厚生労働省の平成30年賃金構造基本統計調査によると、看護師の平均年収はおよそ480万円です(男女計・平均39.3歳・賞与含む)。
平均年収から考えると、看護師が年収1000万円を叶えるのは容易ではありません。ただし、看護師が年収1000万円を実現する方法は全くないわけではありません。
この記事では、看護師として賢く年収1000万円を達成するための具体的な方法を解説していきます。
目次
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看護師が年収1000万円を超えるには?
看護師が年収1000万円を超えるには「看護部長になる」「美容外科の看護師になる」などの方法があります。
ここでは、2chや知恵袋など各SNSに掲載された生の声も参考に、看護師が年収1000万円を超える具体的な方法と実態をまとめていきます。
看護師長は年収1000万円超える?
看護師長が年収1000万円を超えるのは難しいです。
公益社団法人日本看護協会が全国8,633病院と会員1万人に調査した「2012年の病院勤務の看護職の賃金に関する調査報告書」 によると、看護師長の基本月給額の分布は以下の通りです。
- 30~35万円未満:17.1%
- 35~40万円未満:29.6%
- 40~45万円未満:21.1%
つまり、看護師長の67.8%が基本月給額30~45万円に収まっています。
この調査では、看護師長相当職の基本月給額で高かったのは「70~75万円未満」と「85~90万円未満」で、それぞれわずか2人しかいませんでした。
基本給が月額70万円でボーナスが2ヶ月分以上出るとすれば、年収1000万円に届く計算です。ただし、この調査では年収1000万円超の「中間管理職相当の看護師」はいませんでした。
美容外科の看護師は年収1000万円超える?
美容外科に務める看護師の給与水準は一般的な病院より高く、美容外科の看護師は年収1000万円を超える可能性があります。
美容外科の看護師の給料が高いのは、仕事の実績を加味した歩合制を採用するクリニックが多いのが理由です。
例えば、美容外科の看護師としてクリニックで化粧品や施術を患者におすすめし、患者がそれを購入すれば、売上実績に応じて収入が上がる仕組みです。
Yahoo!知恵袋にも「一流どころの美容整形の看護師になれば、年収1000万円超えを狙える」との口コミがあります。
(実際の声:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14173534174)
美容外科のある場所や規模、取り扱う施術や商品の内容に歩合の金額は左右されるものの、美容外科の看護師は営業実績を上げれば、年収1000万円を超える可能性が高いです。
企業に転職すれば年収1000万円超える?
看護師資格保有者が優遇される企業に転職すれば、年収1000万円を超える可能性は高まります。
具体的には製薬会社や、CROと呼ばれる医薬品開発の臨床試験業務を受託している企業で、臨床開発モニターとして働くことが挙げられます。
臨床開発モニターとは、治験が適切に行われるように支援する仕事です。臨床開発モニターで管理職になれば年収1000万円を超えることもあります。
この職種には看護師の経験・知識に加え、コミュニケーションスキル、基本的なITスキル、英語力が求められます。
医療機器メーカーで医師トレーナーとして勤務するのも年収1000万円超を狙う方法の一つです。医師トレーナーとは、病院医師に対して医療機器の使い方を教える担当者です。
実際、総合病院に8年間勤務後、医療機器メーカーに転職して年収1000万円を超えた人もいます。「今年のボーナスは500万円、以前のように病院に戻る気がしない」との口コミもありました。
(実際の声:https://www.kango-roo.com/km/posts/detail/7426)
臨床開発モニターや医師トレーナーのように、看護師資格と病院勤務の経験を活かせる企業に転職すると、年収1000万円を超えることは夢ではないようです。
開業看護師は年収1000万円超える?
