ベンチャーキャピタル(VC)への転職は難易度が高く、財務に関する高度な知識やコンサルティング能力などが要求されます。
ベンチャーキャピタルは即戦力の人材を求めるケースが多く、未経験者がベンチャーキャピタルに転職するのは容易ではありません。
しかし、転職エージェントを利用すると、未経験者でもベンチャーキャピタルに転職できる機会を得られます。
この記事では、ベンチャーキャピタルへの転職を成功させる方法をまとめました。
ベンチャーキャピタルに転職をしたい方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
各エージェントに「良い転職先があれば、すぐに転職したい」と伝え、優先的にサポートしてもらう。
担当者との相性を確認しながら本命のエージェントを1社に絞り、本格的な転職活動を開始する。
ベンチャーキャピタルへの転職は難易度が高い!転職市場を解説
ベンチャーキャピタルへの転職難易度は高いものの、優秀な人材は積極採用しています。
はじめに、ベンチャーキャピタルの転職市場の最新情報を解説し、ベンチャーキャピタルに転職するにはどうすれば良いのかを明らかにします。
ベンチャーキャピタル転職市場の最新情報
ベンチャーキャピタルの投資額と投資案件数は年々増加し、一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンターが公表している「ベンチャー白書2018」によると、次のようになっています。
年度 | 投資額 | 投資案件数 |
2015年 | 738億円 | 845件 |
2018年 | 1,361億円 | 1,287件 |
ベンチャー企業は銀行からのプロパー融資が受けにくく、ベンチャーキャピタルから資金を調達するケースが増えており、今後もこの傾向は続くと予想されます。
ベンチャーキャピタルは規模拡大とともに、優秀な人材獲得のため中途採用に積極的で、ベンチャーキャピタルへ転職するには今が絶好の機会だと言えるでしょう。
ベンチャーキャピタルへ転職する人の年齢層
ベンチャーキャピタルは20代後半~30代前半の若手クラスを積極的に採用しており、ベンチャーキャピタルへ転職する人はこの年代が最も多いです。
20代後半~30代前半の若手を積極採用する理由は、ベンチャーキャピタルが出資するベンチャー企業は若手経営者が多く、年代が近いとコミュニケーションが円滑になるからです。
一方、外資系のベンチャーキャピタルは、若手に限らず30代後半~40代のミドル~シニアポジションを募集しており、30代後半~40代は外資系のベンチャーキャピタルに転職できます。
ただし、30代後半~40代以上は未経験だとベンチャーキャピタルに転職をするのは難しく、ベンチャーキャピタルでの経験が必要になってきます。
ベンチャーキャピタルへ転職した場合の年収
ベンチャーキャピタルに転職した場合の年収は、一定の経験があれば600万円~1,000万円程度になるでしょう。
外資系ベンチャーキャピタルは年収水準が高く、ベンチャーキャピタルの勤務経験があり、前職で著しい成果を出した人は1200万円〜1800万円程度の年収で採用されることもあります。
ベンチャーキャピタルは能力主義の年棒制を採用しているケースが圧倒的に多く、社員の年収格差は大きいです。
ベンチャーキャピタルに転職後、成果を出して会社に貢献すると年収アップが期待できますが、成果を出せなければ年収アップは期待できません。
未経験者はアシスタントからスタートし、アシスタントの年収は300万円~400万円程度です。
どんな職種からの転職が多い?会計士や経理は有利?
ベンチャーキャピタルで働くには財務の専門知識とコンサルティング能力が求められるため、金融機関(投資銀行)やコンサルティングファームから転職する人が多いです。
ベンチャーキャピタルが出資するベンチャー企業はIT企業が多いので、ITエンジニアから転職するケースも見受けられます。
公認会計士や税理士、中小企業診断士などの資格を持っている人や経理職の経験者は数字に強いことをアピールでき、転職をする際に有利になることがあります。
ただし、ベンチャーキャピタルではコンサルティング能力が何よりも重視されるため、資格を取得していても、コンサルティング能力がなければ採用されるのは難しいでしょう。
ベンチャーキャピタルへは未経験・第二新卒でも転職できる?
