医師がフリーランスになって失敗したことは?体験談から注意点まとめ

近年、医師の働き方の一つとして、複数の医療機関でアルバイトや業務委託を受けて働く「フリーランス医師」(非常勤医師)が注目を浴びています。

週に何回か特定の就業先で働く「定期非常勤」や、1回単位で不定期に働く「スポット勤務」のフリーランス医師には、「高年収」「勤務時間が調整可能」などのメリットがあると言われています。

リクルートドクターズキャリアのアンケート調査によると、定期非常勤とスポット勤務のいずれかで働く医師は全体の12%、常勤と非常勤勤務を組み合わせて働く医師は6割以上います。

一方、「フリーランスになって失敗した」と漏らす医師の体験談も多くあり、メリットばかりではないようです。

この記事では、常勤からフリーランスの医師になりたいと考えている医師の方に向け、留意したい点をお伝えします。

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医師がフリーランスになるデメリット5つ

医師がフリーランスに転身する際に考慮しなければならないデメリットを5つ紹介します。

フリーランスとして働く目的には「高い時給・日給を得て、年収を上げたい」「煩わしい人間関係から解放されたい」などが多いものの、本当に叶えられるのでしょうか?

フリーランスに転向するだけでは、当初の目的を叶えられない可能性があります。ここで紹介するデメリットを良く検討した上で決断しましょう。

フリーランスのデメリット①年収UPが実は困難!年収例を公開

フリーランスになれば高い時給・日給の仕事を選べて年収を上げやすいと考える方も多いのですが、実は年収UPは困難です。

フリーランス医師の人材募集の主な背景は、常勤では賄えない労働力を穴埋めするためです。

このため、数時間の勤務など就業時間は限られていることが多く、フルタイムで働き続けることは難しい状況です。

例として、ある医療機関で午前診療(1日4時間)週3日、別の場所でフルタイム(1日8時間)週2日勤務する医師の年収を算出します。

  • 午前診療:時給1万円で4時間勤務×月12日×12ヶ月=576万円
  • フルタイム診療:時給1万円で8時間勤務×月8日×12ヶ月=768万円

合計年収は1,344万円で、これは常勤医の平均年収1,479万円よりも低い(「医療経済実態調査報告」)です。

フリーランス医師は、仕事1件あたりの時給・日給は高いものの、勤務時間が短い仕事が多く、高年収を確保することは困難です。

契約終了となり次の契約までに仕事が見つからなければ、その期間は無収入となり、さらに年収は下がります。

フリーランスのデメリット②職場環境の変化に対するストレス

医局内や病院内、部署内の人間関係などにストレスを感じ、「場所にとらわれない働き方をしたい」と望む方も多いでしょう。

職場環境や勤務条件に強く不満を感じ、働く先を変えたいと考えるのは当然のことです。とはいえ、職場環境を変化させると想定以上のストレスを抱えることがあります。

2008年に日本精神神経学会で発表された論文によると、勤労者が抱えるストレス強度は「転職」の方が「上司とのトラブル」「左遷」よりも高く、職場環境をころころ変えるのはストレスの原因となることがわかります。

劣悪な環境に居続けるよりましかもしれませんが、複数の職場を渡り歩くフリーランス医師は常に「転職」を繰り返しているのと同じで、高ストレス下に置かれます。

フリーランスのデメリット③キャリアアップがしづらい

フリーランス医師として働くと、キャリアアップが難しくなる点も覚悟しなければなりません。

勤務医として病院に所属していれば、キャリアを重ねるごとに難しい症例を任される上、学会の出席などキャリア形成のサポートを受けられます。

これに対し、フリーランス医師は一時的な労働力不足を補う存在のため、責任ある仕事を任されることはほとんどなく、キャリアアップ支援も受けられません。

業務内容は外来対応・病棟管理・検診などが多く、業務を通じたスキルアップの機会はほとんどありません。スキルアップに必要な学会への参加や勉強も、自らの意思で、自費で対応しなければなりません。

フリーランスのデメリット④税金対策が大変!法人化はあり?

