担当者との相性を確認しながら本命のエージェントを1社に絞り、本格的な転職活動を開始する。
転職エージェントを複数利用する利点・効果を検証!利用者100人にアンケート
複数の転職エージェントを併用する利点・効果を検証するために、転職エージェントを利用して転職活動をした100人にアンケート調査を実施しました。
その結果、転職エージェント利用者の80%が複数を併用し、平均2.4社を利用していることがわかりました。
複数利用した効果を聞いたところ、以下のように効果は絶大でした。
- 転職に成功した人の割合は+19%
- 年収UPに成功した人は+10%
- 平均年収増加額は4倍高い
転職活動を有利に進めるためには、複数の転職エージェントの併用は必須でしょう。
ここからは、それぞれの利点について詳しく解説していきます。
転職エージェントをいくつ利用しましたか? | % |
---|---|
1社 | 20 |
2社 | 48 |
3社 | 19 |
4社〜 | 13 |
複数利用の効果① 転職に成功した人は19%多い
転職エージェントを利用者100人へのアンケートでは、転職エージェントを複数利用した人の転職成功率は64%でした。
これに対し、転職エージェントを1社しか利用しなかった人の転職成功率は45%にとどまり、その差は19%もありました。
差を分かりやすく解説すると、複数を利用した人は3人に2人が転職に成功しているのに対し、1社利用の人は2人に1人しか成功していないということです。
転職エージェントを複数利用すると転職に成功しやすくなる理由として、考えられる要素は以下の通りです。
- 数多くの情報・求人に触れ、自分に合った求人を見つけやすくなる
- 複数のキャリアアドバイザーと面談し、より自分のアピールポイントを明確にできる
転職成功率 | % |
---|---|
複数を併用 | 64 |
1社のみ利用 | 45 |
複数利用の効果② 年収UPの成功率は10%多い
転職エージェント利用者100人へのアンケートでは、転職エージェントを複数利用した人の年収UP成功率は66%でした。
これに対し、1社しか利用しなかった人の年収UP成功率は56%でした。
ともに半分以上の人が年収アップに成功しているものの、複数利用した方が10%も成功した人が多いことがわかります。
転職エージェントを複数利用すると年収アップしやすい理由は、以下の通りです。
- 交渉力に長けた転職エージェントを選ぶことができ、企業との年収交渉が有利に進む
- 数多くの求人を比較することで、より条件の良い転職先を選べる
年収UP成功率 | % |
---|---|
複数を併用 | 66 |
1社のみ利用 | 56 |
複数利用の効果③ 年収UP時の平均増加額は4倍高い
最後に、年収UPに成功した人のうち、年収の平均増加額を比較しました。
転職エージェントを1社しか利用しなかった人の年収は8%の増加だったのに対し、複数利用した人は年収が33%も増加していることがわかりました。差は4倍もあります。
これも前の項目と同様に、複数の転職エージェントを利用すれば、交渉力のあるところを選ぶことができ、年収交渉が有利に進むためと考えられます。
年収UP時の平均増加額 | % |
---|---|
複数を併用 | 33 |
1社のみ利用 | 8 |
転職エージェントを複数利用するメリット5つ
ここまで、転職エージェントを複数利用する場合と、1社しか利用しない場合について、アンケート結果を基に違いを検証しました。
その結果、転職エージェントは複数利用した方が、転職成功率、年収アップ率・金額で優れていることがわかりました。
ここからは、転職エージェントを複数利用するメリットについて具体的に検証します。
複数利用するメリット① 多くの求人を見ることができる
転職エージェントが保有する求人は、各社ごとに異なります。複数の転職エージェントを利用すれば、その分多くの求人を見ることができるのです。
