2018年、政府は働き方改革の一環で「モデル就業規則」を改定し、副業・兼業を原則容認するよう民間企業に促しています。政府の副業推奨を受け、副業による年収やスキルの向上を望む人が増えています。
これに伴い、副業支援サイトの注目度も高まっています。この記事では、副業支援サイトの一つである「プロの副業」の概要から口コミまで、詳細を検証していきます。
プロの副業以外のおすすめフリーランス向けエージェント、年収UPが狙える転職エージェントもご紹介します。
副業に興味のある方、年収UPを目標にしている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
各エージェントに「良い転職先があれば、すぐに転職したい」と伝え、優先的にサポートしてもらう。
担当者との相性を確認しながら本命のエージェントを1社に絞り、本格的な転職活動を開始する。
「プロの副業」の副業紹介サービスを詳しく解説!
プロの副業のサービス内容や運営会社、掲載している副業案件の業種や利用者の平均報酬額について詳しく見ていきます。
プロの副業が扱う案件の働き方例も記載しています。労働時間や形態にこだわる方も、参考にしてください。
プロの副業とは
プロの副業とは、広告・マーケティング業界に特化したプロの人材向け副業支援サイトです。
プロの副業は無料で会員登録・利用ができ、費用はかかりません。登録時に入力したスキルや経験などの情報と、担当者との面談内容を元に、条件に合う案件があれば紹介を受けられます。
その後、担当者同伴で登録者と企業の顔合わせがあり、双方が同意すれば契約となります。
契約形態は業務委託契約です。契約期間は6ヶ月前後の契約が多いとされ、案件によって異なります。
複数の案件を同時に受けることも可能で、個人の体力やスケジュール管理能力次第です。多い場合は5社と同時契約する副業者の例も紹介されています。
プロの副業・運営会社「ホールハート」とは?
プロの副業は2008年12月設立の株式会社ホールハートが運営しています。
事業内容は広告・ネット業界専門人材紹介サービス、新卒や外国人エンジニア採用事業、M&A/ビジネスマッチング、イベント事業などです。
主要取引先には、電通グループ各社、博報堂DYグループ各社、サイバーエージェントグループ各社といった広告会社のほか、ドワンゴ、コロプラ、LINE、楽天などのIT企業があります。
「人材業界で培った10年の実績」を強みに、2018年2月にプロの副業の運営を開始しました。
プロの副業にはどんな案件がある?
プロの副業の案件は、以下の12種に分類されています(かっこ内数字は公開求人数※2020年4月2日時点)。ITやWEB系、広告、マーケティング支援が中心です。
- EC(5件)
- PR(9件)
- WEBディレクター・PM(13件)
- エンジニア(11件)
- その他(8件)
- データアナリスト(2件)
- デザイナー(6件)
- ブランディング(2件)
- マーケティング(20件)
- 人事戦略(6件)
- 営業(8件)
- 新規事業(8件)
「その他」の項目には、現在は動画編集、経理、業務改善などの副業求人がまとめられています。
プロの副業が保有する案件のほとんどは非公開のため、会員登録・ログインをせずに閲覧可能な案件はごく一部です。
掲載されている案件は成約済のものも多く、公開求人はあくまで取り扱い事例の参考程度にしかなりません。
プロの副業でもらえる報酬はどのくらい?
株式会社パーソル総合研究所が2018年に行った副業者対象のインターネット調査によると、副業の平均月収は6.82万円です。
一方、プロの副業では、平均月収約15万円とサイト内に明記されています。年収にすると180万です。
ただし「よくある質問」のページで、「(報酬は)案件や頻度により、個別に決定いたします。詳細は契約時にご説明させていただきます」と説明しています。
サイトに掲載されている3つの働き方例では、下記のように紹介されています。
- 働き方例①本業あり:週5で対面とリモート作業、月40時間稼働、報酬目安10〜20万円
- 働き方例②フリーランス(個人事業主):週1のみ常駐、月40時間稼働、報酬目安15〜40万円
- 働き方例③独立準備中の収入源として:週2常駐とリモート作業、月80時間稼働、報酬目安25〜50万円
週1勤務でOKの案件もあり、稼働時間を抑えたい人に好評です。
プロの副業のエージェントはどんな人?
