企業の障害者法定雇用率は近年引き上げられ、2020年度には大企業は2.3%まで引き上げられます。
雇用率に算定する障害の種別も従来は、身体と知的のみでしたが、2018年に精神障害も加わり、障害のある方の活躍の場はどんどん広がっています。
障害者雇用に積極的な企業が増える中で、アットジーピーなどの障害者転職サポートサイトを利用することでさらに就職しやすくなるでしょう。
ただし、アットジーピーを利用すれば誰でも就職できるわけではありません。この記事ではアットジーピーの評判や、他の障害者求人サイトと比較して紹介していきます。
目次
各エージェントに「良い転職先があれば、すぐに転職したい」と伝え、優先的にサポートしてもらう。
担当者との相性を確認しながら本命のエージェントを1社に絞り、本格的な転職活動を開始する。
アットジーピーの特徴・サービス内容
就職支援サイトを利用する際、自分に合ったサービスを選ぶことが大切です。
多くの障害者専門の就職支援サイトがある中、アットジーピーはどのようなサービスを提供しているのでしょうか。
ここではアットジーピーの特徴や具体的なサービス内容について紹介します。
アットジーピーとは?精神障害でも使える?
アットジーピーは15年以上、障害者転職サポート事業を運営してきた障害者就職支援サービスです。蓄積したノウハウをもとに、求職者の障害の特性や配慮事項などのさまざまな要素を考慮したサポートを行っています。
求人検索では精神障害者向けに、うつ病や双極性障害、パニック障害など精神障害者の採用実績がある企業に絞って検索できます。
精神障害者の雇用実績で絞って求人検索をすると、2020年3月19日現在で536件上がってくるため、精神障害でも利用できます。
実際にアットジーピーで転職サポートを受ける場合は、担当のキャリアアドバイザーが求職者の希望や障害の状態などを考慮して就職・転職をサポートしてくれます。
アットジーピーの運営会社
アットジーピーの運営会社は「株式会社ゼネラルパートナーズ」です。
社名の由来は「General(広まっていく)」と「Partners(仲間たち)」を組み合わせたもので、人や事業、社会問題が組み合わさり、成長し続けていくことを意味しています。
ゼネラルパートナーズではアットジーピー、アットジーピー転職などの障害者転職支援サービスや、特定の病気がある方の就労移行支援事業所などのサービスを提供しています。
アットジーピーのサービス内容①転職サポート
アットジーピーでは求職者一人ひとりに専任のキャリアアドバイザーが付き、求職者と二人三脚で就職・転職活動を進めていきます。
このため、求職者自身の希望や障害特性などを考慮して、求職者にマッチした求人を紹介してくれるでしょう。
アットジーピーではキャリアアドバイザーによる支援に加え、企業の担当者や就労移行支援事業所などと連携したサポート体制も構築しています。
求人の紹介だけでなく、企業に入社する際も企業担当者と連携して導入支援、受け入れサポートを行い、求職者の入社や就業継続も支援しています。
転職エージェントのサポートを受けて、入社後もスムーズに働けるよう就労サポートを受けたい人に適したサービスです。
アットジーピーのサービス内容②求人検索
アットジーピーのサイトでは、求人検索も可能です。2020年3月13日時点の求人件数は1223件で、勤務地や職種、障害配慮、その他詳しい条件から求人を探すことが可能です。
求人検索は自身で求人を探して応募するため、キャリアアドバイザーに相談して転職サポートを受けるよりも気軽に利用できます。
その一方、キャリアアドバイザーが求人を紹介してくれる転職サポートとは異なり、企業の非公開求人にまでアクセスすることはできません。
このため、求人検索を利用してみて良いと感じたら、会員登録して就職や転職のプロであるキャリアアドバイザーの転職支援サービスを利用するといった利用方法も可能です。
アットジーピーのサービス内容③スカウトメール
仕事をしながら転職活動をする場合、なかなか時間が取れないケースもあります。
その点、アットジーピーなら、忙しい求職者が円滑に転職活動を進めるために、求人者に興味を持った企業からのスカウトを届けるスカウトメールがあります。
スカウトメールには条件がマッチした求人が定期的に届く「通常スカウト」と、企業との面談が確約された「プラチナスカウト」の2種類があります。
プラチナスカウトなら転職成功の望みが高く、通常スカウトでもスカウトメールの中に気になる求人があれば、そのまま簡単に応募に進むことが可能です。
スカウトメールは、求人を探す時間が取れない人はもちろん、自分の可能性を模索したい人にも適したサービスだと言えるでしょう。
アットジーピーはサービスラインナップが豊富
アットジーピーは一般的な障害者就職支援サービスだけでなく、管理部門などのハイクラス、アスリート、新卒学生など求職者の特徴に合わせた専門のサービスも提供しています。
ここではアットジーピーが提供するサービスを一部紹介します。
アットジーピーハイクラス
アットジーピーハイクラスは年収500万円以上のハイクラスへの転職を目指す方向けのサービスです。
経理や法務、人事などの管理部門への転職に強みを持ち、年収は500万円から1000万円クラスを対象としています。
管理部門への転職成功実績が多い一方、ITエンジニア、webマーケティングなどの求人も含まれています。
