新型コロナウイルスで内定取り消し・解雇!?雇用危機に備える最新知識と対処法を解説!

新型コロナウイルスの流行で、内定取り消しや解雇・雇い止め事が増えています。

新型コロナウイルスの感染拡大は経済面にも大きく影響し、感染防止のために物流と人の移動を停滞させ、観光や製造、金融業などあらゆる業界を直撃しています。

日本の就職・転職市場も外ではありません。内定取り消しになった人・雇い止めにあった人が相次ぎ、Twitterにも悲痛な叫びが溢れています

この記事では、新型コロナウイルスが理由で内定取り消しになった事例や、過去の経済危機に伴う内定取り消し事例とその原因、内定取り消しにあった際の対処法を紹介します。

雇用危機に直面した際の対応方法も書いているので、内定取り消しになっていない方も一読をおすすめします。

目次

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新型コロナウイルスによる内定取り消し事例とその原因

後段で詳しく論じますが、内定者が嘘をついていたなどの理由がない限り、安易な内定取り消しは違法です。電話、メールなどいかなる連絡手段でも違法は違法です。

これらは、新型コロナウイルスが理由で内定が取り消された方のツイートです。2ch(5ch)にも数多くの内定取り消し事例が報告されています。

厚生労働省によると、3月30日時点で22社計32人の内定取り消しが確認され、解雇・雇い止めも994人いると発表しています。

厚労省や報道機関が確認した内定取り消し・解雇事はほんの一部で、実際にはもっと多くの人が被害に遭っていると考えられます。

あるいは、内定取り消しはしないものの、入社を辞退するよう半ば強制してくる懸念も一部で報じられています。

ここでは、新型コロナウイルスによる内定取り消しの原因と、内定取り消しを受けた官民の対応を解説します。

新型コロナウイルス流行の経緯

2020年に入り、中国・武漢の局所的流行から始まった新型コロナウイルス感染症は現在、全世界に拡散しています。初期症状が風邪に似ていることから拡散しやすいのです。

日本でも1月6日に中国から帰国した神奈川県在住の男性に感染が発覚したのを皮切りに、2月にはクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」が横浜港に留め置かれ、乗客の感染が相次ぎました。

その後徐々に感染者数が増え、東京、北海道、大阪、愛知、神奈川などの大都市や観光地を抱える自治体で感染者数が急増しています。

政府や自治体は2月下旬から、不特定多数が集まるイベントや会合の開催自粛を要請し、3月下旬には東京都や神奈川県が爆発的感染増加(オーバーシュート)の瀬戸際におり、都市封鎖(ロックダウン)もあり得るとして不要不急の外出自粛を呼び掛けました。

世界でも、イタリアやスペイン、アメリカといった欧米で感染者数が急増しています。

世界経済を牽引する日欧米の経済活動が止まり、世界経済全体の失速が懸念されているのです

内定取り消しの原因は企業の業績悪化

新型コロナウイルスまん延による内定取り消しの原因は、企業の急激な経営悪化です。

4月1日発表の「企業短期経済観測調査(日銀短観)」では、大企業・製造業の業況判断指数(DI)がマイナス8と、昨年12月の前回調査から8ポイント悪化し、7年ぶりの低水準に落ち込みました。2月の有効求人倍率も低下し、1.45倍(季節調整値)と2年11カ月ぶりの低水準になっています。