広告・IT/WEB業界の副業支援に特化しているプロの副業では、エージェントもその業界出身者がメインです。プロの副業所属エージェントの前職例は、以下の通りです。
- 元宣伝会議取締役・マスメディアン社長
- ビズリーチ日本ヘッドハンター大賞MVP受賞者
- リクナビNEXT転職エージェントランキング常連者
- 元フルスピード・メタップス・ITベンチャー社長経験者
- 元博報堂DYグループ企業出身デジタルマーケティングスペシャリスト
- 元セールスフォース
- 元楽天
- 元マイナビ etc
この中には、運営会社「ホールハート」の主要取引先企業もあります。
公式サイトのエージェント紹介によると、元宣伝会議取締役の小野進一氏、プロの副業事業責任者の飯田賢平氏らが名を連ねています。飯田氏も宣伝会議の出身です。
業界における人脈を生かして広告・IT/WEBの特定領域に集中し、幅広い職種を扱う大手転職支援サービスとの差別化を図っています。
プロの副業に支払う手数料は?
プロの副業ではすべての支援を無料で受けられ、手数料は一切発生しません。
会員登録、担当エージェントとの面談、企業との顔合わせ、契約までの支援サービスはもちろん、契約後に得た収入から手数料を引かれることもありません。
プロの副業の運営は、副業者と企業の契約が成立した場合の成功報酬で成り立っています。つまり、求人を出した企業からプロの副業に支払われる報酬で運営しているため、副業者個人には金銭的負担はかかりません。
プロの副業の評判は?副業支援サイトを口コミで比較!
プロの副業は無料で利用しやすく、特に広告・マーケティング業界の人に向いている副業紹介サービスのように思えます。
一方、口コミを見ると、扱われている案件がハイレベルであるが故の利用しにくさが見えてきます。以下にプロの副業の良い評判と悪い評判をまとめています。
プロの副業の良い評判:自分に合った働き方ができる案件に出会える
プロの副業で契約できる案件には、「週1日5時間の会社勤務」「週5日2時間ずつのテレワーク」など、少なめの稼働時間の求人が多いです。ほとんどテレワークだけで済む案件もあります。
自分の都合に合わせて働けるため、「企業に所属しているが、プロの副業を利用して隙間時間も有益に使えた」「副業でスキルアップができ自信がついた」といった声がありました。
フリーランスや起業準備中の人が、週5日常駐で腰を据えて参画できる案件もあり、「収入を安定させることができた」「起業のための軍資金を調達できた」という人もいます。
多い人で月収50万の例もあり、様々なニーズを満たしているようです。
プロの副業の悪い評判①スキルや経験が少ない人には案件紹介が来ない
プロの副業は、スキルが高く経験豊富で優秀な人材でなければ案件は紹介してもらえないという口コミが目立ちます。
実際に利用した方からは「紹介された案件は時給最低2500円から」「キャリアもスキルもある40代が好まれる」との評判がありました。高額案件が多い分、要求される能力も高くなります。
このため、キャリアの浅い20代〜30代の人は、会員登録しても紹介がまわってこない傾向にあるようです。
逆に、案件を獲得できる人は複数のプロジェクトを掛け持つ例があり、仕事を得られる人が偏っています。
自身のスキルや経験がまだ浅いと思う人は、この記事で後に紹介する各種エージェントサービスを使って、現状で獲得できる仕事を確実に得ることをおすすめします。
プロの副業の悪い評判②経験があってもブランクが長い人には厳しい
上記の評判と関連しますが、プロの副業はハイスペックな人材を求める案件が多いため、ブランクがあり、即戦力として参画するのが難しいと思われる人には声がかからない傾向にあると言われています。
プロの副業で扱う案件は、技術進歩や業界のトレンドをフォローし続けるプロを対象としています。
子育てや健康上の都合などでブランクのある人が、プロの副業を利用して同じ業界に復帰しようとしても、実際には難しいようです。
ブランクがある人は、プロの副業以外の副業・転職支援サービスを利用すると、希望の業種に復帰できる可能性が上がります。後半で各種おすすめエージェントサービスを紹介します。
プロの副業の悪い評判③求人数が少ない
プロの副業は保有する求人数がそもそも少ないという口コミも多いです。現在公開されている案件の総数は98件で、中には成約済みも多数あります。
後述する別のフリーランス向けエージェントでは、少ないものでも559件、多いものでは10,900件もの案件を公開しており、プロの副業の公開案件数の少なさが目立ちます。
プロの副業は求人数が少ない分、競争率も高くなり、「どの案件もすぐ埋まってしまう」とも言われています。
副業や転職先を探す際、多くの選択肢から自分の条件に合ったものを吟味することが、就業後のミスマッチを防ぎ、収入増加やスキルアップに繫がります。
プロの副業の限られた求人の中から無理して案件を選ぶよりも、他のエージェントを利用して選択肢を広げたほうが良いでしょう。
プロの副業以外の副業支援サイトの評判は?
