年末調整やふるさと納税など、年収を計算する機会は多くありますが、「交通費は年収に含めていいのかな?」と疑問に思ったことがある人は多いのではないでしょうか。
交通費を年収に含むかどうかはケースによって異なり、交通費が年収に含まれる場合もあれば、含まれない場合もあります。
この記事では、ケース別に交通費を年収に含むかどうかを解説します。年収を計算する際の交通費の扱いに悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
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年収に交通費は含む?ただしい計算方法を5つのケース別に解説
交通費は年収に含む場合と含まない場合があります。正しく年収を計算するためには、交通費が年収に含まれるケースと含まれないケースを知っておく必要があります。
ここでは、転職の際の年収申告やふるさと納税の限度額計算など、5つのケースで交通費の扱いを紹介します。
そもそも「年収」「交通費」とは
まずは「年収」と「交通費」の2つの定義を整理しましょう。
年収とは、基本給に各種手当や賞与などを足した、1年間の総支給額のことを指します。
税金や社会保険料、その他の控除が差し引かれる前の金額を指すため、年収額は手取り額(年間所得)より多くなります。
交通費は「業務遂行に必要な交通に関する費用」で、営業に行く際の電車運賃や出張費などが含まれます。
交通費が支給されるのは当たり前と思っている人もいるかもしれませんが、実は労働基準法では交通費支給は義務づけられておらず、交通費を支給しない企業も存在します。
交通費を支給する企業の中にも、交通費支給額に上限を定めたり、一部しか支給しない企業もあるため、転職の際は求人票を確認することをおすすめします。
ケース①「転職」で年収申告時に交通費は含む?
転職活動中に面接などで前職の年収を尋ねられた際は、「交通費は含めずに」答えましょう。中途採用の場では、年収の話をする際に交通費を含めない企業が多いからです。
年収を申告する際は源泉徴収票を確認し、「支払金額」に書かれた額を申告しましょう。この額は総支給額とも呼び、税金や社会保険料など、天引きされた金額も含まれています。
申告の際に手取りの金額を伝えてしまうと、実際のあなたの市場価値よりも低く判断される恐れがあるため、手取り額ではなく天引き前の総支給額を伝えましょう。
申告した年収が交通費が含まれた額だと勘違いされないか不安な場合には、「年収○○万円(※交通費含まず)」のように記載するのも手段の1つです。
ケース②「ふるさと納税の限度額計算」で年収に交通費は含む?
ふるさと納税の限度額を計算する際には、交通費を含まない年収で計算します。交通費は一定金額までは非課税のため、ふるさと納税の限度額計算には含まれないからです。
ただし、交通費の非課税扱いは月額15万円までで、月額15万円を超えた分の交通費は課税対象となるので注意が必要です。
課税対象となった場合は、源泉徴収票の「支払金額」の欄に課税対象額が加算されているので、ふるさと納税の限度額を計算する際は源泉徴収票を確認することをおすすめします。
ふるさと納税の限度額は、年収だけでなく家族構成などによっても異なります。シミュレーターを公開しているふるさと納税のポータルサイトもあるので、上手に活用しましょう。
ケース③「年末調整」で交通費は年収に含む?
年末調整で基礎控除申告書を提出する際、1年間の収入の合計を記入する「収入金額」の欄には交通費は含みません。
ふるさと納税の限度額計算と同様、年末調整も税金計算が目的であり、月額15万円以下の交通費は非課税として扱われるため、年末調整で報告する年収には含まれません。
基礎控除申告書に記載する収入金額は交通費は含まず、税金や社会保険料が天引きされる前の「総支給額」を記入する必要があります。
なお、年末調整の書類を記入するのは11月頃ですが、基礎控除申告書にはその年の見込み年収を記載するため、給与明細などから見込み年収を計算して記入しましょう。
ケース④「源泉徴収票」の支払金額に交通費は含まれる?
