キャリアコンサルタント
新年度が始まり、男性・女性合わせて約90万人が新たに社会人生活をスタートさせました。希望にあふれる人が多い一方、「もう転職したい」と思っている人も多いのではないでしょうか。
人生経験が浅い学生のうちは業界のことをよく知らず、志望動機や理由が曖昧なまま、面接に勢いで臨み、何となく入社して後悔することが良くあります。
この記事は、新卒で入った会社を数年で辞めた「第二新卒」の方向けに、転職活動の最適な時期や自己分析・自己PR・面接のコツ、注意点などを伝授します。
第二新卒の転職におすすめの転職サイトと転職エージェントも紹介するので、参考にしてください。
目次
第二新卒とは?退職・転職理由も解説
時期ははっきりしませんが、近年に入り、新卒で入社してすぐ退職・転職する人を「第二新卒」と呼ぶようになりました。
厚生労働省の離職率統計によると、新卒で入社した人の3割が1~3年で退職・転職します。このため、第二新卒は決して珍しいものではありません。
ここでは、第二新卒の定義や退職・転職理由、第二新卒の社会での受け止めについて、詳しく紹介します。
第二新卒の定義
まず、第二新卒の定義を紹介します。独立行政法人「労働政策研究・研修機構」の「採用選考に際し重視する項目」の調査によると、第二新卒とは以下のように定義されています。
- それぞれの企業で特に定義がない場合において
- 高校・大学・専門学校などの「学校」を卒業後3年以内の者
- 実務経験の有無は問わない
ざっくり言うと、第二新卒とは「実務経験に関係なく社会人経験3年以内の人」を指します。同様に厚生労働省の「若年雇用問題」の資料でも、「学校卒業後3年以内の者」を第二新卒者と定義しています。
新卒3年以内(第二新卒)で辞める人の割合
続いて、退職・転職をする第二新卒者の割合を見ていきます。
厚生労働省が2019年10月に発表した「新規大卒就職者の事業所規模別離職状況」によると、社会人3年目までに退職する大卒者の割合(2017年度入社組)は、以下の通りです。
1年目 | 11.4% |
2年目 | 10.6% |
3年目 | 10.0% |
「最近の若者はすぐ辞める」と批判されることがありますが、同調査による3年目までの離職率は1996年度入社組の33.6%に対し、2017度入社組が32.0%です。3年目までに全体の3割が辞める傾向は、昔から変わっていません。
「第二新卒」という言葉こそ最近生まれましたが、「最近の若者は…」との批判は少なくとも、離職率の高さでは当てはまりません。
事業所規模別の3年以内離職者の割合は以下の通りです。
5~29人規模 | 49.7% |
100~499人規模 | 32.2% |
1000人以上 | 25.0% |
規模の大きさに比例して割合が低くなっていることが分かります。
大企業は新卒者のフォローアップ態勢が整っている上、憧れて入社したケースが多く、離職率が下がる傾向にあるようです。
第二新卒者が退職・転職する理由
次に第二新卒者が退職・転職する理由を紹介します。
独立行政法人「労働政策研究・研修機構」の「日本労働研究雑誌」と「若者の離職理由と職場定着に関する調査」によると、第二新卒者の転職理由は以下のように分類されています。
仕事のストレス
過度なストレスは、就労3年未満の若者が退職する理由のトップです。第二新卒の退職者のうち25.3%がストレスを理由に辞め、転職しています。
新社会人は学生の頃とは異なり、責任が重くなり、制約も多くなります。嫌な仕事、無駄に思える業務も我慢しなければならず、「就職先選びに失敗した」と感じてしまいます。
また、環境の変化はそれだけでストレスです。特に女性の場合、化粧やネイル、ファッションなどの身だしなみに時間が取れず、ストレスに感じることもあるようです。
給与への不満
次に多い退職理由は、給与への不満です。日本のような年功序列の給与体系の場合、新卒から3年目までの第二新卒は給料が低く抑えられているケースが多いです。
若手の給料が低く抑えられているのは、以下の理由によります。
- 若手には研修・人材育成コストがかかっている
- 長く勤めるほど高い給与を保証し、定着率を高める