ハイクラス向けのサービスなので、利用の際には審査が行われます。審査は経歴をもとに行われ、通らなければアットジーピーハイクラスは利用できません。
審査に通らなくてもアットジーピーエージェントは利用できるため、年収アップを目指す場合は一度審査を受けてみるのも良いでしょう。
アットジーピーハイクラスは、求職者のスキルやポテンシャルを考慮して求人を紹介してくれるため、無事に審査を通れば転職により大幅な年収アップも望めます。
アットジーピー就活エージェント
アットジーピー就活エージェントは新卒学生専門の就職支援サービスです。新卒学生の障害者雇用枠での就職活動を、専任のキャリアアドバイザーがマンツーマンでサポートしてくれます。
アットジーピー就活エージェントでは、まずキャリアアドバイザーと面談をすることになります。
面談で障害者雇用枠での就活の不安や疑問などを解消することで、スムーズに就活を始められます。
他では公開されていない独占求人を含む600社以上の企業の求人の中から、キャリアアドバイザーが学生の希望にマッチする求人を紹介してくれます。
その後も、内定獲得のためのトータルサポートはもちろん、内定が決まった後も相談できるサポート体制になっています。
アットジーピーアスリート
アットジーピーアスリートは、働きながらアスリートとして活躍したい障害者アスリート専門の就職・転職支援サービスです。
働きながらアスリートとして活動したい人なら、競技種目や実績、種別などは問わず利用できます。大会に出場している本格的なアスリートはもちろん、 競技を始めたばかりの人でも大丈夫です。
近年では障害者アスリートのために練習時間を配慮したり、金銭的な支援をする企業も増えてきています。
アットジーピーアスリートでは、アスリート専門のキャリアアドバイザーがカウンセリングをし、障害者アスリートの採用に積極的な企業の求人を紹介してくれます。
また、競技レベルに合わせたキャリアチェンジや、引退後のセカンドキャリアなど、アスリートが抱える悩みに関してもサポート可能です。
アットジーピーの評判は?連絡が来ないって本当?
アットジーピーを検索すると、「連絡が来ない」というキーワードを見かけることがあります。
実際にアットジーピーを利用して、連絡が来ないことがあるのでしょうか。ここではアットジーピーを利用した人の口コミを紹介します。
アットジーピーの良い評判:アットジーピーで今の職場に出会えた
ウェブサーナ、転職活動時に
わたしも使ってたんだけど微妙すぎて、わたしにはダメでした(*_*)
わたしは、アットジーピーで今の職場と出会えました
(ちなみに、精神障害者として入社しました)エージェントさんとの相性は、あるでしょうけれども、おすすめです(^○^)https://t.co/siG1YJxYN4
— トゥーラ アシュラ@障害者として外資で働いてます✨ (@Tula_Acala) February 5, 2020
求職者の中には、自分のペースで転職活動を進めたい人もいれば、どんどん求人を紹介してもらいたい人もいます。このため、転職サービスは利用者との相性が大切です。
アットジーピーと相性が良ければ、この口コミのように無事に転職に成功できるでしょう。
アットジーピーの悪い評判①エージェントから連絡がない
やっぱり実感として障害者雇用は精神障害者を相手にしてないと感じる。アットジーピー登録したけどエージェントの連絡すらないし。
— さうえささみ (@SaueSasami) March 26, 2019
口コミの中にはアットジーピーから連絡が来ないという内容もありました。しかしアットジーピーでは登録完了後、かならず面談の日程調整の連絡がくるようになっています。
連絡が来ない場合は登録したメールアドレスや電話番号が間違っていないか確認したほうが良いでしょう。
サイトの「よくある質問」の中には「応募した企業から結果の連絡が来ません。」といったものもあり、企業から連絡が来ないケースもあるようです。
この場合、担当のキャリアアドバイザーか、問い合わせフォームから確認しましょう。
アットジーピーの悪い評判②精神障害は紹介できる案件がない
アットジーピーで転職サイトで登録しましたが、精神障害だと、紹介できる案件がない言われました。
精神障害者は対象外なのでしょうか?— pia (@pia680723) December 4, 2019
アットジーピーは精神障害者も利用可能です。登録者の半数が精神障害者ということもあり、先に紹介した口コミのように精神障害でも無事に採用に至っているケースもあります。
しかし中には、この口コミのように精神障害の場合は紹介できる案件がないと言われるケースもあるようです。
「アットジーピーなら精神障害であっても必ず就職できる」というわけではないようです。
アットジーピーの悪い評判③エージェントでも選考に通らない
アットジーピーのエージェントを使っても書類選考に全く通らない現状。
— 元ラインマン (@998P2o5tMuRx3ev) March 2, 2020
アットジーピーエージェントを利用して転職支援を受けても、書類選考に通らないという口コミもありました。
エージェントは求職者の転職サポートをしますが、実際に採用に至るかどうかは求職者自身の経歴やその他の要因にもよります。
無事に転職に成功するためには、アットジーピーだけにしぼるのではなく、障害者求人を取り扱っている複数の転職エージェントを利用する方が良いでしょう。
【結論】アットジーピーは使うべき?
