学校薬剤師の報酬や仕事内容は?支払時期や確定申告など徹底解説

学校薬剤師の報酬は、年間16万円程度が一般的です

学校薬剤師は、本業の薬剤師をやる傍ら、行っている人が多いです。

この記事では、学校薬剤師の仕事内容や、報酬、転職を成功させる方法について詳しく解説しています

記事の最後には、学校薬剤師に転職する上で活用したい薬剤師転職エージェントも紹介しているので、ぜひ確認してみてください。

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学校薬剤師の現状・仕事内容は?

学校薬剤師は、その名の通り学校で働く薬剤師で、学校保健安全法という法律によって学校への設置が義務付けられています。

ここで言う学校とは、日本の全ての認定こども園を含む幼稚園、小学校、中学校、高等学校、高等専門学校、特別支援学校(盲学校や看護学校など)を指します。

子どもたちの健やかな発育・発達に貢献するという業務を通して、通常の薬剤師の仕事では得られないやりがいを感じることができます。

しかしながら、学校薬剤師は非常勤職員として学校に雇われる存在であり、学校に常駐して仕事を行うわけではなく、報酬もそれほど高くありません

そのため、薬局薬剤師として働きながら学校薬剤師の仕事も兼ねている人が多いのが現状です。

まずは、学校薬剤師の仕事内容について詳しく紹介します。

環境衛生の検査

学校薬剤師の主な仕事内容の1つに、「学校の衛生環境を安全な状態に維持する」ことが挙げられます。

薬剤師の一般的な仕事といえば、調剤や服薬指導なので、学校薬剤師の仕事内容は特殊だと言えるでしょう。

さまざまな項目の検査を行い、結果を書類にまとめて学校へ提出し、問題点が見つかった場合には助言や指導を行います。

検査の内容は決まっており、マニュアルも完備されているので、難しい仕事ではありません。

それぞれの検査の詳細を紹介します。

プールまたは飲料水の水質検査

水泳プールの水を採取し、水質が基準内であるか、残留塩素の濃度は正常な範囲であるかなどを検査します。

水中に大腸菌や一般細菌が存在していないということを確認し、消毒を行う設備の衛生状態もあわせて検査します。

検査の時点で細菌が見つからなくても、残留塩素濃度が正常な範囲でない場合は、プール内で細菌が増殖してしまう可能性があるため、この検査は重要です。

また、学校内の水道水や飲料水などに関しても、同様に水を採取して詳しく調べていきます。

照度検査

子どもたちが教室内で勉強をする際、適切な明るさが保たれているどうかを検査します。

暗い教室では黒板が見えにくいだけではなく、手元の教科書やノートも見にくくなるため、子どもたちの学習に悪影響を与えてしまいます。

専用の照度計で教室内の照度を測り、基準以下であった場合には、学校に対して指導を行い、対策を立てます。

ちなみに、この照度検査を行う際には、白衣に光が反射して正確なデータを得られなくなるのを防ぐため、白衣は脱いだ状態で行います。

空気検査

教室内の空気が汚れていないかを検査することも、学校薬剤師の重要な仕事です。

冬場は暖房のためストーブを使用することも多く、二酸化炭素の量が増え、空気が汚れやすくなります。

そのため、検知器を用いて、教室内の温度や湿度、二酸化炭素などの量が正常な範囲であるかどうかを検査します

また、ホルムアルデヒドやトルエンなど、有害性の高い物質が空気中に含まれていないかもあわせて調べます。

騒音検査

子どもたちが学校で勉強をするうえで妨げとなってしまう原因の1つに、騒音問題があります。

先生の声が聞き取れなければ授業の内容を理解できませんし、そもそも勉強に集中ができません。

それぞれの教室で騒音の問題はないかを検査し、何らかの問題が発見された場合は、改善を行うよう指導します。

給食・害虫・薬品の管理検査

学校薬剤師は、これまで紹介した環境衛生だけでなく、給食や害虫、薬品の管理に関する検査も行います。

給食室の検査

給食室や給食センター、学生用の食堂など、給食施設を中心に衛生管理の検査を行います。

給食で食中毒が発生すると大勢の人に健康被害が出てしまうため、給食施設の検査は重要な仕事です。

