不動産鑑定士とは、土地の経済価値を中立的な立場から鑑定する国家資格が必要な仕事です。
この記事では不動産鑑定士の年収について、年代別・男女別・働き方などに分けて検証します。
不動産鑑定士になるにはどうすれば良いのかや、不動産鑑定士になる難易度や勉強時間、独立すれば年収が上がるのかなどもお伝えしています。
ほかにも、「不動産鑑定士が将来なくなる」との噂や、年収3000万に到達するケースがあるのかも検証しました。
不動産鑑定士の年収について詳しく知りたい人や、不動産鑑定士で年収を上げたい人は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
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不動産鑑定士の年収は?年代・性別・働き方別まとめ
不動産鑑定士とはそもそもどんな職業でしょうか。まず、前提知識を解説した上で、平均年収・中央値や年代・性別・働き方別に不動産鑑定士の年収をお伝えします。
不動産鑑定士は年収が高いのか低いのかも、他の資格の年収を比較していきます。
そもそも不動産鑑定士とは
不動産鑑定士とは法律に基づく国家資格であり、土地や建物などの不動産の経済価値を判定する専門家です。
不動産鑑定士は専門知識を生かして、不動産の有効利用や開発計画の策定などのコンサルティングも担い、公共団体から個人に至るまで様々な場所で活躍しています。
個人や団体の資産を客観的に判断するために、不動産鑑定士は高度な知識と技能が求められる社会的に責任が重い職業です。
クライアントの「土地を貸したい・買いたい」など相談に答えられる高いコミュニケーション能力が必要でもあります。
不動産鑑定士の平均年収・中央値
2019年の賃金構造統計調査によると、不動産鑑定士の平均年収は755万円です。2019年の国税庁の民間給与実態調査では、日本人の平均年収は436万円です。
日本人の平均年収と比べると、300万円以上も不動産鑑定士の平均年収が高く、不動産鑑定士は比較的年収が高い職業です。
中央値は公的データがないので、2021年1月6日に更新された求人ボックスのデータで確認すると、不動産鑑定士の年収中央値は481.5万円でした。
平均年収が中央値よりかなり高いのは、少数の不動産鑑定士が高年収を稼ぎ、平均値を押し上げているためです。
つまり、不動産鑑定士になれば全員が儲かるわけではありません。勤務場所やスキル、経験次第で年収に大きな差があります。
不動産鑑定士の年収・年代別
不動産鑑定士の年代別年収を解説します。不動産鑑定士の年収の口コミを参考にしました。
年代 | 平均年収 |
20代 | 524万円 |
30代 | 672万円 |
40代 | 841万円 |
50代 | 967万円 |
不動産鑑定士は20代から平均年収が高く、日本人の平均年収436万円を既に上回っています。
不動産鑑定士が20代・30代のうちから年収が高いのは、独立して稼いでいる人が多数いるからでしょう。
50代では平均年収が1000万円近くになり、高年収を目指すことも可能です。
不動産鑑定士の年収・男女別
不動産鑑定士の年収を男女別に解説します。2019年の賃金構造統計調査では、男性の年収データしかないため、女性の年収データは、2018年の賃金構造統計調査から確認しました。
性別 | 平均年収 |
男性 | 755万円 |
女性 | 669万円 |
男女で年収を比較すると、男性の方が年収86万円高いです。
2019年の民間給与実態統計調査によると、民間企業全体の女性の平均年収は296万円、男性の平均年収は540万円です。
全体平均と比べると、不動産鑑定士は男性で215万円、女性で373万円、平均年収が高いです。不動産鑑定士は、男性・女性ともに高年収を目指せる職業のようです。
不動産鑑定士の年収・働き方別(雇われ/独立)
不動産鑑定士の年収を働き方別に、雇われている人と独立している人とで比較します。
働き方別の公的データがないため、Twitterの口コミを参考にします。資格情報に関するブログ「資格くらぶ」の情報を参考にしました。目安として参考にしてください。
働き方別 | 標準的な推定年収 |
雇われ | 300万〜1250万円 |
独立 | 700万〜1500万円 |
独立している不動産鑑定士は、雇われよりも年収が高いケースが多いです。これは、比較的経験を積んでから独立するためと考えられます。
不動産鑑定士は国家資格であり社会的な地位もあります。会社で一定期間勤めて実績があれば、独立しても仕事がある場合が多いようです。
不動産鑑定士で年収3000万円いくケースはある?