源泉徴収票にある「支払金額」という項目には、交通費は含まれていません。
そもそも源泉徴収票とは、1年間に支払われた給与を元に、税金や社会保険料がいくら徴収されたかを記載した書類です。
交通費は月額15万円までは非課税で税金計算に含まれないため、月額15万円以下であれば源泉徴収票の支払金額にも含まれないのです。
ただし、派遣社員など、交通費を含む形で給与が支給されているケースでは、交通費も給与の一部で課税対象とみなされ、支払金額に含まれます。
このようなケースでは、交通費も所得税の課税対象となり手取り額が減ってしまうため、転職前にあらかじめ交通費の扱いを確認しておくことをおすすめします。
ケース⑤パート年収「130万円」の壁に交通費は入れる?
社会保険の加入資格に関する年収計算では、交通費も年収に含まれます。つまり、「130万円の壁」は交通費も入れる必要があり、扶養内で働くパートの人は注意が必要です。
税金計算と社会保険料の計算では交通費の扱いが異なり、扶養内で働くには交通費も含めて年収130万円未満に収める必要があります。
「交通費は源泉徴収票に記載されないからバレることはない」と考える人もいるかもしれませんが、健康保険では定期的に認定状況の確認を行っています。
被扶養者の資格がないと判断されると、遡って扶養が取り消され、医療費の返還を求められる可能性もあります。申告は正しく行いましょう。
なお、所得税を納める義務がなくなる「103万円の壁」は、税金の計算のため、非課税である交通費を含む必要はありません。
年収と交通費の計算で特に注意が必要なケースは?
年収と交通費の計算で注意が必要なのは、転職活動中です。自分が年収を申告する時ではなく、求人票で提示されている年収を確認する際は注意しましょう。
前述のとおり、交通費は支給義務がないため、そもそも交通費が支払われるかどうか、支払われるとしても全額支給されるかどうかは確認しておくべきです。
特に、求人で年収が提示されている場合、その年収には交通費が含まれているのか含まれていないのかは、しっかり確認する必要があります。
たとえば、1カ月の交通費が1万5,000円とすると、年間交通費は19万5,000円となり、交通費の有無で年収に20万円ほどの差がついてしまいます。
転職する際には、企業が提示する年収に交通費が含まれているかを忘れずに確認しましょう。
心配な場合は転職のプロに相談するのが安心
とはいえ、「交通費のことを採用担当者に自分で質問するのは、悪い印象を与えそうで不安」「お金の話は聞きにくい」など、不安に思う人もいるのではないでしょうか。
年収と交通費の計算に心配な点がある人は、転職エージェントを利用して、転職のプロに相談するのがおすすめです。
転職エージェントを利用すれば、交通費など自分で聞きにくいことを全て代行してくれるので、お金のことを質問するのは気が引ける人でも安心です。
ほかにも、年収と交通費の計算で気になることがあれば、転職のプロが相談に乗ってくれます。これらのサービスが全て無料で利用できるので、使わない手はありません。
特におすすめの転職エージェントを、当サイトが独自に集めた口コミとともに紹介します。
おすすめの転職エージェント①パソナキャリア

パソナキャリアは、派遣業界大手のパソナグループが運営する転職エージェントです。2020年1月現在、公開求人を28,301件保有しています。
パソナキャリアの魅力は、オリコン顧客満足度調査の転職エージェント部門で3年連続で総合第1位を獲得するほどのサポートの手厚さです。
担当者が利用者の話をじっくりと聞き、利用者目線で相談に乗ってくれるので、年収と交通費の計算など気になる点がある人も安心です。
利用者の口コミでも、担当者の手厚いサポートを評価する声が多く聞かれました。
おすすめの転職エージェント②リクルートエージェント

リクルートエージェントは、リクルートグループが運営する業界最大手の転職エージェントです。2020年1月現在、公開求人を105,344件、非公開求人を136,042件保有しています。
リクルートエージェントの魅力は、豊富な求人数と、豊富な支援実績によって培われた質の高いサポートです。
転職のプロが豊富な知識や経験を生かしてアドバイスしてくれるので、交通費と年収の計算はもちろん、さまざまな相談に乗ってもらえます。
利用者の口コミでも、担当者の質の高さを評価する声が多く聞かれました。
おすすめの転職エージェント③ランスタッド

ランスタッドは、外資系企業のランスタッドが運営する転職エージェントです。2020年1月現在、公開求人を8,072件保有しています。
ランスタッドの魅力は、外資系企業への転職に強く、ハイクラス向けの求人を豊富に保有している点です。
外資系エージェントは担当者の対応が淡泊なことが多いと言われますが、ランスタッドは親身に対応してくれると評判で、年収と交通費の計算など気になる点がある人も安心です。
利用者の口コミでも、担当者の親身な対応を評価する声が多く聞かれました。
年収と交通費についてよくある疑問
ここまで、年収計算における交通費の扱いを紹介してきましたが、「テレワークになっても、交通費は支給されるのかな?」など、疑問がある人もいるのではないでしょうか。
ここでは、年収と交通費に関するよくある疑問と答えを紹介します。
給料明細に交通費の記載がないのはなぜ?