開業看護師は年収1000万円を超える可能性があります。看護師資格に加えて助産師・保健師などの資格を取得し、助産院や開業保健師として独立する人もいます。
開業看護師の道で多いのは、訪問看護ステーションを開設して管理者になることです。在宅医療の普及とともに訪問看護の需要も増加しており、順調に事業展開できれば高年収を狙えます。
訪問看護ステーション管理者として独立するには、施設開設後に最寄りの役所に届け出る必要があり、その際に看護師資格が必要になります。
ほかにも、看護師経験を活かしてエステサロンや老人ホーム、デイサービスを開業する選択肢もあります。これらの方法でも年収1000万円を目指せます。
開業看護師が年収1000万円を目指せる事業は様々なものが考えられますが、開業には資金調達が必要です。開業後はスタッフの確保や経営管理など、看護以外の業務もこなさなければなりません。
看護師が独立して年収1000万円を実現するには、相応のリスクを背負い、多忙になる覚悟をしなければなりません。
特に、経営や人事・労務など看護師の業務以外にも勉強しなければならない分野が増え、相当な向上心がないと務まりません。
開業看護師を目指すなら、順を追って準備を進め、ゆっくり考えましょう。
助産師・保健師で年収1000万円超える人っている?
助産師・保健師で年収1000万円超える人は稀です。SNSなどでは「助産師・保健師として年収1000万円を超えた」とのの口コミは見つかりませんでした。
助産師・保健師ともに年収は500万円~600万円と言われます。看護師より上位の資格である分、看護師の平均年収480万円に比べて高いものの、1000万円には届きません。
特に保健師は、勤め先が保健所や学校などの自治体のため、公務員技術職の年収相場を超えることはほとんどありません。
ただし、助産師・保健師ともに開業やフリーランスとして年収1000万円を超える人が稀にいます。開業して高年収を目指す選択肢と注意点は、看護師と変わりません。
助産師なら助産院を開業するのが一般的で、保健師は資格を活かしてセラピストになる人がいます。保健師は災害時に被災者の心身のケアに当たるので、今後フリーランスの需要が高まることも予想されます。
年収1000万円を超える求人例は?
看護師で年収1000万円を超える求人例を紹介します。
「産婦人科クリニックでの看護業務」の求人概要は以下の通りです。
企業名 | 非公開(「レディースクリニック」のグループ本院) |
勤務地 | 東京都新宿区 |
診療科目・業種 | 産婦人科・麻酔科、クリニック |
仕事内容 | オペ室業務、外来業務など |
雇用形態・給与 | 正社員、月給 35万円~ |
待遇 | 社会保険完備、昇給、賞与、交通費支給 |
求人紹介文には「医師もナースも頑張ってくれた人には平等に還元したい、が院長のモットーで、3年目で年収600万円、5年目主任ナースで年収1000万円を達成する人もいる」とあります。
保険外診察がほとんどの産婦人科は報酬を自由に決められるため、看護師の年収も高くなる傾向があります。
ただし、産婦人科でも年収1000万円を超えるのは、この求人ように都心に立地する人気のクリニックなど限定的です。
都心でも外来患者数の少ないクリニックや、地方の立地条件が悪いクリニックでは、看護師の年収1000万円は難しいでしょう。
看護師で年収1000万円を超える求人は確かにありますが、希望する仕事内容・勤務地などの条件まで満たす求人を絞り込むのは困難です。
効率よく希望の年収と勤務条件を満たす求人を探すなら、自力ではなく転職エージェントを活用するのがおすすめです。
看護師が年収を上げる方法|求人の選び方から小遣い稼ぎの方法まで
ここまで、看護師が年収1000万円を実現するのがいかに難しいかを開設しました。では、看護師がを上げる方法にはどんなものがあるのでしょうか?