若いうちは成果(アウトプット)よりも教えられること(インプット)の方が多く、会社は人材を育てるのに時間をかけます。人材育成コストの分だけ、給与が低くなります。
また、高年齢ほど高い給与を支給すると約束しておけば、会社への忠誠心や帰属意識が育ち、手間とコストをかけて育てた人材の定着率を高められます。
このため、給与額を縦軸・年齢を横軸を取ってグラフに表すと、右に傾けた「S」の形になります。
若い頃は昇給額が低く抑えられ、中堅で昇進とともに一気に昇給し、50代でピークアウトするイメージです。
ただ、バブル崩壊以降は実力主義や成果主義を採り入れる会社が増えており、昔ながらの年功序列の給与体系に不満を持つ第二新卒は多くいます。
「給料が不当に低い」とブラック企業認定し、早い時期に辞めてしまうのです。
労働時間の長さ
3番目に多い第二新卒の退職理由は「労働時間の長さ」で、全体の18.7%を占めました。
第二新卒までの若手は仕事を覚えるのに時間がかかり、労務管理が厳格な大手企業でさえ、若手社員の労働時間は長くなる傾向にあります。
あるいは、近年の人手不足のせいで一人当たりの労働時間が長くなる懸念も広がっています。働き方改革が叫ばれていますが、ブラック企業も依然として存在しています。
学生時代は自由な時間が多かった分、労働に多くの時間を割かなければいけない状況は大きなストレスになり、より良い労働条件を求めて転職するようです。
肉体面・精神面の不調
仕事で肉体・精神面の健康を損ねた人の割合は15.4%と、全体の中で上位に位置します。過酷な労働環境で、うつ病などの精神疾患を発症するケースもあります。
厚生労働省の調査によると、1999年に44.1万人だった国内の気分障害患者数は、2002年に71.1万人、2005年に92.4万人、2008年に104.1万と年々増加しています。
若いと体力的にきつい仕事を任されるケースも多々あります。過重労働が重なった結果、「やばい。このままでは病気になるか死ぬ」と危機感を覚えて退職・転職する人は少なくありません。
キャリアアップ・会社の将来性が不安
他にも、自らのキャリアや将来を考えて転職する第二新卒もいます。
調査によると、「キャリアアップのため」は全体の14.3%、「会社の将来性に不安を感じたため」は11.9%と、第二新卒の退職者の10人に1人以上は自らのキャリアを前に進めるために退職・転職しています。
学生の時はまだ社会が十分見えていません、憧れや表面的なイメージのみで志望動機を考えたり、自分を客観視できないまま自己分析したりして、曖昧なキャリア像を描きがちです。
社会人になって現実に気付き、改めて自分のキャリアを見つめ直す人は多いのです。
女性の場合、「結婚」「出産」も退職・転職理由
調査にはありませんが、女性の場合は結婚や出産などのライフステージの変化も、退職・転職理由の1つです。
「仕事が忙しく、家庭や育児と両立できない」などの理由で、自分の目指すキャリアを諦め、負担の少ない仕事に転職するのです。
「寿退社」が当たり前だった昭和時代と異なり、働き方改革と有給・育休取得の奨励が進んでいる現在では、結婚・出産で退職に追い込まれる女性は減ってきています。
それでも、待機児童問題は残っており、育児との両立のために転職せざるを得ない女性は多くいます。
転職を望む第二新卒の割合
労働政策研究・研修機構の「日本労働研究雑誌」によると、25歳未満の第二新卒は転職志向の人が多く、転職を「しばしば考える人」は23.1%に対し、「一度もない人」の28.7%と拮抗しています。
新卒・中途採用別で「転職をしばしば考える」と回答した割合は、新卒者の25.8%に対して中途採用者は19.8%と、新卒者が若干多いという結果でした。
この調査によると、第二新卒の4人に1人は転職を考えていることになります。
ただし、「具体的に転職に向けた活動や行動を取ったことがある」と回答した人は、新卒者15.9%、中途採用者20.1%と傾向は逆転します。
新卒者は転職したいと考える一方、仕事に慣れず多忙であることや転職のリスクを考えて、実際には行動に移しにくいようです。
転職にリスクを感じたり、忙しくて転職活動に踏み切れない人は、後に紹介する転職エージェントを頼ることをおすすめします。
第二新卒は「やばい」のか?