常勤医の所得税や住民税などの税金は給与から天引きされていますが、個人事業主のフリーランス医師は自ら税金対応をしなければなりません。

個人事業主のフリーランス医師が支払う主な税目は、以下の通りです。

  • 所得税
  • 都道府県民税・市町村民税
  • 個人事業税
  • 消費税

これに加え、国民年金保険料などの社会保険料も自ら支払い手続きをする必要があります。

節税しないと収入の多くを税金として支払わなければなりません。とはいえ、忙しく働いている間に、経費計上できる支出の種類などを学ぶことは困難です。

医療行為以外の報酬が多ければ、法人化すれば節税に繫がります。一定以上の収入になると、所得税より法人税の方が税率が低いからです。

医療行為の報酬は給与所得、それ以外の報酬は事業所得に計上されます。事業所得は、法人化による節税が可能です。

ただ、法人化すると、定期総会の開催や会計報告書類の作成など、事務的な仕事が増加します。一定規模以上の収入がなければ、かえって時間とお金がかかってしまいます。

フリーランスのデメリット⑤保険料が高くなる

フリーランス医師は、勤務医より支払う社会保険料が高額になることも、知っておきたいポイントです。

勤務医は勤務先の健康保険組合や共済組合に加入しますが、フリーランス医師は国民健康保険に加入するか、前職の社会保険を任意継続するのが一般的です。

勤務医の社会保険料は所属法人と半額ずつ折半して負担しますが、国民健康保険は全額自己負担で、任意保険継続も法人の負担分がなくなり全額負担になります。

同様に、厚生年金も勤務医なら労使折半で、配偶者が無職なら第3号被保険者として年金保険料負担はありません。

一方、フリーランスは国民年金保険料を支払い、配偶者の分も含めて全額自己負担です。国民年金は給付金額が少ないため、十分な受給額を確保するならさらに負担は増大します。

医師がフリーランスになる前に知っておくべきこと

ここまで、医師がフリーランスとなる前に認識しておきたい5つのデメリットを紹介しました。

「今の職場が不満だからフリーランスになりたいと考えたのに、問題を解決できないのか」と悩む医師の方もいるでしょう。

職場の不満を解消する方法は、フリーランスになることだけではありません。ここでは、フリーランスになる以外の問題解決方法を紹介します

理想の働き方ができる職場は必ずある

まず、「フリーランスになりたい」「今の状況を変えたい」と考えた理由を整理しましょう

例えば「今より収入を上げたい」のであれば、より高年収の職場に転じれば解消します。

「心身に負担がかかるオンコールや当直を減らしたい」「育児介護と仕事を両立させたい」などの理由なら、緊急呼出しがない職場や、時短勤務可で常勤雇用される職場に就けば解決します。

中には「理由が複数あって整理できないものの、現状には不満」という方もいるでしょう。理由を整理し、キャリアを考え直したい方には転職エージェントへの相談をおすすめします。

転職エージェントは高収入・好待遇の求人を多く保有しているので、勤務条件を改善したい医師の方にも利用価値があります。

登録・相談・求人紹介は全て無料です。対面でなくてもアドバイスを受けられるため、考えを整理できるほか、現職で多忙でも情報を豊富に収集できます。

医師の転職に特化した「転職のプロ」に相談して、まずは自身の考えを整理するところから始めましょう。フリーランスしか考えていなかった方にも、新たな視点を提供してくれます。