未経験・第二新卒でもベンチャーキャピタルに転職することは可能で、特に偏差値が高い有名大学卒やMBAホルダーはベンチャーキャピタルへの転職に有利です。
ベンチャーキャピタルは即戦力の人材を求めるケースが多い一方、未経験・第二新卒でも高いポテンシャルがあれば将来の幹部候補生として採用されます。
ただし、未経験からベンチャーキャピタルに転職をするには、履歴書や職務経歴書の書き方を工夫して、面接対策を念入りに行うことが不可欠です。
転職エージェントを利用すると、応募書類の書き方や面接対策などのレクチャーが受けられ、未経験者でもベンチャーキャピタルに転職できる可能性が高まります。
ベンチャーキャピタル転職で持っていると有利な資格
資格ではありませんが、MBA(経営学修士)の学位を取得している人は、ベンチャーキャピタルへの転職に圧倒的に有利です。
ベンチャーキャピタルの経営者はMBAホルダーを好む傾向があり、国内外の有名ビジネススクールでMBAの学位を取得している人は未経験でも優遇されます。
外資系ベンチャーキャピタルに転職する際には、TOEICの高得点保有者やネイティブレベルの英会話力がある人は有利になるでしょう。
公認会計士、税理士、中小企業診断士、証券アナリスト、簿記2級などの資格保有者もベンチャーキャピタルへの転職に有利です。ただ、資格よりもコンサルティング能力、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力の方が重視されます。
ベンチャーキャピタル転職成功者に聞いた!面接対策と職場の内情
ベンチャーキャピタルに転職するには、応募書類の書き方と面接対策が重要です。
ここでは、転職成功者に聞いたベンチャーキャピタルに転職をする際の面接対策と、ベンチャーキャピタルの職場の内情を説明します。
ベンチャーキャピタルは激務?
ベンチャーキャピタルは未上場のベンチャー企業に出資し、会社が成長して株式を上場させると、保有する株式を売却して利益を得ます。
ソフトバンクは、当時ベンチャー企業だった中国のアリババに出資して大成功を収めましたが、このような成功例ばかりではなく、上場できずに途中で頓挫するケースも多いです。
ベンチャーキャピタルは成果主義の業界です。出資したベンチャー企業が途中で頓挫すると出資した資金は回収できず、大きな損失を被ります。
出資先のベンチャー企業を上場させるには徹底したサポートが必要であり、上場するまでは大変な激務が続きます。
ベンチャーキャピタルはハイリスク・ハイリターンの投資を行うため、精神的なプレッシャーが大きく、精神的にタフでなければこなせないでしょう。
ベンチャーキャピタルへの転職理由はどう話した?
ベンチャーキャピタルの採用面接では、転職理由と志望動機を必ず聞かれますので、転職理由を上手に伝えることが必要です。
「高年収が得られる」という理由で応募する場合も、「なぜ、ベンチャーキャピタルでなければならないのか」を明確に答えられないと採用されるのは困難です。
転職理由は、数ある業界の中からベンチャーキャピタル業界を選んだ理由と、数あるベンチャーキャピタルの中からその会社を選んだ理由をはっきりさせ、言語化をしておく必要があります。
論理性とともに熱意も重要です。「有力ベンチャーを発掘して同じ船に乗り、日本経済を支える成長企業に育てていきたい」など、夢を熱く語りましょう。
ベンチャーキャピタルでの面接はどんなことを聞かれる?
ベンチャーキャピタルの面接で聞かれることは、基本的には他の企業の面接で聞かれる内容と同じで、「自己紹介」「志望動機」「転職理由」「これまでの経験」「将来のキャリアプラン」などです。
ベンチャーキャピタルに特有の質問は、「どういった会社に投資したいですか?」「どういう形で経営サポートをやりたいですか?」という事項が質問されます。
外資系のベンチャーキャピタルでは、コンサルティング能力を見極めるために、フェルミ推定やケース面接のような形式で質問されることもあります。
なお、外資系ベンチャーキャピタルの管理職に応募する場合は、本国の幹部と英語面接が行われることがあります。
ベンチャーキャピタルへの転職ではエージェントを使うべき?