第二新卒の転職希望者は、前職を1~3年で辞めたことから「またすぐに辞めるのでは」と忍耐力がないと思われることがあります。
あまりに社歴が短いまま辞めると、仕事の基本や社会人のマナーすら身につけないまま、次の仕事を探すことになります。
採用を検討する企業が第二新卒の履歴書や職務経歴書を見ただけでは、明確なキャリアプランを持って転職を希望するのか、忍耐力や基礎的能力が不足しているのか区別がつきません。
このため、昔かたぎの企業の中には「第二新卒はやばい」と考えるところは一定数あります。
企業に「やばい人材」との疑念を抱かれないためには、転職活動時に綿密に自己分析をして志望動機を洗練させ、履歴書や職務経歴書に盛り込む必要があります。
面接時も、敬語やマナーが身についていることを自然な形で表現しなければなりません。
自分でもこうした対策はできますが、転職エージェントを利用すると履歴書の添削や、自分を客観的に分析できる面談をしてくれます。
第二新卒の転職事情~成功例と失敗例~
ここまで、第二新卒で転職する人の割合や離職理由などを解説しました。ここからは第二新卒の転職で成功例と失敗例を紹介します。
成功例と失敗例を見て、転職活動の参考にしてください。
第二新卒の転職成功例(3パターン)
まず、第二新卒で転職を成功させたケースから見ていきましょう。よりリアルな声をお届けするために、2ch(5ch)やyahoo知恵袋などに投稿された意見を中心に集めました。
より良い企業に就職できた
第二新卒で転職を成功させた人の中で多くみられたのが、「前職よりも良い企業に就職できた」「将来性のない企業にいても無駄と思った」という声です。
「大して苦労せず良い企業に入れた」「全然余裕だった」など、スムーズに転職できた人が多いようでした。
「若いうちは大目に見てもらえる」と、第二新卒の「ブランド力」を有効に活用している人もみられました。
地元に帰って再就職した
憧れて都市部の企業に入社したものの、知人がいない環境や殺伐とした人間関係、満員電車に苦痛を感じて転職する第二新卒もいます。
大手企業に入社するために上京しからこそ、出身地の良さなどを再認識し、実家に帰って地元企業に就職をし直したケースが多いようです。
異業種に入りなおした
新卒で入社した業種が第一志望でなかった人は、第二新卒の転職に際して第一志望を改めて志す人もいます。
第二新卒は国や自治体の公務員試験を受けられる年齢(おおむね30歳)未満なので、試験に受かって公務員になった人もいました。
他にも憧れて入った業種で華やかな仕事を想像していたものの、現実は泥くさく過酷だったので、無理のない業種に転職した人もいました。
未経験の業種に挑戦できるのは、第二新卒の強みです。年齢を重ねると未経験可の求人は少なくなるので、若いうちに異業種に移ろうと判断する人が多いのです。
第二新卒の転職失敗例(3パターン)
続いて、第二新卒で転職に失敗してしまったエピソードを紹介します。
ブラック企業に入社した
「ブラック企業に入ってしまった」というのは、第二新卒の転職失敗例で過半数を占めます。
求人票を見ただけでは転職先がブラック企業か分かりにくく、社会経験の浅い第二新卒はなおさら入社前にブラック企業を見抜くのは困難です。
また、現職が全然ブラックではないのに本人はブラックだと思い込んで転職し、転職先でも同様のことがあってまた転職する、という悪循環もあります。
ブラック企業への入社を避けるには、事前に口コミや評判を徹底的に調べるほか、転職のプロである転職エージェントに相談する手もあります。
経験不足を指摘された
第二新卒はその名の通り、ほとんど新卒扱いではあるものの、企業はビジネスマナーなどの基礎的な素養は身についていると期待しています。