ここでは、おすすめの転職エージェントを3つ紹介します。

エムスリーキャリアエージェント

エムスリーキャリアエージェント

エムスリーキャリアエージェントは転職希望医師の登録数8年連続No.1で、28万人もの医師会員が登録している知名度が高い転職エージェントです。

日本最大級の医療関連サイト「m3.com」の運営会社が展開するサービスで、医療関連の知識・理解が深い転職エージェントです。

コンサルタント全員が医療経営士の資格を取得していることも大きな特徴で、年収条件など病院との交渉に強いと好評です。

年収交渉だけでなく、勤務時間や新しい機器の導入(数千万円以上の機器導入実績あり)に関する交渉にも長けています。

特に常勤医師の求人数が多く、非公開求人も多く確保しています。フリーランスを検討している方も、試しに登録してキャリアについて相談してみましょう。

マイナビDOCTOR

人材業界大手マイナビが運営する医師専門転職エージェントがマイナビDOCTORです。グループは看護師・医療介護・薬剤師の転職支援サービスも展開し、病院とのパイプが太いです。

マイナビの一般企業の転職支援で培った企業とのコネクションを活かし、医師の転職先として人気の高い「産業医」の求人を多く持っているのが大きな特徴です。

全国14ヶ所に拠点があり、地方でも手厚い支援が受けられます。フリーランスへの転身を決意する前に試しに登録し、情報収集するのにも利用価値が高い転職エージェントです。

リクルートドクターズキャリア

リクルートドクターズキャリア

人材業界最大手のリクルートグループが運営する医師専門の転職エージェントが、リクルートドクターズキャリアです。

リクルートグループの豊富なノウハウを活かし、初めての転職でも丁寧にサポートしてもらえます。こまめに連絡があるのも利点のひとつです。

非常勤求人が多く、アルバイト勤務やスポット勤務の取り扱いが豊富です。

看護師・医師の転職エージェントであるリクルートメディカルキャリアと同じグループのため、病院内部の情報を良く知っている強みがあります。

勤務時間を見直したい・プライベートと両立させたい・アルバイトして今より収入を上げたいなどの目的でフリーランスを考えている方に、特におすすめの転職エージェントです。

フリーランスになりやすい科・なりにくい科は?

フリーランス医師は、診療科ごとになりやすさが異なります。フリーランス医師の需要が高い診療科の主な特徴は以下の通りです。

  • 人材不足が深刻
  • 激務
  • 1回の診察、診療で完結できる
  • 引き継ぎが簡単な症例が多い
  • 高度な専門性が求められる

フリーランスになりやすい科・なりにくい科の具体例は以下の通りです。

診療科フリーランスのなりやすさ理由
麻酔科医・人材不足で、高い報酬を出しても麻酔科医にきてほしい

・手術の立会いが終了すれば、簡単な引き継ぎで対応できる

放射線科医・遠隔読影が可能

・読影結果の引き継ぎもメールなどで可能

産婦人科医・人手不足で、当直や手術を担当できる産婦人科医が求められている

・継続観察が必要な妊婦への対応が必要

外来担当医・当日の診療のみで、カルテに記載すれば引き継ぎも完了する

・丁寧な経過観察を要する患者には対応できない

手術・入院対応(外科執刀医など)×・診療から手術・アフターフォローまでをチームで担当するため、常勤医が求められる

フリーランス医師を目指す人のよくある疑問

ここでは、フリーランス医師を目指して情報収集を始めたばかりの方が良く抱く疑問について、いくつかまとめました。

今後のキャリアプランを整理するためにも、この項目を読んで疑問を解消してください。

コロナ禍でフリーランス医師の仕事はどう変わった?

新型コロナウイルスの影響で外来患者数や急を要さない手術が減少し、病院経営が悪化しているとのニュースが度々報道されています。

国は新型コロナウイルス患者を受け入れた病院の診療報酬を増やす対応をしていますが、それ以外の病院への手当てはほとんどなく、夏のボーナスがもらえない常勤医もいるとの話も出ています。