給食室や給食センターなどの調理を行う施設では、調理器具や冷蔵庫、水道水に問題がないことを確認します。

また、食器の検査も実施して衛生状態を確認し、細菌感染の予防に努めます。

害虫検査

教室やトイレなどの清潔さをチェックするとともに、ダニやネズミなどの害虫の駆除を行うことも学校薬剤師の仕事です。

害虫が増えると、衛生環境が悪化するのはもちろんのこと、アレルギーの症状に苦しむ子どもが増えてしまうため、適切な駆除が求められます。

理科室・保健室の薬品管理

学校にある薬品の管理も、学校薬剤師の重要な仕事です。保健室や理科実験室にある薬品の管理について、学校に指導を行います。

中でも、理科室には劇薬や毒物が多く保管されているため、薬品管理は非常に重要です。

保管方法が適切に行われているかどうかを検査し、もし不要な薬品があった場合には、その処分方法なども指導します。

薬に関する授業

薬剤師は、薬についての知識と高い専門性を有しています。そのため、その知識を生かして薬についての授業を行うのも仕事の1つです。

子どもに対する講義

学校薬剤師は、検査など裏方の仕事が多いのですが、学校によっては、教室で子どもに対し講義を行うこともあります。

勤務する学校によって子どもの理解度が異なるため、子どもに合わせて話す内容や難しさを変える必要があります。

たとえば、小学生であれば熱中症や身近な薬などの簡単な話、高校生であればたばこやアルコールの害、薬物乱用についてなど、内容を変更します。

教職員に対する講義

学校薬剤師が講義を行う対象は子どもだけではありません。教職員に対しても、エピペンの扱い方に関する講義を行います。

「給食で子どもがアナフィラキシーショックを起こした」というニュースを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

アナフィラキシーショックは生死に関わる症状であり、救急車が到着するよりも前に、一刻も早くエピペンを打つ必要があります。

そこで、医療関係者でない教職員でもアピペンを打つことができるように、使う手順を詳しく指導します。

なお、講義では有効成分が含まれていない練習用のものを使用します。

学校薬剤師でも調剤を行う?

ここまで紹介してきた仕事の内容を読んで、「学校薬剤師は調剤の仕事をしないのかな?」と疑問に思った人もいるかもしれません。

実は、学校薬剤師の仕事は学校の環境衛生検査であり、学校で調剤を行うことはありません

この理由は、学校薬剤師という制度が誕生した経緯から説明できます。

1930年、風邪をひいた女子児童に誤って毒薬を服用させてしまい、結果としてその児童が亡くなるという痛ましい事故が起きました。

それを受け、「さまざまな薬品を保管している学校に薬の専門家を置くべきだ」という声が上がり、学校薬剤師が各校に置かれるようになりました。

つまり、学校薬剤師は「学校で保管している薬品の適切な管理」のために設置されたため、調剤を行うことはないのです。

学校薬剤師の報酬は?いつ払われる?兼務した場合の確定申告は?

学校薬剤師は、非常勤の職員ということもあり、そこまで仕事量が多くはありません。そのため、多くの学校薬剤師は他の仕事と兼務しています。

しかし、「本業と兼務して大丈夫?」、「どうやって兼務するの?」などの疑問を抱いている人もいるのではないでしょうか。

ここでは、学校薬剤師の気になる報酬や、確定申告などの手続きについて説明します。

学校薬剤師の兼務は「地域貢献」がキーワード

学校薬剤師は非常勤であり、報酬が定まっているわけでもなければ、定期的に報酬が振り込まれるものでもありません。

詳しくは次の項で説明しますが、報酬も決して高額ではないため、学校薬剤師だけで生計を立てるのは困難です。

そのため、一般的に副業や兼業が禁止されている管理薬剤師でも、学校薬剤師は例外的に兼務が認められています

学校薬剤師は基本的に一校につき一人なので、欠員が出るたびに教育委員会が地域薬剤師会に相談し、薬剤師を推薦してもらいます。

とはいえ、どのような薬剤師や管理薬剤師でも推薦してもらえるかというと、そうではありません。

学校薬剤師という立場から、地域に貢献していると客観的に判断される調剤薬局から推薦される傾向にあるようです。

学校薬剤師の報酬相場は?