そこで、転職希望者が志望動機が曖昧なまま採用面接に訪れたり、考えが甘かったりすると「経験不足」を理由に不採用とする例が多くあります。
経験不足を指摘されるケースは、社会人経験1年以内の第二新卒に多いようです。
また第二新卒にかかわらず、「入社した会社をすぐに辞める人は面接官からの印象が悪い」という意見もありました。
正社員になれなかった
新卒で入社した企業は正社員だったのに、転職先は契約社員のポストしかなく、生活が不安定になる転職失敗例もあります。
他にも、先んじて退職してしたものの、なかなか転職が決まらず、フリーターにならざるを得なかった人もいます。
こういったケースは「第二新卒だから大目にみてくれる」「学歴があるから大丈夫」と甘く考える人に多く、退職理由や転職理由、自己分析が曖昧なまま転職活動することに問題の根源があります。
新卒で入った会社で嫌なことがあったからと勢いですぐに退職すると、収入が途絶えるので転職活動で焦ってしまいます。
気持ちと時間に余裕がない中で転職を急ぎ、条件の悪い企業に入社するしかなかったり、仕事が見つからなかったりするのです。
転職先の条件を吟味する余裕を持つなら、在職中に転職活動をするのがおすすめです。さらに、キャリアアップを考えている人は特に、志望動機や転職理由など自らの考えを明確にしておきましょう。
第二新卒で大手企業への転職を成功させるには?
「第二新卒は未経験でも大手企業に入りやすい」と聞いたことはありませんか?
本当なら大手企業に的を絞って転職活動すれば、年収・キャリアアップの可能性が高まります。
大手転職エージェント「マイナビ」の調査によると、20代で職種・業種ともに変えた人の割合は全体の61%、業種のみ・職種のみを変えた人は20%との結果でした。
第二新卒は一定の経験・スキルが求められる一方、新卒と同程度の柔軟性があると評価される面があります。
こうした第二新卒の強みと、人手不足も相まって、第二新卒は大手企業に入りやすい有利な状況が続いています。
ここでは、第二新卒が大手企業への転職を成功させるコツを伝授します。
第二新卒の転職活動はいつからすれば良い?時期と成功率
ここでは、第二新卒が大手企業に転職を目指す際、適した時期と成功率の関係を説明します。
第二新卒の強みを活かして大手企業に転職するには、やみ雲に企業に応募するのではなく、チャンスをうかがう必要があります。
大手企業への転職におすすめの応募時期
第二新卒の転職はタイミングが重要で、大手転職エージェントの「マイナビ」によると、第二新卒の転職活動時期は1~3月がおすすめです。
3月が最も求人応募が増える時期のためです。多くの企業は3月末に決算期を設けており、決算が落ち着く3月に特に求人応募が増えるのです。
これ以外だと7~9月の上半期終了時期は、人事異動などで社内ポストが変動する時期なのでおすすめです。7~9月は夏のボーナス時期のため、転職者が増える時期でもあります。
企業が求人を増やす時期を見据えて準備し、エントリーが始まったらすぐ応募できる態勢を整えることが、大手企業への転職成功を左右します。
第二新卒の転職の成功率
厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、2019年の有効求人倍率は1.60倍と前年並みの高水準で推移し、人手不足感が一層加速しています。
2020年は新型コロナウイルスの影響で有効求人倍率は下がり始め、2月は1.45倍(季節調整済)となっていますが、依然として高い水準を維持しています。
先ほど述べたとおり、第二新卒は「基礎的なビジネスマナー」と「柔軟性」を併せ持つ人材として重宝されており、転職市場における第二新卒の引き合いはかなりあります。