さらに、転職エージェントは、利用者しか閲覧できない「非公開求人」を扱っています。
非公開求人とは、ハローワークや企業HPなど誰もが応募できる求人とは異なり、限られた人だけが応募できる厳選された求人です。
求人を非公開にするのは、公開して広く募集すると応募が殺到し、企業にとって採用活動が煩雑になるためです。
このため、転職エージェントに登録し、企業が求めるスキルや能力を持つ人だけが閲覧できるようにしているのです。当然、非公開求人は質が高い傾向にあります。
転職エージェントを複数利用すれば、こうした非公開求人にも数多く触れることができます。より条件の良い求人を探せるわけです。
実際に転職エージェントを複数利用した人の中にも、応募できる求人の多さをメリットとして挙げている人がいました。
27歳女性・建設業・2社併用
複数利用するメリット② 転職先の選択肢を増やせる
複数の転職エージェントに登録すると、閲覧できる求人に加え、紹介してもらえる求人も増えます。利用者が考えてもいなかった求人を紹介してくれることもあります。
特に、転職したい業界や職種がはっきりと決まっていない人にとっては、転職先の選択肢を増やすことができるので、この点は大きなメリットでしょう。
転職エージェントは、利用者の適性・能力・希望を見極めて最適な求人を提案します。
希望する業界・職種の求人だけでなく、利用者のキャリアアップや年収アップに繫がりそうな求人を幅広く紹介してくれるのです。
実際に転職エージェントを複数利用した人からも、「意外な好条件の求人を紹介してもらえた」と評価する声があがっています。
44歳女性・営業・5社併用
複数利用するメリット③ 目的に応じて転職エージェントを使い分けられる
転職エージェントは、各社それぞれ強み・弱みが異なります。
転職エージェントを複数利用することで、互いの弱みをカバーしあい、自分に合った転職サポートをしてもらうことが可能になります。
- サポートが手厚い転職エージェントでは、書類添削や面接対策を行う
- 求人数が多い転職エージェントでは、求人探しや業界の情報収集を行う
などのように、目的に応じて使い分ければ、効率的に転職活動を進められます。
実際に複数の転職エージェントを利用した人からも、利点を強調する声が上がっています。
35歳女性・事務・3社併用
複数利用するメリット④ 自分に合った転職エージェントに出会える
転職エージェントはそれぞれ社風が異なり、合う・合わないは当然あります。転職エージェントとの相性だけでなく、担当者との相性もあります。
転職エージェントを複数利用すれば、自分に合った転職エージェントや担当者に出会うことができます。
相性が悪ければ、転職を成功させるばかりか、余計なストレスを抱えることになりかねません。
相性が悪い転職エージェントは求人検索だけにして利用を控え、相性の良いところで具体的な活動する、という使い分けも可能です。
実際に転職エージェントを複数利用した人の中にも、このようなメリットを挙げる人がいました。
25歳女性・経理・3社併用
複数利用するメリット⑤ 複数の担当者からのアドバイスで自分を客観視できる
転職エージェントに登録すると、さまざまな担当者に出会います。
さまざまな視点の人からアドバイスを受けることで、自分を客観視することができ、自分の強み・弱み、適性を見極めて希望に適った転職先が見つかりやすくなります。
自分では気づけなかった適性を自覚し、最初に考えていた転職先とは異なる業界・企業を見つけて雇用のミスマッチを防ぐ効果が期待できます。
実際に複数の転職エージェントを利用した人の中にも、このメリットを挙げる人がいました。
31歳男性・IT技術者・2社併用
転職エージェントを複数利用するデメリット3つ
ここまで、転職エージェントを複数利用するメリットを5項目紹介してきました。
では、転職エージェントを複数利用するデメリットはあるのでしょうか?