徐々に経営状況が悪くなる慢性不況なら、企業は事前に採用数を絞る対策が取れます。

一方、今回のコロナウイルスまん延は、企業が採用活動を終えた今年初旬から急に状況が進展したため、採用数を減らす選択を取れませんでした。

このため、一度採用を決めた人材にもかかわらず、人件費が払える見通しが立たないなどの理由から内定を取り消すのです。

特に事業拡大をもくろんでいた企業にとっては、新型コロナウイルスのせいで事業拡大が見込めなくなり、新規採用した人材に仕事が与えられない事情もあるようです。

新型コロナウイルスによる物流の停滞、外出自粛はどの程度、企業業績に影響しているのでしょうか。

民間調査会社の帝国データバンクが、新型コロナウイルスの影響で倒産・事業停止した会社を調べているので、一部を紹介します(3月26日時点)。

法的整理(破産手続き、民事再生法適用申請など)
  • 北海道三富屋(コロッケ製造、北海道)
  • ルミナスクルーズ(クルーズ船運航、兵庫県)
  • 志学アカデミー(学習塾、富山県)
  • 花のれん(料理店、北海道)
  • 田村屋旅館(旅館、福島県)
  • 愛トラベル(国内旅行業、広島県)
  • シティーヒル(衣料品、大阪府)
  • ニューステップ(レンタカー、沖縄県)
  • 豆匠たかち(豆腐製造販売、東京都)
事業停止
  • 京洛和蒼(呉服・浴衣卸売、京都府)
  • 冨士見荘(旅館、長野県)
  • 愛織(インテリア・雑貨、大阪府)
  • 合同会社おやど(温泉旅館・愛知県)
  • セブンレストランシステム(食堂経営、北海道)
  • 関西スターリゾート(ホテル運営、大阪府)
  • エターナルアミューズメント(アミューズメント施設、東京都)
  • 新和(給食用食材卸、山梨県)
  • アライドフーズ(バイキングレストラン、北海道)

この調査によると、倒産・事業停止ともに9件です。調査に漏れる企業もあるので、実際にはさらに多くの企業が倒産している可能性もあります。

これらの法的整理・事業整理の原因は主に「自粛による客足の減少」「受注減」「外国人ツアー客のキャンセル」に分類されます。

企業の所在地を見ると、初期に感染が拡大した北海道や大阪府が比較的多いものの、感染者数が少ない沖縄県や山梨県でも倒産・事業停止があるため、影響は全国の企業に及んでいることがわかります。

このほか、上場企業の多くも新型コロナウイルスの影響で損失を計上しており、今後の採用活動への影響は避けられません

民間調査会社の東京商工リサーチによると、上場企業のうち135社が3月27日までに損失計上を明らかにし、売上高・損失ともに「1兆円以上が失われた」としています。

特に人やモノの往来に必須である石油の需要が大きく落ち込み、石油元売り大手のJXTGホールディングスは今期の最終利益について、前回の見込みから4,550億円引き下げ、3,000億円の赤字予想としました。

旅行業にも影響し、エイチ・アイ・エス(HIS)は110億円の黒字見込みを11億円の赤字予想に変更しました。

企業の利益を簡単に表すと「売上高-費用」です。費用は家賃などの固定費や設備投資費、販管費、人件費などで構成されます。

今回、各社が利益予想を下げたのは売上高が減ったためです。利益を出すためには費用を削るしかなく、費用の大部分を占める人件費がターゲットになるのです

これが、新型コロナウイルスまん延で内定取り消しが発生するメカニズムです。

厚生労働省の対策は

新型コロナウイルスによる内定取り消しを受け、厚生労働省も対策に動いています。

厚労省職業安定局は3月5日と27日に、日本経団連、日本商工会議所、全商連、全国中小企業団体中央会に対し、要請文を送付しています。

内容は、既に雇っている有期契約労働者や派遣労働者、パートタイム労働者の雇用維持に努めるとともに、新卒内定者の内定取り消し防止に最大限努力してほしいとするものです。

2回も要請文を送っていることからすると、厚労省の要請は十分守られていないようです。

要請が守られていない事態を受けて、厚生労働省管轄の東京労働局も3月24日に特別なメッセージをホームページに掲載しました。

メッセージでは、新卒内定者には内定取り消しを受けた場合、最寄りのハローワークに相談することを呼び掛けています

企業には「新卒者に対する採用内定取消しは、学生・生徒とそのご家族等に大きな失望を与える」と強く注意喚起し、雇用調整助成金の制度を案内しています。

後ほど紹介しますが、内定取り消しや解雇・雇い止めの被害に遭った方は、最寄りのハローワークや労働基準監督署に相談するのも対応策の一つです。

内定取り消し被害の学生を救済する「神企業」

これらのツイートは、内定取り消しの憂き目に遭った学生を追加採用する企業について情報提供しています。

追加採用を決めた企業は「困った人を助ける粋な心遣いができる」と評価を高めています。

別の見方をすると、人手不足の中で経営体力が比較的ある企業にとって、他の企業が内定取り消しをするのは人材獲得のチャンスでもあります。

当サイトが各企業のホームページなどで集めた情報では、以下の企業が内定が取り消された方向けに追加採用を実施しています(一部は応募締切)。

  • モスフードサービス
  • 平田牧場
  • ライフコーポレーション
  • サミット
  • ノジマ
  • セブンエー美容
  • ジェーシーインターナショナルトレード
  • 中央高等学院
  • 一家ダイニングプロジェクト
  • ナレッジスイート
  • エーツー
  • ニュートン・サンザグループ
  • オンデーズ
  • カラカミ観光
  • 青山メインランド
  • ハロネット
  • Earth Technology
  • ケイアイスター不動産
  • シニアジョブ
  • Wiz
  • ハウスコム
  • RevComm
  • カラダノート