ここからは、看護師が年収アップを図る具体的な方法を、SNSの口コミを交えながら紹介します。転職だけでなく、副業や小遣い稼ぎの方法も解説します。
年収600万クラスを狙う方法・実際にもらっている人の体験談
看護師として年収600万円を狙うなら、以下の条件を満たす病院への転職を検討しましょう。
- 初任給が高い地域にある
- 病床数が多い
日本看護協会の「病院看護実態調査」(2017年)によると、新卒看護師の平均初任給(月額)は最高の大阪府と最低の宮崎県では26,600円ほどの開きがありました。
初任給が低い地域では昇給にも限界があり、高い年収は見込めません。病床数が多いほど患者数と業務量も増え、看護師の給料も高くなる傾向にあります。
その上で、年収600万円を実現するには夜勤や残業を積極的にこなし、各種手当をもらえるように努力する必要があります。特に認定看護師・特定看護師などの資格に手当をつける病院が狙い目です。
「めちゃくちゃハードだけど、これだけもらえれば、仕方ない。」「これだけの当直・待機でこの金額は割に合わない。皆でも文句を言っている。」との口コミがあり、年収に比例して多忙になるようです。
(実際の声:https://www.kango-roo.com/km/ranking/full/page:13)
人の時間と体力には限界があります。年収600万円を狙ってがむしゃらに夜勤や残業をするのも選択肢の一つですが、日常生活とのバランスも意識しましょう。
年収800万クラスを狙う方法・実際にもらっている人の体験談
看護師として800万円を狙うなら、看護部長・看護師長などの役職を目指しましょう。役職に就けば残業代は出なくなるものの、相応の役職手当が支給されます。
先述の「2012年の病院勤務の看護職の賃金に関する調査報告書」では、「基本給90~100万円未満」と回答した看護部長がごくわずかながら存在します。
基本給90万円ならボーナス無しでも年収800万円を超え1000万円に近づきます。
ただし、看護師で年収800万円以上を得ている人の中には「数字だけ見るとお金はもらっているが、現場はかなりやさぐれている」「仕事がきつく、全く休みがない。人間関係も大変で早く辞めたい」などの声もありました。
(実際の声:https://www.kango-roo.com/km/ranking/full)
看護部長などの管理職になれば、看護師として年収800万円クラスを実現できますが、仕事がかなりきつい職場もあるようです。
職場ごとの雰囲気や忙しさ、業務量を知りたいときは、自力で調査しても多くの情報は手に入りません。内部情報に詳しい転職エージェントを活用するのが賢い方法です。
看護師におすすめの小遣い稼ぎの方法は?
看護師におすすめの副業・小遣い稼ぎの方法には、イベントナースや医療系ライターなどがあります。これらの利点は休日に働けることと、時給が高いことです。
イベントナースは、コンサートや祭りなどで救護待機をする仕事です。日頃仕事で接する人以外の人と働け、気分転換になることから人気の副業です。
医療系ライターは、主にクラウドソーシングサービスに登録して医療系記事を執筆します。文字単価は1円以上と一般的な単価より高く、すき間時間で取り組めます。
ただ、イベントナースや医療系ライターは小遣い稼ぎにはなるものの、それなりの時間を割く必要があり、看護師の本業が忙しい中では至難の技です。
看護師の本業を疎かにせず稼ぎたいなら、副業や小遣い稼ぎに励むより、転職して年収を上げる方が効率的・現実的です。
看護師が求人を選ぶ際に絶対見るべきポイント
高年収の看護師求人を選ぶ際は、「各種手当の内容」を吟味するのがポイントです。具体的には以下の手当の金額を比較して求人を選びましょう。
- 残業手当(サービス残業がないか、残業時間の上限はあるか)
- 夜勤手当
- 住宅手当
- 資格手当(認定看護師など)
次に、「将来役職に就ける可能性のある求人なのか」も重要です。
看護師として年収800万円以上を狙う方は、看護部長などの役職に就くのが現実的です。応募しようとしている求人が、昇進可能なのか確認しましょう。
ほかにも見るべきポイントは、「職場の雰囲気」「人間関係」「立地」「診療科」など多岐にわたります。これら全てを自力で確認するのは困難です。
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ここまで、看護師の平均年収や高年収を実現する方法、おすすめの転職エージェントについて解説してきました。
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