プロの副業以外にも、副業の検索・仲介などをサービスとして提供するサイトが多く存在しています。下記はその一例です。
- クラウドソーシングサービス「クラウドワークス」「ランサーズ」「サグーワークス」
- 自分の知識・スキル・経験をサービスとして出品できる「ココナラ」
- 自分の時間をチケットとして売れる「タイムチケット」
- 無料でネットショップを開設できる「BASE」
- アンケートサイト「マクロミル」
それぞれのサイトによって、案件や必要とされるスキルは異なります。共通する口コミは「単価が安い」「小遣い稼ぎの域を出ない」といった収入の少なさを嘆くものです。
月数万円の稼ぎではなく、高額年収やスキル向上などの目標を持つ方は、上記サイトを利用するよりも副業や転職を支援してくれるエージェントに登録する方が現実的です。
【結論】プロの副業に副業仲介してもらうべき?
結論として、プロの副業よりも別のフリーランス向けエージェントや転職エージェントを利用し、そこで自分に合った案件を探すことをおすすめします。
プロの副業に登録しても、経験の浅い人やブランクのある人は案件が紹介されず、待ちぼうけをくらってしまう可能性が高いです。
求人数も少ないため一つの案件あたりの競争率が高く、経験豊富でハイスキルを有する人でも案件獲得が難しい傾向にあります。
以下に紹介する各エージェントは、どれも専任のエージェントによる手厚い副業獲得・転職支援が受けられます。
どのエージェントも多くの求人を保有しています。より高収入で労働条件もマッチする副業に出会えるはずです。あるいは、副業よりも転職をして年収UPにつなげる選択肢もあります。
プロの副業を使うよりおすすめ!フリーランス向けエージェント3選
フリーランスの案件探しの強い味方となるエージェントを3つご紹介します。
どれも完全無料で利用でき、プロの副業よりも求人数が豊富で多彩な業種・職種があります。それぞれ扱う案件が異なるので、複数のエージェントへの登録がおすすめです。
①BTCエージェントforエンジニア
株式会社ビッグツリーテクノロジー&コンサルティングが運営するBTCエージェントforエンジニアは、フリーランスエンジニアに高額案件を提供しているエージェントで、利用者の平均年収は946万円以上とされています。
会員登録後、専任コーディネーターとの対面かWebのヒアリングを経て、希望に沿った面談確約案件が紹介されます。
プロの副業は紹介された案件に応募後、書類選考から面談まで通るか不確定で、時間もかかります。その点、BTCでは最初から面談確約のためスムーズに求職活動が可能です。
経歴書の書き方や面談のアドバイス、企業との日程調整、就業後の条件交渉もコーディネーターが代行してくれます。
案件はスキル(言語)、特徴、職種、勤務地(東京都23区内詳細、23区外)別に検索でき、公開案件だけで559件、非公開案件も多く保有しています。
BTCエージェントforエンジニアの公式サイト②パーソルテクノロジースタッフ
パーソルテクノロジースタッフは、IT系(システム開発、ネットワーク、クリエイティブなど)・機電系(機械・電気・電子など)エンジニア向けの求人を紹介するエージェントです。
会員登録はWebでも行えますが、登録拠点に行き、キャリアアドバイザーと対面で希望条件を相談しながら登録することも可能です(※後者は完全予約制)。
パーソルテクノロジースタッフと雇用契約を結び、成約した企業で派遣スタッフとして働くことになります。就業先でトラブルが起きた場合、パーソルテクノロジースタッフの担当者に相談すれば、間に入ってもらえます。
プロの副業は公開案件がわずかで検索機能もなく案件探しが難しいのに対し、パーソルテクノロジースタッフには公開案件が3044件あり、勤務地別(関東、関西、東海)、時給別に検索できます。
職種は「IT」「クリエイティブ系」「機電」の3分野から更に詳細な職業を選択可能で、案件を自分でも検索しやすいサービスです。
パーソルテクノロジースタッフの公式サイトパーソルテクノロジースタッフの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 パーソルテクノロジースタッフの評判は?500人の口コミ調査の結果③レバテックフリーランス
レバテックフリーランスは、フリーランスのエンジニアやデザイナー向けに案件情報を提供するエージェントです。利用者の平均年収は862万円、登録者数は15万人にのぼります。
公開案件は10,900件と多く、非公開案件も多数保有しています。 案件は言語、インフラ、職種、業界、勤務エリア別に検索可能です。
Webで会員登録後、カウンセリングが行われ、希望や条件に沿った案件が提案されます。
登録者を支援するのは3人で「マッチする案件を提案するテクニカルカウンセラー」「案件参画までを支援する企業担当」「参画中の相談に応じるフォロワー」が対応します。
登録からプロジェクト参画中まで、対面や電話、メールなどで万全のサポートを受けられます。