給料明細を見た時、交通費の記載がないことを疑問に思ったことがある人もいるのではないでしょうか。
給与明細に交通費の記載がない場合は、別途精算書または受領書が用意されているか、「非課税項目」にまとめられている可能性があります。
交通費は、基本給や各種手当などとは異なり一定金額までは非課税のため、課税対象である給与とは項目や振り込み手続きを分けている企業も少なくありません。
給与明細に交通費が記載されていないことを疑問に感じたら、「非課税」の語が入った項目を確認すると、交通費を含む項目が見つかる可能性があります。
「非課税項目」や「通勤非課税」のような項目がなく、本当に交通費が支給されているか定かではない場合は、就業規則を確認するか経理担当者に問い合わせることをおすすめします。
交通費と通勤手当の違いは?
交通費が「業務中の移動にかかる費用」なのに対し、通勤手当は「家から職場までの移動にかかる費用」という違いがありますが、実は制度の面でも違いがあります。
交通費は給与として扱われない一方、通勤手当は企業から支給される手当の一種とみなされるため、給与の一部として扱われます。
ただし、通勤手当も交通費と同様、1カ月あたり15万円までなら非課税とみなされ、税金計算の際は年収に含まれません。
電車やバス、タクシーなどの公共交通機関を利用する場合、1カ月あたり15万円以下であれば、通勤手当は交通費と同様に非課税です。
自家用車や自転車の通勤手当は距離によって非課税の限度額が決まっていて、たとえば片道15km以上25km未満の場合、1カ月あたり12,900円までは非課税です。
仮に片道20kmの距離を自家用車で通勤している人の通勤手当が1カ月15,000円だった場合、12,900円は非課税ですが、残りの2,100円は課税対象となります。
テレワークで交通費支給はどうなる?
テレワークに移行して通勤の必要がなくなった場合、交通費(通勤手当)が支給されなくなる可能性があります。
交通費の支給は法律で義務付けられておらず、テレワークの社員に交通費を支給するかどうかは各企業の判断に委ねられます。
テレワークで月に数回のみ出社するなど出社日数が減った場合、これまで月ごとに支給されていた交通費が日割りで支給されるかどうかは、企業が就業規則に基づいて判断します。
仮に、就業規則に「1カ月のうちに出社が1日もなかった場合には、交通費を支給しない」との規定があった場合、1日も出社しなかった月の交通費は支給されない可能性が高いです。
交通費の支給に関するルールは就業規則にまとめられているので、テレワークで交通費が支給されるか気になる人は就業規則を確認することをおすすめします。
年収計算における交通費の取り扱いのポイントまとめ
交通費は、1回の額は大きくはないものの、「塵も積もれば山となる」の言葉通り、年間では高額になることも少なくありません。
決して少なくない額であり、年収計算の際には交通費が含まれるケースと含まれないケースの違いを理解する必要があります。
また、転職の際には、企業が提示する年収に交通費が含まれているかどうかを確認しておかないと、転職後に「年収が思ったより低い」と感じてしまうため、特に注意が必要です。
年収計算における交通費の扱いに不安がある場合には、転職エージェントを利用して、転職のプロに相談することをおすすめします。
転職エージェントを上手に活用して、年収計算における交通費の取り扱いに関する不安を解消させてください。