物を買うときに、「たくさん種類があると迷って決められない」という人は多いのではないでしょうか。
転職エージェントの併用でも同様のデメリットがあります。ここからは転職エージェントを複数利用することのデメリットを3項目挙げていきます。
複数利用するデメリット① キャリア面談が面倒
転職エージェントに登録をすると、ほぼ必ず「キャリア面談」があります。転職エージェントの本社・支社に訪問して、対面で転職について話し合います。
複数利用すれば、その数だけキャリア面談も行わければいけないため、かなりの労力がかかります。
キャリア面談は、利用者と直接話すことで、キャリアアドバイザーが利用者の希望や適性、スキルを見極める大切な機会です。
キャリア面談があるからこそ、転職エージェントは利用者の希望に適った求人を紹介することができるのです。
とはいえ、移動時間も含めるとキャリア面談は「半日仕事」です。そのためにスケジュールを確保し、何度も似たようなことを話すのはとても疲れます。
ただし、最近では新型コロナウイルスの影響で、リモートによるキャリア面談をするところも増えてきています。
複数利用するデメリット② スケジュール管理が大変
転職活動は、キャリア面談・応募・転職先企業との面接などの段階を踏みますが、複数登録をすると、スケジュール管理がかなり煩雑になります。
「これはA社から紹介された求人だから面接後にA社に連絡し、その後はB社でキャリア面談が…」などという状況も珍しくありません。
スケジュール管理を怠ると、連絡先や行き先を間違えるだけでなく、応募した企業との面談日程を忘れてしまうことにも繫がりかねません。
現職中の転職となると使える時間も限られるので、スケジュール管理ができる範囲で登録しましょう。
複数利用するデメリット③ 情報が増えることで、迷ってしまう
ディスプレイに非常に多くの商品が並んでいて、どれにしようか迷った挙げ句、結局何も買わなかったという経験はありませんか?
これは心理学で「情報のパラドックス」といって、情報量が増えすぎるとかえって「何も選ばない」ことになる現象です。
転職エージェントも同様で、複数利用をすると様々な求人情報や「転職のコツ」の情報が送られてきます。
利用者は何が正しいのか、どの求人が良いのか、判断ができなくなり、結果として転職活動が停滞するリスクがあるのです。
転職エージェント側は、利用者を転職成功に導くために非常に多くの求人を紹介してきます。
迷いそうなときは一呼吸置いて、最も利用頻度が高い(=信頼している)転職エージェントの情報を選ぶことをおすすめします。
転職エージェントを複数利用するのは大変?絞り方を伝授
複数の転職エージェントに登録しても、最終的には1、2社に絞る必要があります。
最も自分に合った転職エージェントに絞り込むには、コツがあるのでしょうか?絞り込む基準にはどんなものがあるのでしょうか?
ここでは、複数の転職エージェントから1、2社に絞る基準をご紹介します。
複数利用した際の絞り方① 担当者との相性で絞る
転職エージェントを利用して転職活動をする際、成否を分けるのは「担当者との相性」と言っても過言ではありません。
「ウマが合わず相談しにくい」「話していて不安になる」「転職を急かせてくる」など、担当者に良い印象を抱いていない場合は、利用すべきではありません。
- 返信・対応が早い
- たくさんの求人を紹介してくれる
といった、サポート面も判断の基準です。
話を親身に聞いてくれ、対応が丁寧で、自分の希望に合った求人を的確に紹介してくれる担当者がいる転職エージェントに絞りましょう。
特に「転職を急かしてくる」転職エージェントは利用しない方がいいでしょう。
転職エージェントは、利用者が転職すると企業から成功報酬を受け取ることでビジネスを成立させています。「急かしてくる」のは自らの報酬しか考えていない証拠です。
複数利用した際の絞り方② 提案してくれた求人内容で絞る
次に、提案された求人内容で絞ってみましょう。
良質で、希望に適った求人を紹介してくれる転職エージェントは、それだけ求人を多く持っている証拠でもあります。
逆に、どんなに担当者の印象が良くても、提案してくる求人内容が希望と違っていたら、転職成功は困難です。
担当者・求人内容ともに、納得の行く転職エージェントを利用しましょう。
転職エージェントは複数利用すべき?10人の口コミを検証
転職エージェント利用者100人のアンケートで「複数登録してよかったこと」について質問しました。利用した転職エージェントの社数に応じて、回答を比較した結果、1社しか利用しなかった人は「後悔」、複数利用した人は「満足」との内容になりました。
複数利用しなかった【1社】