こうした追加採用の情報は、インターネットなどで自分で情報収集することも可能ですが、後に紹介する転職・就職支援サービスを頼る方が効果的です。

過去にもあった!業績悪化による「内定取り消し」

ここまで、新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)による内定取り消しや雇い止めの事例やその背景、厚労省と民間の対応策を見てきました。

実は、企業業績の急激な悪化による内定取り消しは、新型コロナウイルスに限ったことではありません。

日本では第一次石油危機(1973年)やバブル崩壊(1992年)の際にも確認され、2009年の世界金融危機(リーマン・ショック)、2011年の東日本大震災の際にも内定取り消しが発生し、大きな社会問題となりました

ここでは、近年の2事例に絞って内定取り消しの概要を振り返ります。

2009年世界金融危機(リーマン・ショック)

リーマン・ショックの遠因は、アメリカの「サブプライムローン問題」にあります。

当時のアメリカでは、信用力の低い人も住宅購入を可能とするサブプライムローンという金融商品(証券化商品)が流行していました。

ところが、2007年にサブプライムローンで焦げ付きが相次ぎ、このローンに資金を投じていた金融機関が相次いで経営難に陥りました。

2008年、大手投資銀行のリーマン・ブラザーズが経営破綻し、米政府はリーマンを公的資金で救済しなかったため、「大手でもつぶれる危険性がある」と信用不安が一気に加速しました。

日本はサブプライムローンに投資していた金融機関は少なかったものの、世界の消費を牽引するアメリカの景気後退が日本にも連鎖し、日本企業の経営も大きく悪化しました。

厚労省のまとめによると、2009年新卒者の2143人(447事業所)が内定取り消しの被害に遭っています

当時は今よりも「新卒であること」が就職に有利に働く風潮があったため、内定を取り消された学生の多くは、あえて留年する選択を取りました

大学側も学生の事情を酌み、卒業要件を満たしていても卒業させない特別措置を取るところがありました。

2011年東日本大震災

2011年3月11日に東北地方を襲った大地震と、東京電力福島第一原発事故は、企業業績にも大きく影響しました。

地震で多くの企業の拠点が被災して活動がストップし、道路や鉄道の一部も寸断されたため物流も滞りました。

厚労省のまとめでは、2011年新卒者の598人(196事業所)が内定取り消しに遭い、解雇・雇い止めも多数発生したと報道されています。

リーマン・ショック時と比べて深刻だったのは、入社前月に地震が発生したため、高校や大学の卒業直前に内定取り消しの連絡を受けた点です。

原発事故の影響も深刻で、立ち入り禁止区域が広範囲にわたったため、福島県の企業は大打撃を受けました。内定が取り消された学生は福島、宮城両県で半数を占めました

内定を取り消されても、卒業までに就職活動を再開できない人が大勢出ました。入社時期を目前にして内定取り消しを伝えられるのは、新型コロナウイルスの今回も共通です

内定取り消しは許されるのか!?

ここまで、企業の急激な経営悪化による内定取り消しは、新型コロナウイルスだけでなく金融危機や災害でも起こってきたことを紹介しました。

今回、厚生労働省や追加採用する企業の対応が早かったのは、世界金融危機や東日本大震災の経験・反省が大きく生きているとみられます。

内定取り消しに関する法的知見も確立されており、対処法も明確になってきています

学生や転職者にとっては対応しやすくなった反面、企業側も「簡単には内定取り消しはできない」と気付き、巧妙な手口を使ってくる悪質企業もあります。

ここでは、企業側の事情による内定取り消しが認められる4つの要件や、悪質企業の内定取り消しの手口について解説します。

「内定」は労働契約に当たる

まず、「内定」とは何かを振り返りましょう。企業への入社の約束と簡単に理解されていますが、法的な根拠が伴ったものなのです。

過去の判例によると、内定とは「入社時期を定め、企業側に解約の権限(制限あり)も付した労働契約」と解釈されています。

つまり、「内定」は労働契約と同様に考えるべきで、内定者は労働関係法で守られると理解されています。

内定取り消しは「解雇」に準じた扱いになり、仮に企業が不合理な理由で一方的に内定取り消しをした場合、労働契約法で禁じる「解雇権の乱用」に当たる可能性が高いのです。

内定取り消しが認められる条件とは?

