せっかく大学を卒業したのに就職せず、そのままニートになってしまう人が増えています。「大卒ニート」と呼ばれますが、大卒ニートになったのは本人のせいだけとは限りません。
周囲の環境・人間関係が原因の場合もあります。
では、大卒ニートのままではいけないと危機感を抱いている人は、どのように現状を変えればいいのでしょうか。
まずは大卒ニートの実態を解説したうえで、社会復帰する方法を詳細に解説していきます。
目次
大卒ニートは珍しくない!年代・性別ごとに実態を調査
大卒ニートは、いまや珍しいものではありません。
文部科学省と厚生労働省が発表した2019年3月の大卒者の就職率は「97.6%」でした。
一見、ほとんどの学生が就職しているように見えますが、この数字はあくまで就職希望者に対する割合で、影には大卒ニートが多く存在しています。
では、そんな大卒ニートの実態を見ていきましょう。
大卒ニートの割合は?30代・女性が多い?
まず、大卒ニートの男女の割合について説明します。
労働政策研究・研究機構(JILPT)の調査(2017年時点)によると、非求職無業者(在学者除く)のうち14.7%を大卒の男性が、10.8%を大卒の女性が占めています。
非求職無業者とは「仕事に就いていない者のうち、求職活動をしておらず、配偶者もなく家事をしていない者」のことで、一般的にはニートと呼ばれます。
同じ調査によると、非求職無業者の年代別割合は20歳〜29歳が30万5千人、30歳〜39歳が33万5千人です。
大卒ニートの割合は、性別は男性が、年齢別では30代が多い傾向にあります。
大卒ニートは引きこもりも多い?
大卒ニートになった経緯を大きく分けると、もともと就労意欲に乏しかったケースと、大学までは順調に進んだものの就職関連の失敗でニートになってしまうケースがあります。
後者の場合、真面目さから極端に自己否定を繰り返し、徐々に対人コミュニケーションを拒絶し始め、最終的に引きこもってしまう可能性が高いです。
文部科学省が引きこもり自立支援機関の協力を得て実施した「ニートに関する実態調査」(2005年)に、その傾向が見て取れます。
この調査では、引きこもり自立支援機関を利用する18~36歳(うち女性5人)に聞き取りをし、引きこもりに該当する人は少なくとも4例ありました。
また、最終学歴は大卒が7人、専門学校卒が2人、大学中退が5人、高校中退が15人などでした。
大卒者の場合、就職活動に挑戦したものの失敗したケースや、一度就労したものの心身の不調で退職し、そのままニートになるケースが多いようです。
支援団体への聞き取りでは、引きこもりになる人の特徴に「学力優秀」「感受性豊か」「人の心情を察する」「真面目」「性格が優しく、ストレスをため込む」の4点が挙げられていました。
このことから、大卒者は最初は真面目に働こうと考えていても、挫折を機にニートになることがあるようです。
調査からは「大卒ニートは引きこもりが多い」とのデータはありませんでしたが、ニート期間が長引くと、結果的に引きこもりになるケースはあります。
大卒ニートは余裕で社会復帰できる!2chスレの体験談を分析
大卒ニートは「ただ遊んでいた学生の末路」と思われ、世間の風当たりは厳しいです。
一方、就職活動を一生懸命したけれど、うまくいかず大卒ニートや引きこもりになった人が多いのも事実です。
挫折が原因の大卒ニートは、どのように社会復帰を目指せばいいのでしょうか。
2ch・なんjのスレの体験談や参考になる書き込みを紹介し、社会復帰する方法を解説します。
大卒ニートが社会復帰する方法①資格を取る
今実務者研修中で1月に介護福祉士とるわ
介護職は、この先どんどん需要が伸びてきます。
資格が無くても働ける施設があるので、働きながら介護初任者研修を修了し、介護資格取得を目指すことも可能です。
介護に限らず、人の役に立ちたい思いがある方は、資格に狙いを定めて社会復帰を目指す方法があります。
経理担当者なら簿記出来て当たり前なんだけど
簿記2級は大学生の時に毎日10時間で3週間でとった