アットジーピーは障害者の就職支援サービスとして高い知名度を誇りますが、「連絡が来ない」といった評判もあるように、アットジーピーのみを利用するのはおすすめできません。
また、アットジーピーは精神障害の利用者が半数ですが、実際には精神障害では紹介できる求人がないと言われるケースもあります。
このため、障害者専門の就職支援サービスであるという理由だけで利用するのはやめておいた方が良いでしょう。
最近ではアットジーピーのような障害者専門の就職支援サービスに限らず、パソナキャリア、ランスタッド、doda(dodaチャレンジ)など、大手転職エージェントも障害者の転職支援を手掛けており、そちらを利用することをおすすめします。
アットジーピーよりおすすめ!障害者雇用案件のある転職エージェント
障害のある方が希望にマッチする仕事に就くためには、障害者の転職支援に積極的な転職エージェントに登録し、コンサルタントの転職サポートを受けるのが転職成功への近道です。
ここではアットジーピーよりおすすめの障害者向け求人のある転職エージェントを紹介します。
①パソナキャリア
パソナキャリアは人材派遣業界第2位の株式会社パソナが運営する転職エージェントで、パソナはこれまで障害者雇用を実践してきた企業です。
その実績を活かして障害者雇用に関するコンサルティングや研修、さまざまな障害者支援の取り組みなどを実施しており、障害者雇用の促進を目指しています。
また、パソナキャリアには非公開求人を含む求人が50,000件以上あり、障害者雇用の求人も豊富です。
コンサルタントによる丁寧な転職サポートに定評があり、2020年のオリコン顧客満足度調査では転職エージェントで第1位を獲得しています。
パソナキャリアなら障害者の転職支援に積極的で丁寧な転職サポートを受けられるため、ぜひ登録しておくことをおすすめします。
パソナキャリアの公式サイトパソナキャリアの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 パソナキャリアの評判は?629人の口コミ調査の結果②ランスタッド
ランスタッドはオランダで生まれた人材サービス業界世界第2位のランスタッド・ホールディングスグループの転職エージェントです。
ランスタッドは外資系の求人の多さが大きな特徴ですが、障害者雇用に特化した「チャレンジド転職」というサービスも提供しています。
ランスタッドには精神保健福祉士も配置され、アットジーピーと異なり精神障害者への支援も積極的に行っています。
ランスタッドなら専任コンサルタントが求職者一人ひとりに付き、障害の内容や希望職種などをカウンセリングし、面談から転職後のフォローまで一貫した転職サポートをしてくれるでしょう。
ランスタッドの公式サイトランスタッドの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 ランスタッドの評判は?500人の口コミ調査の結果③doda(dodaチャレンジ)
dodaチャレンジはパーソルキャリアが提供している障害者のための転職、就職支援サービスです。
dodaチャレンジでは身体、精神、知的障害の各障害の特性に合わせた専門チームが求職者のサポートをし、非公開求人を含む多くの求人から求職者の希望や適性にマッチする仕事を紹介してくれます。
ハイキャリア向けや、新卒(就活)、第二新卒などに特化した転職支援も行っており、求人紹介だけでなく給与などの条件交渉も行っています。
doda自身の調査で、dodaチャレンジの利用者満足度は95%だったことから、dodaチャレンジを活用すれば理想の転職が実現するでしょう。
dodaの公式サイトdodaの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 dodaの評判は?500人の口コミ調査の結果障害者求人サイトを比較!