その上、厚生労働省は青少年雇用機会確保指針に基づき、企業や経済団体に対し「新卒採用枠に少なくとも卒業後3年以内は応募できるように」と要望しています。
つまり、第二新卒であれば新卒採用枠にも応募ができるのです。応募時期さえ間違えなければ、第二新卒の転職成功率は高いといえます。
第二新卒特有のの弱点をカバーしよう
第二新卒が大手企業に転職する際は、上記の「失敗例」で挙げた「経験不足」などを理由に断られないように対策が必要です。
経験の少なさと、現職を短期間で辞めることは、第二新卒特有の弱みです。企業は「新卒よりも年を取っている」「忍耐力がない」と先入観を持って、第二新卒の採用面接に臨んでいると覚悟しましょう。
「石の上にも3年」との言葉があるように、大手企業や古い企業は「嫌でも3年は我慢すべき」と考える傾向があります。
これらの弱点を克服するために、以下の点を意識してください。
自分を客観視して見つめ直す
新卒の頃は、憧れや何となく抱いている華やかなイメージで採用面接に臨み、勢いで就職できる場合があります。
社会人経験を積んでいる第二新卒はビジネスのことを知っていると見なされるため、「何となく転職」はご法度です。
改めて徹底的に自己分析を繰り返し、自分の強み・弱み、キャリア、趣向を洗い出しましょう。その上で、現職の退職理由と転職理由(志望動機)に矛盾がないか突き詰めてください。
採用選考は「論理」と「情熱」で
徹底的な自己分析が済んだら、転職成功に向けてアウトプットする段階です。
入社間もないのに転職する理由、転職先でやりたいことと自分が貢献できるポイントなどを履歴書の自己PR欄に盛り込みましょう。
面接も同様で、「忍耐力がない」「またすぐ辞めるのでは」という面接官の懸念を払拭しなければなりません。
自分のことを客観視し、転職希望先もよく吟味・研究してきたことをアピールしましょう。その際、若いからこそ出せる仕事への情熱をアピールするのを忘れないでください。
不安な人は、大手転職サイトには自己PRに盛り込むべき内容や書き方のコツが書いてありますので、参考にしてください。
キャリアコンサルタントが直接、履歴書の添削や模擬面接をしてくれる転職エージェントを頼れば、さらに準備は万全です。
第二新卒は大手への転職で給料アップできる?
第二新卒の転職成功例を見ると、「大手企業へ行けた」「異業種へいけた」との声は多かったものの、「給与がアップした」という口コミは少数派でした。
それどころか、第二新卒の転職に失敗した人の中には、準備不足がたたって正社員になれず、大幅に年収を減らす人もいます。
給与への不満は第二新卒の退職理由で最多を占めるにも関わらず、大手企業に転職しても給料が上がらないのは「新卒と同じ扱いの人材」であるためです。
これに対し、第二新卒より上の年代の中途採用は即戦力・能力重視の採用のため、年収アップが実現する例が少なくありません。
綿密な準備と明確なキャリアプラン、能力・スキルがなければ、第二新卒が転職を機に年収アップを実現するのは難しいでしょう。
ただし、第二新卒の転職でも年収を大幅に上げるコツがあります。次からは、第二新卒が転職を機に年収増・キャリアアップを実現する秘訣を解説します。
第二新卒におすすめの転職サイト・エージェント
第二新卒は転職しても新人扱いされ、給料が上がりにくい側面があります。転職で年収アップを実現するには、即戦力になれるスキルと能力に加え、企業からより良い雇用条件を勝ち取るコツが要ります。
そうした転職のコツは転職サイトや転職エージェントが保有しているので、第二新卒の転職では転職サイト・転職エージェントの活用が不可欠です。
ここでは第二新卒におすすめの転職サイトやエージェントを紹介します。
DYM就職
第二新卒におすすめの転職サイトはまず、「DYM就職」です。