簿記一級はニート時代にダラダラやって一年でとった
2chにスレを立てて上記の書き込みをした方は、長いニート生活中に簿記1級の資格を取って経理職に就職できました。
経理職は、基本的にどの企業にもあり、常に求人需要が多い職種です。
経理職の募集要項に「簿記2級を取得していれば未経験でもOK」と記載している企業も多く、この資格を取得できれば社会復帰の可能性が高まります。
大卒ニートが社会復帰する方法②転職エージェントに相談する
10社書類審査出して4社面接に進めた。
大卒ニートでも、転職エージェントを頼れば自分一人で就職活動を行うより効率が良いです。
面接対策や書類添削をしてくれるエージェントも多いので、面接に進める可能性が高まります。
ステマっぽくなっちゃってたらごめん。
16卒で大した経歴ないのに本当に良くしてくれるよ。
転職エージェントを使うと就職活動の効率も上がりますが、何より精神面で安心できるので前向きになれます。
ニートの期間が長いと、コミュニケーション能力が衰えがちですが、キャリアアドバイザーと接することで他人との会話に慣れていけます。
今週中に返事はくれるらしい。
口下手な俺を安心させようと、エージェントの担当が面接直前まで一緒にいてくれた。
企業担当者との面接は、大卒ニートにとって社会復帰のために乗り越えなければいけない難関のひとつです。
ニートの期間が長いほど、新卒や他の転職者に比べて面接の難易度は上がります。
この書き込みをした方のように就職に向けて努力をしていれば、転職エージェントはそんな局面においても成功できるよう寄り添ってくれます。
大卒ニートが社会復帰する方法③公務員試験を受ける
公務員試験は自分を追い込む必要はありますが、猛勉強の末に合格すれば、自分自身を肯定できるきっかけにもなります。
ただ半年間は、自分で言うのもなんだが、かなり頑張った。
深夜のバイトしながら、毎日3時間は勉強・・・。
これでダメだったら死ぬしかないと思ってたよw
試験対策の負担が掛かるとはいえ、明確な目的のために頑張る行動は、社会復帰への足掛かりになります。
公務員に挑戦したい気持ちがある方は、後悔しないよう思い切って受験してみることをおすすめします。
先輩も数人いるよ!
長く働かないでいるとコミュニケーションの場が極端に少なくなるために、面接で不安を覚える大卒ニートが多いです。
そんな弱点も、上記の書き込みのように努力でカバーすることも可能です。
大卒ニートが社会復帰する方法④ボランティア活動をする
単発参加のとかあるし、いろんな人と会えるしな
この前のは学校の先生と中小のお偉いさんと一緒にできたし
あと、そういう活動に参加してる人はいろいろと寛容だよ
ボランティアは、人の役に立てるだけではなく様々な出会いもあります。
ニートになって人と接しないと、価値観が凝り固まってしまいますが、人助けや出会いなどを経て刺激を受ければ、自分自身が変わるきっかけになります。
今回はなんとかありがとうだけは伝えることができた
ボランティアのみんなでお別れ会をやってくれたんだけど、
その時にはもうみんなの前で話したり、冗談を言ったり、馬鹿ができる人間になれてた
上記の書き込みをした方は、東日本大震災の時に勇気を出してボランティアセンターに向かい、班のリーダーを任せられるほど活動していました。
その中で仲間ができたことで気持ちが前向きになり、その後ニートから立ち直り、設計事務所に就職できました。
ボランティアで得た貴重な経験は、その人にとって立派な財産にもなります。
大卒ニートが社会復帰する方法⑤留学する
苦労はしたが不安は無かった。
留学する際は、何となく海外に行くのではなく、目標を持って渡航することをおすすめします。
目標さえあれば、上記の書き込みの方のように英語力は自然と身に付きます。
英語喋れんなくても毎日刺激的ですっげぇ楽しかったしなぁ。。
ただ強い意志で自分をアピールしていかないと海外では相手にされません
不安かもしれんが海外から出るのにネガティブになってるくらいなら行くな!!