パソナキャリア | 障害者支援に積極的で、障害者雇用の促進を目指す転職エージェント。求人保有数が多く、コンサルタントによる手厚いサポートにも定評がある。 |
ランスタッド | 障害者雇用に特化した「チャレンジド転職」がある。首都圏の拠点には精神保健福祉士がおり、精神障害者の支援も積極的に行っている。 |
dodaチャレンジ | 身体、精神、知的障害などの求職者の障害に合わせた専門チームが転職サポートを行う。ハイキャリアや新卒、第二新卒の転職などの専門特化した転職支援も可能。 |
ウェブサーナ | 業界最大級の障害者専門の求人検索サービス。学生からの評判も高く、定期的に合同面談会を開催している。転職サポートは行っていない。 |
クロバーナビ | 障害者専門の求人や就職情報などを集めた総合就職サイト。正社員だけでなくアルバイトなどの情報もある。転職サポートは行っていない。 |
アットジーピーに関するよくある質問
転職サイトや転職エージェントを利用する場合は、具体的なサービス内容を事前に知っておくことが大切です。
ここではアットジーピーに関するよくある質問を紹介します。アットジーピーを利用する前に参考にしてください。
アットジーピーの面談ではどんなことを聞かれる?
アットジーピーのキャリアカウンセリングは、障害者雇用に詳しい専任のキャリアアドバイザーと1対1形式で1時間から2時間程度行われます。
アットジーピーの面談では障害者雇用に積極的な業界・企業に関する情報を提供してもらえ、求職者に適した求人の紹介や、キャリアプランニングのサポートなども行われます。
遠方などの理由で直接面談を受けられない場合は、電話やオンライン面談ツールを利用してカウンセリングを行うことも可能です。
アットジーピーのキャリアカウンセリングによって、実際に転職すべきかどうかも含めてトータルサポートしてもらうと良いでしょう。
アットジーピーの退会方法は?
アットジーピーを退会する場合は、会員退会の手続きページで手続きをします。
手順はまず、マイページにログインして、マイページの一番下にある各種設定の「メール配信とサービス設定へ」をクリックします。
そのページの一番下に退会の項目があるため、「退会手続きへ」をクリックします。
退会処理には退会理由の選択とサービスに関する意見の記入が必須のため、退会理由を選択し、メッセージ欄にサービスに関する意見などを記入します。
入力確認、退会処理へボタンをクリックして進んでいくと、退会処理ができます。退会処理が完了するまで数日かかる場合があるため、退会手続き後も連絡がくることがあります。
アットジーピーは書類選考が通過するまでは求職者情報が公開されない?
アットジーピーでは2019年4月1日まで、求職者が直接やスカウト経由で求人に応募する際、書類選考を通過するまで求職者情報は非公開にする仕様になっていました。
求職者情報の内容は求職者の氏名(漢字、フリガナ)、生年月日、郵便番号、住所、電話番号、メールアドレスで、書類選考に通過した後にこれらの情報が企業に公開されます。
2019年4月以降、応募先企業に公開する情報が一部変更され、現在は求職者の氏名(漢字、フリガナ)に関しては応募時点で企業に公開されるようになっています。
書類選考を通過した後は、生年月日、郵便番号、住所、電話番号、メールアドレスが企業へ公開されます。
アットジーピーの利用料金は?
多くの転職支援サービスは、クライアントである企業の求人記事をサイトに掲載し、採用に至った場合に成功報酬として料金を企業から受け取って利益を得るビジネスモデルです。
このため、求職者は無料で利用できるケースが多いです。
アットジーピーも同様で、利用料金などは無料です。アットジーピーの登録料や利用料、その他の手数料、違約金などは一切かかりません。
求職者は会員登録から内定、入社に至るまでのキャリアコンサルタントによる転職サポートをすべて無料で利用できます。
途中で退会しても違約金などの費用はかからず、安心して利用できます。
アットジーピーのメリット・デメリットまとめ
アットジーピーは障害者専門の就職支援サービスで、利用すると専任のキャリアアドバイザーと二人三脚で就職・転職活動を進めることが可能です。
利用者の半数は精神障害者が占め、忙しい人は届いたスカウトメールから求人を選んで応募することも可能です。
しかし、精神障害では紹介できる求人がないと言われるケースもあり、障害者の就職支援に特化した他のサービスと比較しても、アットジーピーの方が就職に有利になるとは言い切れません。
転職支援サービスを利用する場合は、自身に合ったサイトを利用することが大切です。
障害者専用の転職サービスにこだわらず、パソナキャリア、ランスタッド、dodaチャレンジなどを併用し、自分に合ったサービスを選びましょう。