診察数が減れば当然、スポット勤務や非常勤勤務の求人数も減ります

フリーランス医師は雇用の調整弁として使われる傾向が強く、契約を早期に終了させるなどフリーランス医師の仕事に大きな負の影響が出ています

一方、所属している病院が感染症対策を軽視しているなど、経営の実態に失望する医療関係者も多く、転職を検討する医師は増えています。

新型コロナウイルスの蔓延は、医師の働き方を大きく変える可能性があります。最新の動向をチェックするためにも、転職エージェントに登録しておくと良いでしょう。

フリーランス医師で有名な筒井氏について知りたい

フリーランス麻酔科医として有名な筒井冨美氏の名前を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。

フリーランス医師が主役のドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」の監修を担当した方です。

筒井氏は2007年にフリーランス医師に転身しました。当時は医局人事が幅を利かせており、フリーランスは異端視されていました。

一方、麻酔科医の不足は当時から深刻で、フリーランスが求められる要素は揃っていました。筒井氏がフリーランスの働き方を切り開き、幅広い診療科に普及する景気となりました。

執筆活動も行い、ビジネス雑誌の記事や書籍「フリーランス女医は見た 医者の稼ぎ方」(光文社新書)も出版しています。

検索すればたくさん記事が出てくるため、フリーランス医師について情報収集する際に良い足がかりとなります。

フリーランス医師のブログ収入はどれぐらい?

フリーランス医師の中にはブログを執筆している方も多くいます。

ブログ執筆を収入につなげる方法は、大きく2つあります。

  1. 広告収入:Google Adsenseなど掲載広告のクリック数に応じて収入が入るクリック型広告と、ブログで紹介した商品やサービスが購入されるとその分の報酬が入るアフィリエイトがあります。
  2. ウェブメディア執筆:ブログに掲載した内容を再構成したり、まとめたりして外部メディアに寄稿し、執筆料をもらう。もしくは、ブログ内容をまとめて本を出版する。

広告収入では、クリック型広告をクリックするのはブログ閲覧者のうち1%程度で、1クリック20~30円程度が収入になると言われています。

アフィリエイトは、「サイト経由で商品が購入されると、1つあたり3,000円」のような形で収入を得られます。「医師がおすすめする健康食品・保険商品」など、医師の資格を活かした宣伝をする方もいます。

一方、ウェブメディア執筆は、自身のブログ記事を広く拡散したり、メディア担当者の目に触れるなどのPRが必要です。依頼が来るかは不確実なものの、1記事あたり数万円の単価が期待できます。

1と2を合わせて大体月数万~十数万円程度が、ブログ執筆で期待できる収入です。

書籍「フリーランス医師の作り方」は参考になる?

現役フリーランス整形外科医の「おると」氏が2019年10月31日に出版した書籍「フリーランス医師のつくりかた」は、フリーランス医師について知りたい方に一読の価値があります。

おると氏は医療機関勤務の傍ら、医師転職・バイト・ライフスタイルを考えるブログ「フリドク」を書き、Twitterのフォロワー数も医師分野でNo.1です。

「フリーランス医師のつくりかた」は、フリーランス医師のタイプ別紹介・収入・仕事内容・退職活動・就職活動・関係法律などを解説した書籍です。

自身の経験談も交えて、フリーランス医師について知っておくべきことが網羅されています。

医師はフリーランスに転身する前に転職も検討を

ここまで、フリーランス医師として働く際のデメリットと基礎知識などをまとめました。

フリーランス医師は仕事の単価が高い反面、ストレスが多く、仕事は不安定、キャリアアップしづらいなどの多くのデメリットがあります。

特に新型コロナウイルスの影響でフリーランス医師の需要は急減しており、今後の回復見込みは不透明です。

現状に不満を抱える医師の方は、まず不満の原因を整理し、解決手段がフリーランスしかないのか、今一度考えてください。

考えを整理して解決手段を見つけたり、自身のキャリアプランを見つめ直す際には、医師専門の転職エージェントへ相談することをおすすめします。

転職エージェントなら、アルバイト求人などフリーランス向けの求人を保有しているだけでなく、フリーランス以外の問題解決方法も的確に助言してくれます。

幅広い視点で考えを整理し、多くの求人に出会うために、転職エージェントは複数に登録してください。客観的な視点で助言をもらい、問題を着実に解決できる方法を見つけましょう。