行けるチャンスがあるだけラッキーなんだから頑張れよ
上記の書き込みの中でもあるように、海外留学すると様々な刺激を受けるので自分自身を変えるきっかけにもなります。
海外留学は金銭面など、誰でも行けるわけではありません。もし機会を得たなら、恐れずに海外へ飛び込んでみることをおすすめします。
ネガティブな人おおすぎって高みの見物はできる
自分の心の持ち方は確実に変わった
この書き込みは、どうせ今までと変わらないのではという意見に対する返事です。
自分の心の持ち方を変えることは、社会復帰を果たすための大きなステップです。
大卒ニートが社会復帰するなら必ず登録すべき転職エージェント
大卒ニートにとって転職エージェントを利用して就職活動をするのは、少し敷居が高いと感じる方も少なくなりません。
むしろ、そういった大卒ニートにこそ転職エージェントへの登録がおすすめです。
なぜなら、就職活動に有効なテクニックだけではなく、メンタル面でも寄り添ってもらえる安心感があり、社会復帰に向けて前向きになれるからです。
この項目では、大卒ニートが登録すべき転職エージェントについて紹介します。
大卒ニートにおすすめ①DYM転職
DYM転職は、新卒から就職する正規のルートを外れてしまった人にこそ、手厚いサポートをしてくれる転職エージェントです。
DYM転職で紹介される求人は、担当者が基本的に面接までセッティングしてくれるので、苦手な方が多い書類選考のプロセスがありません。
大卒ニートの場合、履歴書に空白の期間があるので書類選考がないのは精神的にも安定します。また、登録から内定までのスピードが早いのも特徴です。
DYM転職で紹介される求人は正社員のため、安定を求める20代〜30代の大卒ニートには登録をおすすめします。
DYM転職が掲げるテーマは「寄り添う就活」で、面接練習や書類作成などに担当者がとことん付き合ってくれると口コミでも評判です。
メンタル面でも、一番不安定になりやすい就職活動の時期を心強くサポートしてくれるので、常に前向きな状態で就職活動に励めます。
DYM就職の公式サイトDYM就職の評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 DYM就職の評判は?500人の口コミを検証大卒ニートにおすすめ②パソナキャリア
パソナキャリアは、サポート力が非常に高いことで有名で、大卒ニートの方でも手厚くサポートしてくれます。
丁寧なキャリアカウンセリングを行ってくれ、キャリア・希望条件にぴったり合った転職プランを考えてくれます。
初めて転職する場合でも、書類添削や面接対策、条件交渉までしっかり行ってくれるので、非常に安心です。
転職エージェントの中で、最も顧客満足度が高いのもパソナキャリアなので、まずは登録して、転職相談をしてみましょう。
パソナキャリアの公式サイトパソナキャリアの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 パソナキャリアの評判は?629人の口コミ調査の結果大卒ニートにおすすめ③ハタラクティブ
ハタラクティブは、大卒ニートにとっては「最後の砦」と言っても過言ではない転職エージェントです。
転職エージェントを使うのをためらう理由が、「ブラック企業ばかり紹介されるのではないか?」という不安が拭えないためである人も多いです。
ハタラクティブは実際に担当者が取材・見学に行った企業のみ紹介しているため、ブラック企業に当たることはありません。
ブラック企業を除外したうえで、ハタラクティブで紹介される求人はほとんどが「未経験OK」なため、大卒ニートでも気後れすることなく応募できます。
しかも、ニートであっても内定率80%の実績を誇っているので、安心して就職活動のサポートをお願いできます。
ハタラクティブの公式サイトハタラクティブの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 ハタラクティブの評判は?500人の口コミ調査の結果大卒ニートにおすすめ④リクらく
リクらくは、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県でのみ事業を展開している、特に20代〜30代の就職に強い転職エージェントです。