不動産鑑定士で年収3000万円いく可能性があるのは、基本的に独立している人です。ただし、人を雇わず個人だけで年収3000万円に到達するのはなかなか難しいです。
不動産鑑定士の年収に関する口コミを5chから見ていきましょう。
- 大手・準大手鑑定会社の給料は経験積んだ鑑定士で600万~800万
- 部長クラスで1000万ちょっと
- 独立開業は競売評価人になれれば2000万以上は行くけれど
- 普通は1000万程度、都会だと1000万すら厳しい
上記の口コミから見ても、独立開業して3000万円以上いく人は稀であることが分かります。
ただ、不動産鑑定士として会社に勤めて、地道に経験を積むと一般的な日本人より年収が高くはなります。
不動産鑑定士の年収は高い?低い?他の資格と比較
不動産鑑定士の年収は、他の資格と比較して高いのでしょうか。2019年の賃金構造基本統計調査を参考にしました。
不動産鑑定士の年収のみ、女性の年収データが掲載されていないため、男性の平均年収をここでは扱っています。
資格 | 平均年収 |
不動産鑑定士 | 755万円 |
一級建築士 | 569万円 |
弁護士 | 728万円 |
公認会計士 | 650万円 |
社労保険労務士 | 486万円 |
上記の中だと、不動産鑑定士が1番年収が高いです。男性のみを集計したデータである点には留意する必要がありますが、不動産会計士は弁護士や公認会計士より高年収です。
不動産鑑定士の年収は他の国家資格が必要な職業よりも高いことが分かります。
不動産鑑定士資格が「将来なくなる」噂は本当?
不動産鑑定士は「将来なくなる」と噂されています。その真偽を確かめていきましょう。
そもそも「不動産鑑定士が将来なくなる」との噂は、AIがビッグデータを基に鑑定するようになり、不動産鑑定士の仕事がなくなるとの意見です。
ただし、これは不動産鑑定士の仕事の一部しか見ていません。不動産鑑定士は、土地活用の複雑な問題の相談を受けることも主要業務の一つです。
高度なコミュニケーション能力が求められることから、AIに不動産鑑定士の仕事が代替されることはないでしょう。
土地の金額相場を算定するだけならAIにもできるかもしれませんが、クライアントの相談に応じたり、土地活用を助言するなどの業務は今のところ、人間でないとできません。
2017年の国土交通省の調査によれば、全国の不動産鑑定士の人数は9532人で、多いとは言えない状況です。需要の観点からも不動産鑑定士は将来性のある資格です。
不動産鑑定士として年収を上げる方法
不動産鑑定士として年収を上げる方法を解説します。不動産鑑定士になるにはどうしたらいいのか説明した後、資格取得の難易度や勉強時間をお伝えします。
年収を上げるには独立が必要なのかも解説します。
不動産鑑定士になるには
不動産鑑定士になるには国家資格の「不動産鑑定士」を取得する必要があります。特別な受験資格はなく、誰でも受験料を払えば資格試験を受けられます。
試験に合格して、すぐに不動産鑑定士として働けるわけではありません。1年〜2年間の実務修習を経て、専門技能を身につける必要があります。
全てのカリキュラム終了後、修了考査を受けて合格し、不動産鑑定協会に登録した時点で不動産鑑定士になれます。
不動産鑑定士は高年収ですが、簡単になれる職業ではありません。
不動産鑑定士になるには、まず資格試験に合格しなければいけません。次に資格の難易度や勉強時間の目安をチェックします。
不動産鑑定士資格の難易度・勉強時間
不動産鑑定士資格の難易度と勉強時間を解説します。資格試験では、短答式・論文式の2段階の試験に合格する必要があります。合格難易度は合格率で確認していきます。
2019年の試験は1767人が受験し、573人が合格したため、合格率は32.4%でした。そもそも受験者数が少ない上に約7割が落ちる状況を見ると、難易度は高いです。
勉強時間はどれくらい必要なのでしょうか。「資格の学校TAC」では、2000~3700時間の勉強が必要だと解説しています。最低2000時間は勉強をしないといけないようです。
事前の勉強時間の長さ、合格率の約3割の試験を考えると、資格を取得するのはかなりの難易度だと分かります。
不動産鑑定士で年収を上げるには独立が必要?
不動産鑑定士で年収を上げるには独立が必要なのでしょうか。
結論からいうと、独立しなくても高年収は実現できます。なぜなら、独立すると成果主義になり、仕事がない時には収入が大きく下がる可能性もあります。
独立して成功すれば、3000万円以上などの高年収を狙えますが、それはほんの一握りの不動産鑑定士だけです。
リスクを取らずに年収を上げるには、転職をすることです。不動産鑑定士で培った貴重な知識や経験を生かして転職すれば、今より年収を上げられます。
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職種 | 不動産アドバイザリー |
仕事内容 | 不動産関連バリュエーションを行う |
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ランスタッドの公式サイト不動産鑑定士の年収まとめ
この記事では、不動産鑑定士の年収についてさまざまな角度から解説しました。不動産鑑定士で年収を上げる1番の近道は、「転職エージェントを複数利用すること」です。
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