45歳女性・調剤事務員
33歳女性・試験業務
52歳男性・会社員営業
複数利用した【2社】
31歳男性・IT技術者
25歳女性・自動車ディーラー営業
38歳女性・IT
複数利用した【3社】
25歳女性・経理職
24歳女性・事務
複数利用した【4社以上】
28歳男性・営業職
39歳女性・人材紹介会社
転職エージェントを複数利用する際の注意点
転職エージェントを複数利用することは、さまざまなメリットがある一方、デメリットもあることを紹介しました。選び方のコツも紹介したところです。
ただし、複数利用する際には、いくつかの注意点があります。
注意点を守らずに複数利用をしていると、トラブルに発展する可能性もあります。
ここでは、転職エージェントを複数利用する際の注意点をご紹介します。
注意点① 複数利用していることをしっかり伝える
転職エージェントの併用に後ろめたさを感じている場合、複数利用していることを隠したくなる人もいるでしょう。
しかし、複数利用していることを隠すのは、あなた自身の不利益になります。
たとえば、他の転職エージェントで選考が進んでいる案件と同じ求人を紹介された場合、断ると「このような求人には興味がない」と判断されてしまいます。
以後、同様の求人があっても紹介してもらえなくなってしまうのです。
転職エージェントの複数利用は悪いことではなく、「当然のこと」と受け止められています。担当者には必ず伝えましょう。
同じ求人に複数の転職エージェントから応募しない
利用する複数の転職エージェントから同じ求人を紹介されて、断りづらい状況になることもあります。
しかし、すでに別のエージェントで応募している求人には、決して応募してはいけません。
複数のエージェントから応募すると、企業内では「同じ人が2回応募してきた」と認識されます。自己管理がいいかげんな人だとの印象を与えるでしょう。
それだけでなく、仮にそのまま選考に入れたとしても、企業は「どの転職エージェントと連絡を取れば良いのか」と悩ませることになります。
企業と転職エージェント間の信用問題にも関わるため、企業はこうした人はそもそも書類選考で落とすことになるでしょう。
転職エージェント側からの利用者への信頼も失われます。良いことは全くないので、この意味でも複数利用していることを伝えることが大切です。
注意点③ 内定や選考を断るときには早めに連絡にする
転職エージェントを複数利用していると、選考中の案件よりも良い条件の求人を見つけたり、同時に複数の企業から内定をもらったりすることがあります。
この場合、優先順位の低い内定や選考を断らなければならず、担当者に早めに連絡しなければなりません。
この時、複数の転職エージェントを併用していることを伝えていなければ、「なぜ内定を断るのか」と疑問に思われ、転職への本気度を疑われます。
転職への本気度を疑われると、紹介してくれる求人が少なくなり、利用者への不利益となるでしょう。
こうした不利益は、複数の転職エージェントを併用していることを事前に伝えていれば避けられることです。
あなたのキャリアをより良くするための決断であれば、大抵の担当者は応援してくれることでしょう。
複数利用しているときの具体的な断り方
複数利用をしていて、ある転職エージェントの求人案件の提案やサポートを断りたい場合、以下のように電話かメールで伝えれば大丈夫です。
〇〇株式会社 〇〇様
いつもお世話になっております。△△(自分の名前)です。
大変申し訳ございませんが、諸般の事情につき、転職活動を一時休止することとなり(併用している他社から提案のあった求人で内定をいただいたため)、
案件の検討をいったん見送らせていただこうと考えております(一度退会させていただきたく、ご連絡させていただきました)。直近で転職活動をする予定はございませんが、再開する際には、サポートいただければ幸いです。
△△(自分の名前)
転職エージェントの複数利用は必須!転職成功のためにまずは登録
この記事では、転職エージェントの複数利用について解説してきました。
メリット・デメリット、注意点などを網羅して説明しましたが、転職エージェントを複数利用すればより良い転職ができることは確実です。
当社が独自に集めたアンケートをもう一度、振り返ってみましょう。
- 転職エージェント利用者の約80%が複数を併用しており、平均2.4社を利用している。
- 複数の転職エージェントを併用した人は、1社しか利用しなかった人に比べて「転職成功率+19%」「年収UP成功率+10%」「年収UP時の平均増加額x4倍」の違いがある。
転職エージェントは完全無料で利用できます。ぜひ複数の転職エージェントを併用して、満足の行く転職を実現させてください。