リクらくに在籍しているのは経験豊富なキャリアコンサルトのため、充実したフォローにより安心して社会復帰を目指せます。
ニートの期間が長いと、社会に対する認識や人生設計について甘さを持っている場合があります。
リクらくでは、求職者の内面的な部分を頭ごなしに叱ったり、ニートであることを咎めたりはせず、一緒に現状を変えるために寄り添ってくれます。
そんなサポートにおけるスキルの高さは、90%を誇る内定率にも現れています。
関東にお住まいか、今は他の地方で暮らしているが関東で仕事を探したい20代〜30代の大卒ニートにおすすめの転職エージェントです。
リクらくの公式サイト大卒ニートにおすすめ⑤ジェイック
ジェイックは、就業経験が無い20代〜30代のサポートに強い転職エージェントです。
ジェイックが他の転職エージェントと違う点は、最初に求人の紹介から始まるのではなく、社会人としてのマナー・常識についての認識形成から始まるところです。
就職支援を行う対象者ごとにコースが分かれ、コースごとに適任の就職アドバイザーが付きます。就職支援では、自分と同じような立場の人たちと一緒に講義を受けるため心強さもあります。
ジェイックは正社員求人のみしか紹介しておらず、離職率の高い業種の紹介はしていないため、安心感も高いです。
仲間と一緒に成長でき、満を持して社会人デビューをしたい大卒ニートにはおすすめの転職エージェントです。
ジェイックの公式サイトジェイックの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 ジェイックの評判は最悪?500人の口コミ調査の結果大卒ニートにおすすめ⑥マイナビジョブ20's
マイナビジョブ20's(マイナビジョブトゥエンティーズ)は、株式会社マイナビが運営する、既卒・第二新卒の20代を中心に就職サポートする転職エージェントです。
マイナビジョブ20'sの強みは、詳しい適性診断を行ったうえでキャリアカウンセリングに臨める点です。自分のことを客観的に分析してもらうので、企業へのアピールの幅が広がります。
その適性診断を踏まえてカウンセリング・求人紹介をしてくれるので、内定までに無駄がありません。
ネームバリューがあるからこその求人数の多さも魅力のひとつです。
求人応募した際には、職務経歴書の添削・面接対策も行ってくれるので、就職活動の経験に乏しいニートでも安心して頼れます。
就職活動の前に、自分の適性や強みを知っておきたい方におすすめの転職エージェントです。
マイナビジョブ20'sの公式サイト大卒ニートが転職エージェントを使う際のポイント
大卒ニートが就職活動を行う際は、転職エージェントに複数登録するのが必須です。
転職エージェントはそれぞれ得意分野が異なり、複数登録すれば多様な求人に触れる機会が増えます。
自分に合ったキャリアアドバイザーを見つけることも可能です。
キャリアアドバイザーの質より人間としての相性が合わない場合もあるので、そういったミスマッチを避けるためにも複数登録は必要です。
複数登録して間もないうちはスケジュール管理が少し煩雑になりますが、アプリのメモ・カレンダー・リマインダーなどを使えば管理しやすくなります。
社会復帰したと思ったら、「思っていた職場と違う雰囲気で、馴染めずに結局すぐやめてしまった!」などといったことが起きないよう、求人を選べる環境を作りましょう。
大卒ニートの社会復帰は早めが吉!
大卒ニートになったことで、人生自体終わりだと悲観してしまっている方も多く見られます。
そう思い込むのはまだ早いです。
自分で自身の価値を見限っては、ニートから立ち直って前に進めるようになる可能性も狭まってしまいます。
諦める前に、社会復帰するためにあらゆる方法を試してみてください。
一人では立ち直れないと思った場合は、転職エージェントを利用する方法もあります。
大卒ニートの中には、真面目過ぎるがゆえに、自分で全ての悩みを抱え込んでしまう性格の方も多いです。
人に頼ることは悪ではなく、むしろ人は支え合ってこそ価値を発揮できます。頼る相手が転職エージェントであっても同様です。
まずは、そんな意識を改革するところから始めていきませんか。