内定は労働契約に準じるため、安易な内定取り消しは違法です。ただし、内定取り消しが認められるケースもあります。

内定取り消しに適切に対応するためにも、認められるケースを把握しておきましょう。

内定者側に原因がある場合

内定取り消しが違法にならないケースで多いのは、内定者側が嘘をついていた場合です。

例えば、

  • 治療に長期間かかる病気や怪我を隠していた
  • 履歴書や職務経歴書に虚偽の内容を記入した
  • 内定者が学校を卒業できなかった

このようなケースです。

企業側の事情による場合

新型コロナウイルスによる経営悪化のように、企業側の理由による内定取り消しは厳しく制限されています。

内定は雇用契約に準じるため、以下の「解雇の4要件」を援用し、これを満たさなければ内定取り消しは違法と考えられます。

  • 人員整理の必要がある
  • 解雇回避のために最大限の努力をした
  • 解雇対象者の選定は合理的に行われた
  • 手続きが妥当である

つまり、経営が急に悪化し、そのほかのコスト削減を実施した上で、既存の社員を守るためであれば内定取り消しが認められることがあるのです。

「違法逃れ」の悪質な内定取り消しの懸念

企業側の一方的な理由による内定取り消しは厳しく制限され、過去の内定取り消し事例は労働契約法に照らして違法であるケースが散見されました。

これに対し、新型コロナウイルスまん延を受けた内定取り消しでは、「違法すれすれ」の事案が起きないか懸念されています。

まだ発生の報告や報道はされていませんが、自らに降り掛かる可能性も考え、悪質パターンを3つ紹介します。

  • 入社辞退を迫る:内定取り消しの通知はせず、内定者に入社を辞退するよう強く促す事例です。形式上、内定者が自ら辞退しているので違法にはなりません。
  • 内定者の虚偽申告を理由にする:内定後に「あなたの履歴書に虚偽記載があった」などと、内定者に責任があるとして「合法的に」内定取り消しをする事例です。
  • 試用期間切り:3ヶ月や半年などの試用期間中に「勤務態度が悪い」「遅刻・欠勤が多い」「能力が著しく欠如している」などを理由に解雇する。

いずれのパターンでも、基本的に内定者が取るべき対処法は同じです。

ただし、企業が悪知恵を働かせるときは、メールではなく電話などの証拠の残らない連絡手段を使ってくることが多いです。

内定者やこれから就職・転職活動をする方は、内定先から突然怪しい電話がかかってきたときは、録音して証拠を保全しましょう

内定取り消しの撤回事例

新型コロナウイルスや災害を理由とした内定取り消しではありませんが、内定者にとって参考になるので、一つ有名な内定取り消しの撤回事を紹介します。

現在、日本テレビでアナウンサーをしている笹崎里菜さんは、2015年度入社の内定通知を受けたものの、その後、過去に高級クラブで短期間アルバイトをしていたことを理由に内定取り消し通知を受けました。

一部報道によると、内定辞退を促す連絡もあったようです。

これを受けて笹崎さんは、内定の有効性(内定取り消しの撤回)を求めて提訴しました。

この時は、高級クラブでのバイト歴を履歴書に書かなかったことが「虚偽記載」に当たるのか、そもそも高級クラブで働くとアナウンサーになれないとは差別ではないか、など様々な議論を呼び起こしました。

