どんな会社でも新卒1年目で転職を成功させるのは難しいものです。まして技術と経験が求められる看護師なんて、ほぼ無理と思われがち。
しかし、私はある5つの鉄則を自分で作り、それを徹底して退職後に転職を成功させました。今回は、新人看護師の転職を成功させる5つの鉄則と、細かいテクニックを紹介します。
理由はどうであれ、また看護師として再スタートしたいと考えている、新人看護師の手助けになれば幸いです。
目次
各エージェントに「良い転職先があれば、すぐに転職したい」と伝え、優先的にサポートしてもらう。
担当者との相性を確認しながら本命のエージェントを1社に絞り、本格的な転職活動を開始する。
新卒1年目で退職!それでも私が転職に成功した理由は?
公益社団法人日本看護協会のデータによると、新人看護師の離職率は7~8%と、100人のうちの7~8人は1年目でやめる計算になります。意外と多いですよね…。
実際に、私も新卒1年目で退職をし、転職活動をしました。
もともと都内の大きな病院に勤務していたのですが、1年目では抱えきれないほどの激務とパワハラに近い言動による精神的疲労が重なり身体を壊してしまいました。いま思えばかなり頑張っていたなと思うくらいです。
おそらく、いま転職を考えている新人看護師さんの中にも、私と同じような境遇の人がいるはず。もし転職を成功させたいと考えるのであればぜひ、これからお伝えする転職の5大鉄則を参考にしてほしいです。そしてまた医療の現場で看護師として輝いてほしい、そう願っています。
【鉄則①】転職エージェントを必ず活用する
転職エージェントとは、社会人の転職をサポートしてくれるサービスのことで、新人に限らず、多くの看護師が転職するときに利用しています。
転職エージェントを利用する最大のメリットは、「面倒な手続きをせずに、良い就職先を紹介してもらえる」という点です。
どの仕事でも、1人で転職活動を成功させるには限界があります。ましてや1年目の看護師が、成功させるのはかなり難しいでしょう。転職活動には、転職先探し、応募(エントリー)、面接の日程調節、勤務形態の情報収集、給与交渉など、色々面倒なことが多いのです。
私も最初は1人で行なおうと決めたのですが、転職先探しの時点で壁にぶち当たりました。そもそも、なにを基準に選べばいいのかわからなかったのです。
「せっかく苦労して退職を決めたのに、転職活動でも苦労するのか…。」と思ってしまったので、思い切って転職エージェントに登録をしました。
転職後に、エージェントの人に聞いた話では、看護師1年目の人が自力で次の転職先を探すのはかなり難しいとのことでした。理由は、「いくら熱意があっても、キャリアが他の人と比べて圧倒的に少ないため、まず相手にされないから」とおっしゃっていました。
スムーズにストレスなく転職先を見つけて働きたいと考えるなら、転職エージェントに登録をしておいた方がよいでしょう。
良い転職エージェントの選び方
看護師専門の転職エージェントは数多くあります。私が知っているだけでも10社以上はあるため、エージェント選びは慎重に行いましょう。選び方のポイントは、主に以下の3つです。
- 電話面談の人との相性(フィーリング)
- 転職成功実績数
- サービスの充実度
この中でも電話面談の人との相性は大事にしてください。転職するまでの付き合いだからなどと、思わない方がよいです。私が看護師1年目で転職したときに相性がよいと感じた担当者を例に挙げます。
- 1年目で辞めた理由や現状のヒアリングに、かなり時間をかけてくれた
- 自分がどういう人間なのかを分析してくれ、それにあった職場選びをしてくれた
- 転職先候補の現状や、転職希望者にとってのメリットデメリットをしっかり教えてくれた
- 転職先との面接にも同行しサポートしてくれた
かなり手厚かったことを覚えています。看護師1年目というところに焦点を当てていただいていたので、「転職への気持ちが折れていないか」「これから先への不安」も電話をするたびに伺ってくださっていました。
ただ、ここまで手厚いのはごく稀でしょう…。登録して面談をした会社の中には、ヒアリングもそこそこに、経歴だけを見て転職先候補を押し付けてくる人もいました。
自分にあった職場を見つけるためにも、転職エージェント選びは妥協せずに行いましょう。ここを妥協してしまうと、転職先選びにも妥協が生まれてしまいかねません。
看護師の転職におすすめな転職エージェントについては、記事の最後に情報を掲載しています。
【鉄則②】退職理由、転職理由を明確にしておく
退職理由や転職理由は、必ず明確にしておきましょう。面接で必ず聞かれます。看護師1年目で勤務先を辞めた理由は、誰でも気になるところですし、辞めた理由によっては、面接官がもつあなたへの印象が変わります。