DYM就職は10〜20代の正社員への就職に特化した転職エージェントで、全国の主要5都市に面談場所を設けています。
面談では、専任のエージェントが時間をかけて求職者の希望やキャリアプランを聞き取ります。面談では自己分析を徹底するので、面接で効果的に自己PRできるようになります。
DYM就職の最大の特徴は「書類審査がないこと」です。応募と同時に、面接日程を決められるので、高い確率で就職・転職できます。
DYM就職の公式サイトDYM就職の評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 DYM就職の評判は?500人の口コミを検証ハタラクティブ
第二新卒や既卒の転職・就職支援に特化した転職エージェントの「ハタラクティブ」は、大手優良企業の求人を豊富に取り扱っています。
職種は営業・施工管理・エンジニアが多く、未経験者でも転職できる求人を取り扱っているので、社会人経験の少ない第二新卒におすすめです。
面談の中でキャリアプラン固まったら、条件に合う求人を紹介してもらえます。
当サイトに寄せられた口コミによると
24歳男性:ITコンサルタント
など、転職に関する知識がない方でも充実したサポートを受けて、スムーズに転職活動を進められる点が好評です。
ハタラクティブの公式サイトハタラクティブの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 ハタラクティブの評判は?500人の口コミ調査の結果リクらく
リクらくでは、職歴・学歴不問の求人を豊富に扱っており、経歴に自身がない第二新卒に特におすすめの転職エージェントです。
内定率は94%を超えるので、「何となく退職して転職活動を始め、なかなか決まらずに焦る」といった事態を防げます。
しかも、書類選考後は面接が1回だけの求人も多いので、面接で緊張しがちな人にも向いています。
公式サイトは「第二新卒の転職活動面接で質問されやすいポイント」などのコラムが充実しているので、一読をおすすめします。
リクらくの公式サイト全年代対応の転職エージェントもおすすめ
第二新卒に特化した転職エージェントにこだわらず、全年齢に対応し、豊富な求人を持つ大手転職エージェントを使うのもおすすめです。
ここでは2つを紹介します。
パソナキャリア
パソナキャリアは、人材派遣大手のパソナが展開する転職エージェントで、「第二新卒可」の公開求人は441件保有しています。(2020年4月6日時点)
パソナはもともと、結婚・出産でキャリアを中断した女性の再就職支援から始まった会社です。このため、キャリアプランに悩んでいる第二新卒の女性にもおすすめです。
丁寧なサポートに定評があるので、初めての転職活動で不安な人はぜひ登録しましょう。
パソナキャリアの公式サイトパソナキャリアの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 パソナキャリアの評判は?629人の口コミ調査の結果リクルートエージェント
リクルートエージェントは、大手人材サービス会社「リクルート」グループが運営する転職エージェントで、圧倒的な求人数に強みがあります。
第二新卒可の求人は7675件もあり、大手企業の求人も多数あります。
豊富な転職支援実績があるため、転職希望者の支援態勢も盤石で、リクルートエージェント登録者は書類選考の通過率が高いと評判です。
リクルートエージェントの公式サイトリクルートエージェントの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 リクルートエージェントは評判が悪い?500人の口コミ調査の結果第二新卒の転職エージェントの選び方とは?