結果的に和解が成立し、笹崎さんは現在は第一線で活躍しています。

新型コロナによる内定取り消しへの対処法

ここまで新型コロナウイルスによる内定取り消し事例と、過去の内定取り消し事例を見てきました。

企業側の事情による安易な内定取り消し違法の可能性が高く、悪質な企業は内定取り消しや解雇の手口を巧妙化させています

ここでは、実際に内定取り消しに直面した際の対処法を紹介します。

自分で交渉する

上の項目で詳説したように、企業側の事情による内定取り消しには厳しい制約が課せられています。

内定者だけでなく、これから就職・転職活動する方も内定取り消しの不安が付きまといますが、ここで紹介した最新知識を元に反論すれば企業が対応を変える可能性があります

労働組合や弁護士に相談する

入社前とはいえ、内定者は「入社を約束された人材」です。内定取り消しを言われたら、内定先の企業にある労働組合に相談して対応してもらうのも手です。

内定先企業の労組に相談しにくければ、外部の「日本労働組合総連合会」(連合)や「ユニオン」(合同労組)に駆け込む方法もあります。

連合は企業別の労組が集まって構成している組織で、組合員でなくても労働者の相談に広く応じています。

ユニオン(合同労組)とは産業別、職業別、地域別、雇用形態別に、企業横断的に組織している労働組合です。実際、各地区・産業のユニオンがホームページで内定取り消しの相談受付方法をホームページで案内しています。

労働組合に抵抗があるなら、弁護士に相談するのも一考に値します。実際、上記で紹介した「内定取り消し撤回事例」では弁護士に依頼された案件です。

ただし、労働組合、弁護士いずれにお願いする場合も、企業との関係がこじれたり、悪い意味で有名になったりするリスクがあるので注意しましょう。

ハローワークや労基署(厚労省)に相談する

内定取り消しハローワーク、解雇は労働基準監督署に相談することになります。いずれも厚生労働省所管で、各都道府県・地域に事務所があります。

先ほど紹介したように、東京労働局は「新型コロナウイルスで内定取り消しになった人は最寄りのハローワークへ」という案内ページを設けています。

各都道府県労基署も「新型コロナウイルスによる特別労働相談窓口」を設置しています。

内定取り消しや解雇に違法性がありそうなら、ハローワークや労基署はその企業を調査し、改善指導をすることもあります。

解決困難なら就職・転職支援サービスを使おう

新型コロナウイルスによる内定取り消しや解雇・雇い止めに直面した際、本当に入りたいと思う企業なら、上記の方法を試すのが有効です。

しかし、安易に内定取り消しなどをしてくる企業にしがみつくのは考えもので、ブラック企業である可能性が濃厚です。

むしろ、「入社前にブラック企業と気付いて良かった」と前向きに捉えて別の企業に転職する方が、無駄な争いを避けられる上、条件の良い仕事に就くことができます。

ここでは、新型コロナウイルスのせいで内定取り消しや解雇に遭った人におすすめの転職・就職支援サービスを紹介します。

いずれのサービスも利用は無料です。

内定を取り消された人におすすめの就職支援サービス

内定取り消しを受け入れたら、既卒や第二新卒の扱いになります。ここでは、20代の就職・転職に特化したサービスを紹介します。

DYM就職

DYM就職

DYM就職は、既卒や第二新卒の就職支援に特化したサービスです。

DYM就職を使って就職・転職活動すると、書類選考なしで企業との面接に臨めます。

内定取り消しに直面すると、再び就職活動するのは精神的に疲れます。就活で大きな壁だった書類選考がない点は、精神面の負担を軽減できます。

専任のアドバイザーは求職者の話に時間をかけて耳を傾け、希望する就職先に入社できるように徹底支援します。このため、転職成功率は96%(公式サイトによる)に上ります。

登録する(無料)

ハタラクティブ

ハタラクティブ

ハタラクティブも既卒・第二新卒などから正社員を目指す人の就職支援に特化したサービスです。

大企業の未経験可の求人が多く、急に内定取り消しされた人も妥協せずに就活を再開できます

「人柄重視」「長期的に人材を育てたい」と希望する企業の求人を集めており、内定を取り消してくるような、人材を軽視するブラック企業に入社するリスクが軽減されます。

登録する(無料)