ベンチャーキャピタルへの転職は難易度が高く、自力で転職を成功させることは非常に難しいです。
転職エージェントを利用すると、キャリアアドバイザーの転職サポートが受けられ、模擬面接などの面接対策や応募書類の書き方などをレクチャーしてもらえます。
ベンチャーキャピタルの転職の難易度が高い理由は、求める人材のレベルが高い上に、一人の採用枠に高レベルの人が殺到し、ハイレベルな競争になるからです。
転職エージェントに登録すると、一般には公開されていない非公開求人に応募できるようになり、ライバルが少ない有利な状態で戦えます。
転職エージェントはそれぞれ独自の非公開求人を保有しているので、複数の転職エージェントに登録すると、より多くの非公開求人に応募できるようになります。
ベンチャーキャピタル・転職人気ランキング
ベンチャーキャピタルは、専業ベンチャーキャピタル・政府系ベンチャーキャピタル・コーポレートベンチャーキャピタルなどがあり、定期的に人材募集をしています。
ここでは、ベンチャーキャピタルの転職人気ランキングとして、5つの会社を紹介します。
1位:グロービスキャピタルパートナーズ
グロービスキャピタルパートナーズは数多くのIPO・M&Aを成功させてきた実績がある、日本を代表する独立系ベンチャーキャピタルです。
グロービスキャピタルパートナーズが手掛けた成功事例は、「ランサーズ」「メルカリ」「ライフネット生命保険」「グリー」などで、当時無名だったベンチャー企業を一流企業に育て上げました。
ビジネススクール「グロービス経営大学院」の運営も行っており、数多くのMBAホルダーを輩出しています。
2位:産業革新投資機構
産業革新投資機構(JIC)は官民出資の投資ファンドで、最大2兆円規模の投資能力を有する国内最大級の巨大ファンドです。
産業革新投資機構の出資案件として、「ジャパンディスプレイ」「ルネサスエレクトロニクス」「けいはんな学研都市ATRベンチャーNVCC投資事業有限責任組合」などがあります。
民間ファンドだけではできない長期の視点を持った投資や大型プロジェクトを担い、国益に繫がる産業の育成に貢献しています。
3位:ジャフコ
ジャフコは1973年創業の日本最大級のベンチャーキャピタルで、中国や台湾、香港、シンガポール、アメリカ(シリコンバレー)にも拠点があり、グローバルに投資活動を展開しています。
ジャフコが出資した国内案件には、「レントラックス」「Gunosy」「アクアライン」「ブランジスタ」などがあり、多くのベンチャー企業をIPOに導いてきた実績があります。
半世紀近くにわたって地に足の着いた堅実な投資を行っており、信頼性が高いことがジャフコの強みです。
4位:ニッセイキャピタル
ニッセイキャピタルは日本生命グループのベンチャーキャピタルで、日本生命保険相互会社の完全子会社です。
シード、アーリー、ミドル、レイターの各ステージのベンチャー企業を投資対象とし、ITサービス、医療・バイオ、流通・小売など幅広い業種に投資しています。
1991年の設立以来、累計1,191社のベンチャー企業に投資を行い、このうち257社がIPOを果たしており、成功実績は豊富です。
5位:SBIインベストメント
SBIインベストメントはSBIグループのベンチャーキャピタルで、SBIグループの経営資源をフル活用し、数多くのベンチャー企業に対して継続的な支援を行っています。
これまで、909社のベンチャー企業に出資し、うち16.5%の150社がIPOもしくはM&AでEXITしています。
筑波大発ベンチャーのCYBERDYNE株式会社や東大発ベンチャーの株式会社ユーグレナなどのIPOを成功させており、大学発ベンチャーの案件の投資に定評があります。
ベンチャーキャピタルへの転職でおすすめの転職エージェント・ヘッドハンティングサービス
ベンチャーキャピタルへの転職を成功させるには、転職エージェントの利用が欠かせません。
ここでは、ベンチャーキャピタルへの転職におすすめの転職エージェント・ヘッドハンティングサービスを5つ紹介します。
非公開案件が多いので複数登録が必須
ベンチャーキャピタルへの転職を成功させるコツは、より多くの非公開求人を紹介してもらうことに尽きます。
転職エージェントはそれぞれ独自の非公開求人を保有しており、複数の転職エージェントに登録すると、より多くの非公開求人を紹介してもらうことが可能です。
ベンチャーキャピタルの求人は公開求人よりも非公開求人の方が多いので、以下に紹介する転職エージェント・ヘッドハンティングサービスの全てに登録することをおすすめします。
1位:パソナキャリア
パソナキャリアは人材サービス大手のパソナグループが運営する転職エージェントで、非公開求人を含めて50,000件以上の求人を保有しています。
パソナキャリアは非公開求人の比率が高く、保有している求人の約80%が一般には公開されていない非公開求人です。
ベンチャーキャピタルの求人は公開求人だけで197件もあり、年収600万円~1,000万円クラスの求人が多く、登録すると非公開求人も紹介してもらえます。