転職先候補が決まってから面接までの間に、メモで構わないので以下のことを整理しておきましょう。
- なぜ前の勤務先を1年目で退職したのか
- 1年目で退職しても、看護師の仕事を続けようと思ったのはなぜか
- 1年目の経験をふまえ、転職した勤務先でどんな看護をしたいか
【鉄則③】面接で絶対に嘘をつかない
退職理由や転職理由で嘘をついても、意味がないので止めましょう。私の場合は1年目で「抑うつ状態」と診断され、休職中は心療内科に通っていました。
抑うつ状態であっても看護師に戻って仕事がしたいと考えていたので、同時に転職活動をしていました。転職した職場の面接は、ちょうど心療内科に通っていた時にあったので面接の際に「心療内科に通っていること」と「気持ちの整理はだいぶできているので、また看護師として働きたい」という旨を伝えました。
正直、心の中では「心療内科に通っていることは、面接においてマイナスになるのではないか…」とヒヤヒヤしていたのですが、その時の面接官には「本当のことを話してくれてありがとうございました。」と声をかけてもらい、ほっとしたのを覚えています。
もしかすると、この記事を読んでくださっている人の中にも、心療内科もしくは精神科に通っている人や、面接で話さないようにしようと考えている人がいるかもしれません。
ただ、嘘をついても意味がありませんし、あとでバレたときに面倒なことになるかもしれないので先に伝えておくべきでしょう。
【鉄則④】前職のことを聞かれても、話はオブラートに包む
鉄則の③で嘘はつかないようにとお伝えしましたが、前職のことに関してあれこれ話すのことだけは控えてください。面接官によっては、そこであなたの性格を見ている可能性があります。
私の場合、退職理由は主に「上司からのパワハラに近い言動に耐え切れず体を壊してしまったから」だったのですが、パワハラの件を話すべきかどうかは、迷いました。結局、面接日になっても決めきれず、気づいたらオブラートに包みながら話していました。
「自分にも、上司をイライラさせてしまったことがあった」などの反省点も含め話していると、面接官に「うん、前の職場を悪く言わないように、オブラートに包んで話そうとしているのがわかる(笑)」と言ってもらえたのです。
どんな理由であれ、前の職場の悪口や噂をオブラートに包まず話すことは、面接官にマイナスな印象を与えてしまいます。だからといってまったく話さないのではなく、事実をやんわりと伝えてください。そうすれば面接官にマイナスに思われることはないでしょう。
【鉄則⑤】在職中、もしくは退職したらすぐに始める
転職活動は、長引くと驚くほどお金が必要になります。面接会場までの交通費だけでも、積み重なればバカにはできないので、なるべく在職中におこなうことをおすすめします。
私は退職後にすぐ始め、2~3社ほど面接をして内定をいただいたので、さほどお金はかかりませんでした。1年目で辞めると退職金もでない規則だったため、貯金が底を尽きないうちに早く決めてしまおうという気持ちも強く、エージェントの方にかなり予定を詰めてもらったこともありました(笑)
もちろん、他にも転職活動をすぐに始めるメリットはあります。
それは、看護技術を忘れずに済むという点です。特に1年目は退職から時間が経ってしまうと、せっかく習得した看護技術や知識を忘れてしまう人が多いです。
体で覚えるまでに至ってないため仕方ないことですが、なるべくなら覚えているうちに転職を決めておおきたいところ。病院によっては、再研修プログラムを組んでくれるところもありますが、まったく組まれないところもあるのです。そのような場所に内定が決まっても困らないように、早めに転職活動は始めた方がよいでしょう。
以上が、看護師1年目の人が転職するときにやっておくべき5つの鉄則でした。
1年目の転職は色々と不安や勇気が必要です。実際に雇ってもらえる可能性は低く、エージェントを利用しても門前払いをくらってしまうことだってあります。
私も面接は2~3社で済みましたが、面接のエントリーの段階で落とされたものを含めると30社は超えました。それくらい、1年目の転職は難しいということだけは頭に入れておいてほしいんです。
ただし、この記事を読んでくださっているあなたが諦めなければ、必ず転職先は見つかるはずです。どうか看護師の仕事を続けたい気持ちだけは忘れないでください。この記事が、看護師1年目の人の手助けとなりますように。そして1人でも多くの看護師1年目が再スタートできるように心から祈っています!
キャリアコンサルタント
1年目の転職には転職エージェントの活用が必須とのこと。どの転職エージェントに登録すべきか迷っている方は、以下の記事を参考に、あなたに合った転職エージェントを見つけてください。