リクらく

リクらくは20代、既卒、第二新卒などに特化した就職・転職支援サービスで、質の良いIT系企業の求人が多いと評判です。

エージェントが実際に訪問した会社の求人案件だけを紹介するので、不当に内定を取り消してくる法令軽視の企業の求人に出合う危険性は大幅に軽減されます。

短期間で内定が出る求人がある点も強みで、最短1週間で内定が出る人もいるようです。内定率は94%と利用者のほとんどが内定を手にしています。

解雇・雇い止めされた人におすすめの転職サービス

新型コロナウイルスの影響で解雇などをされたら、中途採用の求人に応募することになります。この際、新型コロナウイルスの影響を受けにくい好条件の仕事を探しましょう

パソナキャリア

パソナキャリア

パソナキャリアは、2020年のオリコン顧客満足度調査で「転職エージェント第1位」を獲得した転職エージェントで、丁寧なサポートが評判です。

非公開求人も含めて5万件以上の求人を保有しているので、新型コロナウイルスの影響を受けにくい業種・職種の求人を探せます。

キャリアコンサルタントは求職者の悩みや心配ごとを丁寧に聞いてくれるので、新型コロナウイルスによる内定取り消しや解雇の不安も丁寧に聞いて解決策を提案してくれます。

公式サイトでは、転職後に年収アップに成功した人の割合が67.1%とうたっており、キャリアアップも狙えます。

パソナキャリアの公式サイト

リクルートエージェント

リクルートエージェント

リクルートエージェントは、求人広告など人材関連ビジネス大手のリクルートグループが展開する転職エージェントで、圧倒的な求人数を誇り、非公開求人は20万件以上です。

新型コロナウイルス対応では「東京・埼玉・千葉・神奈川・茨城・栃木・群馬・山梨」の各県在住者や海外渡航歴のある方は、電話で面談や履歴書の添削指導などをしています

求人数が多いので、新型コロナウイルスの影響を受けにくい求人も多数保有しています。

リクルートはバブル崩壊やリーマン・ショック、東日本大震災などを乗り越え、着実に事業拡大をしてきた企業です。

こうした経験を持つリクルートエージェントなら、コロナウイルスの影響を受けにくい仕事についても詳しく教えてくれるでしょう。

リクルートエージェントの公式サイト

ランスタッド

ランスタッド

ランスタッドはオランダ発祥の大手転職エージェントで、外資系や日経グローバル企業の求人に強みがあります。

「健康で安全に働ける環境を提供する」という理念を掲げ、新型コロナウイルス対応では、オンラインの相談・支援を推奨しています

解雇や雇い止めを後ろ向きに捉えず、キャリアアップの好機とするならグローバル転職に強いランスタッドがおすすめです。

ランスタッドの公式サイト

新型コロナウイルスに強い業界・弱い業界

コロナウイルスによる内定取り消しなどで新たに仕事を探す場合、二度と同じ轍を踏みたくはありません。

ここでは、直近のニュースなどから新型コロナウイルスまん延に強い業界と弱い業界を分類してお伝えします

これを機に就職・転職活動する方は参考にしてください。

新型コロナウイルスに強い業界

新型コロナウイルスの流行に強い、または喜べないものの、新型コロナウイルスでかえって需要が増す業界の例は以下の通りです。

  • 医療・介護
  • ITサービス
  • 公務員・準公務員

感染症が流行するわけですから、医療・介護の需要が増すのは当然です。さらに、日本は少子高齢化が進むので新型コロナウイルスが収束した後も需要は堅調に推移するとみられます。

ITサービスは、自宅待機や在宅勤務者の増加により需要が増しています。NTTコミュニケーションズの調査によると、3月平日のインターネット通信量は2月に比べて30~40%も増えているようです。

また、YouTube視聴者も増加し、トラフィックの急増に耐えるために試聴画質を一時的に「標準」とする対応を取っています。

このほか、Amazonやオイシックス、ワタミの宅食など、ITを使った宅配ビジネスも申し込みが急増しているとの報道があります。

公務員や、国・自治体所管の財団法人職員(準公務員)は、景気動向に左右されにくい職業として知られます。ただし、不景気になると応募者が殺到するので競争率は高くなります。

新型コロナウイルスに弱い業界

続いて、新型コロナウイルスに弱い業界をリストアップします。

  • 製造業
  • 建設業
  • 観光業
  • 外食産業
  • 小売業
  • 広告業
  • 保険業

新型コロナウイルスの流行により、世界の物流と人の流れが停滞しているので、物資の輸入がままならない建設業や製造業では、工場や生産ラインを相次いで停止させています。

同様に、観光や外食、小売業も、自粛要請や渡航中止勧告のせいで需要のほとんどが「蒸発」しています。

北海道が3月中旬に試算したところでは、新型コロナウイルスの影響で道内の観光消費額は3680億円減少するとみこまれています。同様に沖縄県も1024億円の観光需要が減ると試算しています。

広告業は間接的にダメージを受ける業界です。売上がが減少した企業は真っ先に広告費を削る傾向にあるからです。

保険業も同様で、企業の損失補塡や個人の治療・入院費などで保険支払いがかさみ、経営状況が悪化します。

閑話休題:コロナウイルス豆知識

ここでは、コロナウイルス関連で最近話題になっている事柄について、簡単に説明します。

マスク・消毒薬が手に入らない!