パソナキャリアはサポート体制が手厚く、登録するとベンチャーキャピタル業界に精通したキャリアアドバイザーの転職支援が受けられ、ベンチャーキャピタルへの転職を後押ししてくれます。
パソナキャリアの公式サイトパソナキャリアの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 パソナキャリアの評判は?629人の口コミ調査の結果2位:ランスタッド
ランスタッドは外資系の転職エージェントであり、ベンチャーキャピタルなどのハイクラス転職の支援を得意としています。
ベンチャーキャピタルを含むハイクラス求人は1,332件の公開求人があり、これとは別にランスタッド独自の非公開求人が多数あります。
ベンチャーキャピタルの他にも、年収800万円以上を得られるコンサル系やMRなどの医薬・医療系の求人が多く、年収アップを目指す方にとって最適な転職エージェントだと言えるでしょう。
ランスタッドは外資系企業への転職に強く、外資系のベンチャーキャピタルに転職をしたい方は、外資系の転職に強いランスタッドに必ず登録しておくことをおすすめします。
ランスタッドの公式サイトランスタッドの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 ランスタッドの評判は?500人の口コミ調査の結果3位:リクルートダイレクトスカウト
リクルートダイレクトスカウトはリクルートキャリアが運営する会員制転職サイトで、ハイクラス転職に特化しています。
会員登録をすると、非公開求人などの会員限定の情報を閲覧できるようになり、ヘッドハンターによる転職支援が受けられます。
ベンチャーキャピタルへの転職を得意とするヘッドハンターにスカウトされると、ヘッドハンターが求職者を企業に徹底的に売り込んでくれるため、難易度が高いベンチャーキャピタルへの転職が圧倒的に有利になります。
リクルートダイレクトスカウトに登録すると、あとはヘッドハンターからのスカウトを待つだけで良いので、漠然とベンチャーキャピタルへの転職を考えている方も、とりあえず登録だけでもしておくと良いでしょう。
リクルートダイレクトスカウトの公式サイト4位:クライスアンドカンパニー
クライスアンドカンパニーはベンチャーキャピタルなどのハイクラス転職に特化した転職エージェントで、マネージャー以上のハイクラス転職支援では27年の実績があります。
ベンチャーキャピタルを含むハイクラス求人は、公開求人が3,181件、非公開求人が7,113件もあり、ベンチャーキャピタルの求人は年収1,000万円前後のものが多いです。
クライスアンドカンパニーは在籍しているコンサルタントの質が高く、国家資格を持つキャリアコンサルタントがベンチャーキャピタルへの転職をサポートしてくれます。
今すぐ転職を考えていなくても、中長期的にキャリア支援をしてくれるので、ベンチャーキャピタルへの転職を考えている方は、とりあえず登録だけでもしておきましょう。
クライスアンドカンパニーの公式サイトクライスアンドカンパニーの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 クライスアンドカンパニーの評判は?500人の口コミ調査の結果5位:ビズリーチ
ビズリーチはハイクラス転職に特化した求人サイトで、企業の中核を担うハイクラス求人が多数寄せられています。
公開求人は56,433件あり、非公開求人を含めると求人数は約128,000件もあります。
年収1,000万円以上の求人が3分の1以上を占め、登録すると公開求人よりも好条件の非公開求人を紹介してもらえます。
ビズリーチにはベンチャーキャピタル業界に精通した一流のヘッドハンターが在籍しており、ヘッドハンターにスカウトされるとベンチャーキャピタルに転職できるチャンスが広がります。
転職支援の実績があるヘッドハンターを検索することも可能で、優秀なヘッドハンターの支援を受けて転職を成功させたい方はビズリーチに登録しましょう。
ビズリーチの公式サイトビズリーチの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 ビズリーチの評判は悪い!?500人の口コミ調査の結果ベンチャーキャピタルへの転職成功法まとめ
ベンチャーキャピタルへの転職を成功させるコツは、この記事で紹介した5つの転職エージェント・ヘッドハンティングサービスに登録することです。
ベンチャーキャピタルの求人は非公開求人が多く、複数の転職エージェント・ヘッドハンティングサービスに登録することで、より多くの非公開求人に応募できるようになります。
この記事で紹介した5つの転職エージェント・ヘッドハンティングサービスは、好条件の非公開求人を多く保有する会社だけを厳選しています。
5社全てに登録するとベンチャーキャピタルへの転職が圧倒的に有利になるでしょう。
今すぐに転職を考えていない場合も、中長期的なサポートが受けられるので、登録だけでもしておくことをおすすめします。