登録者が希望する業界に造詣の深いプロが支援するため、広告・IT系以外の分野は不得手のプロの副業よりも幅広い職種に対応しています。
レバテックフリーランスの公式サイトプロの副業を使うより確実!年収UPを狙える転職エージェント3選
次に、年収UPを狙える転職エージェントを3つご紹介します。
これらも利用料無料で、副業可能な案件も多数扱っており、専任のエージェントから案件が紹介されます。
「最初は副業として始め、働き方や条件が合えばそこに転職したい」という希望も、エージェントに事前に相談しておけば条件に合った案件を提案してくれます。
こちらもいくつかのエージェントへの複数登録がおすすめです。
①パソナキャリア
パソナキャリアは現在37,699件の公開求人を掲載している転職エージェントで、25万人の転職支援実績があり、利用者の年収アップ率は67.1%とされています。
多くの転職者を支援してきたノウハウを生かし、専任のキャリアアドバイザーが最新の業界情報をもとに案件を提供します。
面談日程の調整、書類の書き方や面談対策、企業との条件交渉など、会員登録後から契約後まで、転職支援のプロのサポートを受けられます。
プロの副業のエージェントは広告・IT系業界出身者がメインなのに対し、パソナキャリアのエージェントは幅広い業界に精通した転職支援のプロです。
副業に初めて取り組む人は、パソナキャリアで副業可の求人を紹介してもらえば、スムーズに副業を始められます。
求人検索で「副業可」と入力すると94件、「副業OK」では27件の公開求人がヒットします。パソナキャリアの扱う80%は公開されない非公開求人なので、さらに多くの副業可能案件があると思われます。
パソナキャリアの公式サイトパソナキャリアの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 パソナキャリアの評判は?629人の口コミ調査の結果②リクルートエージェント
リクルートエージェントは公開求人数132,134件、非公開求人数146,967件、計279,101件もの求人数を保有する大手転職エージェントです。
企業ごとの特徴や選考のポイントなどをまとめた「AGENT Report」を独自に作成し、利用者に配布しています。
こういった情報は転職活動をするうえでとても有益であり、プロの副業よりも幅広い業種をカバーしているため、情報収集の面でもおすすめです。
口コミでは「専任エージェントから紹介してもらえる求人数が多い」「豊富な企業情報をもとに対策が立てられるので書類選考通過率が高い」と評判です。
求人検索で「副業」と入力すると、副業可能な公開案件が230件ヒットします。リクルートエージェントも非公開求人が多いので、さらに多くの副業可能な求人があります。
リクルートエージェントの公式サイトリクルートエージェントの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 リクルートエージェントは評判が悪い?500人の口コミ調査の結果③ランスタッド
ランスタッドは1960年にオランダで創業した世界展開する転職エージェントです。求人数は10,000件以上で、60年培ってきたノウハウで転職者を支援します。
年収800万円以上のプロフェッショナル転職、キャリアアップ転職、外資系・グローバル企業への転職支援を得意とする一方、エンジニア派遣・転職にも力を入れ、サイトのフッターから専用ページを閲覧できます。
「副業」でキーワード検索をすると、副業可能な案件が正社員・契約社員は38件、派遣は19件ヒットします。
ランスタッドは保有する求人の80%が非公開のため、会員登録後に改めて検索するとさらに多くの副業可能な案件を見つけられるでしょう。
高収入やキャリアアップを得意とするエージェントのため、年収増を目指すなら利用者の平均月収15万円のプロの副業を利用するよりも、ランスタッドで案件を探すことをおすすめします。
ランスタッドの公式サイトランスタッドの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 ランスタッドの評判は?500人の口コミ調査の結果プロの副業の評判まとめ
プロの副業は無料で利用できますが、求人数が少なく、プロ向けのハイレベル案件ばかりのため、プロの副業で自分に合う案件を獲得するのは難しいという評判が多数でした。
現役の即戦力人材が求められるので、過去に経験した業界でもブランクがある人は案件が紹介されにくいデメリットもあります。
プロの副業で狭き門の案件を狙うよりも、この記事で紹介したエージェントに複数登録し、様々な案件を比較して選んだ方が年収増加・スキルアップが見込めます。
専任エージェントに希望や条件を伝えておけば、マッチした案件を紹介してもらえます。企業情報の提供や面談対策などの支援も受けられ、万全の状態で企業との面接に臨めます。
様々なエージェントを活用し、より良い労働条件・年収UPを目指しましょう。