新型コロナウイルスの感染を予防しながら就職・転職活動するには、マスクや消毒薬が不可欠です。しかし、どこの店に行ってもネットショップを見ても品切れの状況が続いています。

そこで、Amazonや楽天市場などのオンラインストアにあるマスクと消毒薬の在庫を一覧できるサイトがオープンしました

それは「在庫速報.com」です。マスク、アルコールジェル、アルコールスプレーの3種類について、価格別に在庫の有無を一覧できる便利なサイトです。気になる人は見てください。

新型コロナウイルス対策ダッシュボードとは

福井県の起業家らが有志で立ち上げたサイトで、新型コロナウイルスの国内感染状況が閲覧できます。データは厚生労働省や各都道府県、各専門学会の発表資料を元にしています。

Yahoo!などのポータルサイトも国内感染状況をまとめていますが、新型コロナウイルス対策ダッシュボードは、ボランティアが運営している点と民間企業による支援情報も掲載しているところに違いがあります。

新型コロナ予防に「うがい」は意味ないって本当?

新型コロナウイルスの感染予防ではよく「手洗い」「うがい」「消毒」と言われます。

しかし、厚生労働省が配布している予防啓発チラシには「手洗い」はあるものの、「うがい」は触れられていません。

これは「うがい」は風邪を予防すると言われているものの、ウイルス除去においては科学的根拠がないことが分かったからです。

首相官邸ホームページにある新型インフルエンザやノロウイルス予防のページに「インフルエンザを予防する効果については科学的に証明されていません」と明記されています。

一方、各自治体が配布するチラシには、新型コロナウイルス予防に「うがい」を記載しているケースがあります。

これは、科学的根拠がないことが、そのまま予防効果がないことを指すわけではないからで、各自治体の判断によって文言が盛り込まれているのです。

厚生労働省の新型コロナ予防啓発チラシ。「うがい」の記載がない

コロナファイターって何?

コロナファイターは、黒岩祐治・神奈川県知事が生み出した用語です。

クルーズ船の感染者対応などで最初に大勢の患者を受け入れた神奈川県では、患者対応した医師や看護師ら医療従事者への差別が相次ぎました

「あの人には近づくな」「コロナがうつる」などの無根拠な差別に心を痛めた黒岩知事は、感染者に対応する医療従事者は「コロナファイター」と呼び、尊敬しようと呼び掛けたのです。

これは賛同の声が上がる一方、「必要なのは掛け声ではなく物資」などと否定的な見方もあります。

その後、黒岩知事は世論の批判を受けて「積極的にはこの言葉は使わない」と軌道修正しました。

新型コロナにBCGワクチンが有効との新説が浮上?

米ハーバード大学のメガン・マリー教授が提唱した説で、BCGワクチンは結核のワクチンではあるものの、免疫全体を強化するため、新型コロナウイルス感染にも有効だというのです。

欧米ではBCGワクチンは既に下火になっている一方、日本ではまだ盛んにワクチン接種が行われているので、日本人で重症患者が少ない理由をBCGワクチンの存在に求める意見もあります。

ただし、これは科学的根拠がなく有力な説にはなっていません。NHK報道によると、オーストラリアでBCGワクチンが重症化予防に効果的か、接種実験が実施されるようです。

新型コロナウイルスまとめ

新型コロナウイルスは世界中に猛威を振るい、人の健康だけでなく経済にも大きなダメージをもたらしています。

内定取り消しや解雇・雇い止め事例も報告され、あこがれの企業で働ける希望を一気に失った人も少なくありません。

この記事では、新型コロナウイルスの影響で内定取り消しなどをされた方や、不安な方に向けて対処法を解説しました。

新型コロナウイルスに限らず、必要な条件をクリアしていない安易な内定取り消しや解雇は違法です。内定取り消しを言われたら、この記事を参考に無効だと訴えてみてください。

あるいは、内定取り消しをする人間軽視の企業には見切りを付け、転職活動をしてより条件の良い仕事を探す方法もあります

新型コロナウイルスとの戦いは長期戦です。安心できる仕事に就いて雇用危機に備えましょう。