第二新卒の転職では、求人を載せているだけの転職サイトだけでは不十分で、丁寧に支援してくれる転職エージェントへの登録が不可欠です。
ほとんどの第二新卒にとっては初めての転職活動です。転職エージェントは何人もの転職をサポートしてきた「転職のプロ」です。登録・利用は無料で、利用しないのは損です。
ただ、転職エージェントならどこでいいわけではなく、第二新卒の転職で失敗しないためには優良な転職エージェントを見極め、効率よく使わなければなりません。
ここでは、転職エージェントの選び方と活用法を紹介します。
第二新卒向け転職サイト・エージェントの選び方
ここでは第二新卒者向け転職サイト・エージェントの選び方を解説します。悪質な転職エージェントに引っ掛かって転職に失敗しないためにも、よく読んでおきましょう。
優良な転職エージェントを見分けるポイントは以下の4項目です。
- 第二新卒歓迎企業の求人数
- 転職サイト・エージェントの実績と評判
- 自己PRの書き方や面接指導、自己分析のサポート
- 求人がある業種・職種(特にIT企業)
第二新卒歓迎の企業や求人が多ければ、それだけ転職成功の可能性が高まります。転職サイトやエージェントの求人検索機能を使って「第二新卒」のキーワードで件数を調べてみましょう。
転職サイトやエージェント自体の評判と実績も重要です。実績のない転職エージェントはノウハウが足りず、十分な支援が期待できません。実績のない転職エージェントには求人も集まりません。
第二新卒の転職は、慣れないことが多いです。職務経歴書などを書いたことがない場合がほとんどでしょう。就活生と異なり「サークルで頑張ってきました」などの曖昧な自己PRも通用しません。
優良な転職エージェントなら、キャリアコンサルタントが効果的な自己PRの書き方や面接のコツなどを徹底的に教えてくれます。不採用になった場合も、その理由や改善策を教えてくれる転職エージェントもあります。
保有する求人の業種・職種も、利用する転職サイト・エージェントを決める際に重要なポイントです。
特に第二新卒は企業からITスキルが期待されるので、IT企業の求人を多く保有しているところは、第二新卒向けの求人が多い傾向にあります。
転職サイト・エージェントの効果的な使い方
次に、第二新卒向け転職サイト・エージェントの効果的な使い方を説明します。
特に転職エージェントは使い方のコツを知らないと、キャリアコンサルタントの言いなりになったり、悪徳エージェントに引っ掛かって転職に失敗する懸念もあるので注意しましょう。
- 少なくとも2~3社の転職サイト・エージェントを併用する
- 悪質な転職エージェントを見分ける
- アドバイザーとの相性と、交代できるかを調べる
注意点はこの3点です。
転職サイト・エージェントは、運営会社によって特色や得意分野、求人数が異なります。
転職エージェントの場合、独占求人も多いので、複数の転職エージェントに登録しておかないと、希望する求人を取り逃す事態になりかねません。
アドバイザーによる自己分析などの助言も、1人だけより複数人から聞く方が自分を客観的に分析できます。
悪徳な転職エージェントは一定数存在します。転職エージェントは企業側から「人材を入職したら紹介料を払う」という契約を結び、企業から支払われる成功報酬で運営しています。
このため成功報酬欲しさに、無理やり転職させようとする悪徳エージェントも存在します。複数の転職エージェントに登録するのは、悪徳エージェントを避けるためでもあります。
転職を急かしてくる、希望していない業種・職種・ブラック企業の求人を強く勧めてくる、などの転職エージェントがあったら注意しましょう。悪徳の可能性があります。
希望していない求人を勧められたら、「紹介された企業の離職率」と「なぜ希望していないのにおすすめしてきたのか」を聞いてみてください。
離職率が高い企業の求人や、求職者が希望していない求人を勧める理由を話せないエージェントは悪徳エージェントです。
また、転職エージェントは対人サービスなので、アドバイザーとの相性の良し悪しがあるのは仕方ありません。
事務的な態度が「冷たい」と思う人もいるでしょうし、熱意ある支援が「うっとうしい」と感じる人もいます。
重要なのは、相性が合わないアドバイザーを「交代できるか」です。運営会社に連絡してもアドバイザーを交代してもらえないなら、その転職エージェントを使うのはやめましょう。
第二新卒の転職まとめ
ここまで、第二新卒が転職する理由や、第二新卒の強み・弱みを見た上で、おすすめの転職サイトと転職エージェントを紹介しました。
第二新卒は、一定の社会経験と新卒並みの柔軟性を持つ一方、「またすぐに辞めるかも」「忍耐力がないのでは」との疑念を抱かれる恐れもあります。
売り手市場とは言え、新卒の就職活動と異なり、第二新卒の転職は勢いと夢だけでは成功しません。綿密な準備を要します。
退職理由・転職理由を論理的に考え、効果的な時期に転職活動をしないと大手企業などの収入増やキャリアップがかなう転職はできません。
第二新卒の転職活動は初めてのことばかりです。一人で完結させようとせず、転職のプロの力を借りてください。
ここで紹介した転職エージェントは、どれも手厚い支援と豊富な求人数で高い評判を得ています。複数を併用して、第二新卒の転職を成功させてください。