学校薬剤師は学校に常駐する仕事ではなく、年に8~10回程度、非常勤職員として学校へ出向く程度です。

あくまでも兼務であるため、学校薬剤師の報酬はそれほど高いわけではありません。学校薬剤師としての収入は、年間16万円程度が一般的です。

割に合う仕事ではありませんが、普通の薬剤師ではできない仕事を任されることから、学校薬剤師を兼務したいという人は多くいます。

学校薬剤師の確定申告はどうなる?

学校薬剤師として勤務し報酬をもらった場合、気をつけなければいけないことがあります。それは、所得税の申告です。

調剤薬局で勤務している場合、薬局から受け取った給与は年末調整を行うため、自分で税の申告をする必要はありません。

しかし、学校薬剤師として得た報酬は、学校側で年末調整をしてもらえないため、自分で確定申告をしなければいけません。

今勤めている薬局などの源泉徴収票と、学校薬剤師の報酬の源泉徴収票を用意し、指定された税務署などで手続きを行うようにしてください。

学校薬剤師の報酬はいつもらえる?

学校薬剤師は学校の非常勤職員であるため、報酬がもらえるタイミングは各学校や教育委員会の規定によって異なります

年額をまとめて支給する学校もあれば、半年ごとや1カ月ごとなど、複数回に分けて支給する学校もあります。

学校によってさまざまですので、気になる場合にはあらかじめ確認しておくことをおすすめします。

学校薬剤師になるためのステップ

学校薬剤師になりたいと思っても、求人が出回ることの少ない学校薬剤師になるのは簡単なことではありません。

ここでは、学校薬剤師になるためのステップを説明します。

地域貢献度の高い薬局に勤務する

地域薬剤師会とのつながりが強く、すでに学校薬剤師として活動している人が在籍している職場で働くことが一番の近道です。

特に、地域貢献に力を入れている薬局であれば理想的です。

学校薬剤師は求人が大々的に公開されることはなく、薬剤師関係者のネットワークによって情報が回ることが一般的だからです。

したがって、まずは学校薬剤師になれる可能性の高い職場に転職することから始めるのをおすすめします。

地域密着型の薬局に強い転職サイトに登録する

前述のとおり、地域に密着している薬局で働くことが、学校薬剤師になるための近道と言えます。

そのためにも、複数の転職サイトに登録をし、求人情報をできるだけ多く集めることがおすすめです。

おすすめの転職サイトをいくつかご紹介しますので、参考にしてください。

満足度1位を5年連続で獲得!マイナビ薬剤師

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薬剤師のための転職サイトの中で満足度1位を5年間獲得するなど、利用者の満足度が高いのが、マイナビ薬剤師です。

担当者がしっかりと調査を行うことから、職場の状況が把握されおり、転職後のミスマッチが少ないと評判です。

もちろん、担当者が把握していない情報も、依頼すれば職場に確認してもらえるので安心です。

すでに学校薬剤師として兼務している人はいるのか、その人の報酬はどのくらいなのかを聞いてもらうのもいいでしょう。

マイナビ薬剤師の公式サイト

調剤薬局求人が国内最多級!ファルマスタッフ

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学校薬剤師に関する求人例

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コンサルタントの質に定評あり!リクナビ薬剤師

リクナビ薬剤師

リクナビ薬剤師は、人材紹介業の大手企業である「リクルート」が運営をしている薬剤師向けの転職サイトです。

転職支援のノウハウが豊富なこともあり、担当者の質が高く、サポート力が高いと評判です。

学校薬剤師になる方法や、その報酬についても相談してみてはいかがでしょうか。

リクナビ薬剤師の公式サイトリクナビ薬剤師の評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 リクナビ薬剤師は評判は?500人の口コミ調査の結果

複数の転職サイトを活用して学校薬剤師になろう!

学校薬剤師になるためには、まずは薬局などに勤務する必要があります。地域に密着した薬局に転職することで、より学校薬剤師への道が近づくでしょう。

報酬は決して多いとは言えない仕事ですが、通常の薬剤師では体験できない業務に携わることもでき、やりがいは大きい立派な仕事です。

複数の転職サイトを活用し、上手に転職活動を行っていきましょう。