転職エージェントの裏事情を知りたい人はいませんか?
転職エージェントって一体どんなどんなところなの?本当に信用していいの?と、一度も利用したことがない人は不安や疑問がたくさんあるでしょう。
- 転職エージェントは、転職が決まりそうな人を優先的にフォローする
- 転職エージェントは、年収の高い人を優先的にフォローする
など、この記事では、転職エージェントに勤めていた元キャリアコンサルタントが業界の裏事情から、上手な活用方法まで詳しくご紹介します。
記事の最後には、元キャリアコンサルタントがおすすめする一押しの転職エージェントも紹介しているので、合わせて確認してください。
各エージェントに「良い転職先があれば、すぐに転職したい」と伝え、優先的にサポートしてもらう。
担当者との相性を確認しながら本命のエージェントを1社に絞り、本格的な転職活動を開始する。
転職エージェントの裏事情7つ
これから、元キャリアコンサルタントが現場で見てきた転職エージェントの裏事情7つを紹介します。裏事情を知ることによって、転職エージェントを巡る疑問や不安が解決できるでしょう。
また、キャリアコンサルタントからの言葉を冷静に受け止めることができ、落ち着いて対処できるようになります。
転職エージェントの裏事情① 「転職したい企業」よりも「転職できる企業」を紹介する
転職エージェントには、月に〇〇万円、または月に〇〇人と売上目標があります。大手ほど売上目標が厳しく、書類通過率や面接通過率などを細かく評価をされます。
「いかに多くの人を効率よく転職させられるか」がキャリアコンサルタントの課題なのです。今すぐに転職を希望する人や年収が高い人、採用企業から求められているレベルに合致する人などは、非常に喜ばれます。
キャリアコンサルタントの中には「転職を支援することによって社会貢献したい」という気概を持った人もいますが、現実の売上目標とのギャップに悩む人も多いです。
また、売上目標により、求職者の転職したい企業よりも転職できそうな(受かりやすい)企業を優先的に紹介しなければならないという矛盾に陥ります。
建前では「求職者のため」でも、本音は「自分の売上目標のため」なのです。ただこれは転職エージェントの仕組み上、仕方のないことです。
キャリアコンサルタントの経験値により、その建前と本音のバランスが上手な人もいれば、経験の浅いキャリアコンサルタントなら本音の部分が前面に出て、不快に感じさせてしまうこともあります。
転職エージェントの裏事情② 決まりそうな人を優先的にフォローする
転職エージェントが優先的にサポートするのは、1~3か月以内の転職を希望している人です。就職してはじめて報酬を貰える仕組みなので、すぐに転職したい人を応援するのは当たり前のことです。
あとは、素直で柔軟性があり、コミュニケーション能力が高いと転職エージェントからのフォローは非常に手厚いでしょう。
登録の際と電話面談の際に「決まりそうな人」を上手に演出しましょう。熱意をアピールするのがコツです。
転職エージェントの裏事情③ 年収の高い人を優先的にフォローする
転職エージェントは転職者の年収の3割程度を報酬として受け取る仕組みです。
月に〇〇万という売上目標を達成するためには、年収の高い人を優先的に支援するほうが、早く売上目標を達成できるので、効率よく仕事ができます。
キャリアコンサルタント自身の売上目標の状況により、求職者の選別もあります。売上目標に達成している状況であれば、年収の低い人でも支援するかもしれません。
売上目標達成までにまだ何人もの求職者を就職決定する必要がある状況なら、今すぐに転職を希望している年収の高い人を選び支援するようになるでしょう。
ただ、月に〇〇人と人数を目標にしている転職エージェントもあり、年収の高い低いに関係なくあなたの転職希望に寄り添い、真摯な対応をしてくれるところもあります。
転職エージェントの良し悪しだけでなく、キャリアコンサルタントの力量次第も転職成功率を左右するのです。ですので、複数の転職エージェントに登録することが必須です。
転職エージェントの裏事情④ 入社後の数か月はフォローが手厚い
これは、「返金規定」が関係しています。ある会社だと、1か月以内に退職すると報酬の約80%を返還しなければいけないという規定があります。
細かい返金割合は転職エージェントにより様々ですが、ほとんどの転職エージェントはこういった返金規定を設けています。
入社後も、よく電話をくれて親切だとキャリアコンサルタントを評価する人も多いですが、こういう裏事情が背景にありあす。とにかく早期退職をしないように見張っているわけです。
こういった点を踏まえると、求職者の希望する転職先をうまくマッチングしないと返金が発生しかねません。したがって、紹介された会社があなたの希望とは全く違うということはないでしょう。
転職エージェント裏事情⑤ 複数の選考が同時に進んでいた場合、説得(ごり押し)される
求職者は、転職サイトを通じて転職活動をしたり、複数の転職エージェントを介して選考が同時に進んでいるケースもよくあります。
転職エージェントにとって、良い人材を取り逃がしてしまうのは非常にもったいないことなので、自分の転職エージェントで選考が進んでいる企業に就職決定してもらおうと、説得に入ります。
中には、「ごり押し」と思うほど強引に説得されることもあります。本当にその企業に転職したいのか、またはキャリコンサルタントを信用していいのか、自分の気持ちを確認してから、答えを出しましょう。
転職エージェントの裏事情⑥ 終了した求人をわざと掲載している
良い人材を確保するために、良い人材が集まりそうな求人を出しておくことによって、登録を促す場合があります。登録後の電話面談の際に、「この求人は終了したが他にも似たような求人があるから面談をしたい」と言ってくるでしょう。
良い人材を確保するためとはいえ、終了した求人を掲載し続けるのは消費者目線からは懸け離れています。もちろん、終了した求人をすぐに削除する転職エージェントもあります。
転職エージェントの裏事情⑦内定辞退されると報酬がなくなる
転職エージェントは、登録者が仲介先に入社すると、その人の年収の2~3割を成功報酬として受け取るビジネスモデルです。
このため、登録者は様々なサポートを無料で受けられるのです。
つまり、登録者が内定辞退をしたりすれば、企業から受け取るはずだった成功報酬が一切支払われないことになります。
コストを掛けてサポートして内定まで得たのに、報酬を得られないのでは転職エージェントはビジネスとして成り立ちません。
ノルマが厳しかったり、自社の売り上げのことしか考えなかったりする悪質な転職エージェントの場合、「内定辞退はできない」などと虚偽の説明をして入社を催促します。
転職エージェントの裏事情が引き起こす6つのトラブル
ここまで、転職エージェントの裏事情を7つ紹介しました。極端な事例を紹介しましたが、確かに、求職者にとってあまり良くないキャリアコンサルタントがいるのは事実です。
大事なのはあなたと転職エージェントとの相性です。あなたが会社に求めているレベルと、転職エージェントが求めているレベルが合致すれば何の問題もなく事が進んでいきます。
転職エージェントに勤めていた元キャリアコンサルタントが転職エージェントに関する気になる噂を徹底解剖していきます。
転職エージェントとのトラブル①連絡がこない
登録をしたのに、連絡をしてこない転職エージェントは確かにいます。これは、転職エージェントが求めるレベルにあなたのキャリアやスペックが足りていないということです。
または登録情報を見て「やる気が感じられない」「今すぐ転職をしたいわけではない」と判断された可能性もあります。例としては少ないですが、事務的な処理で忘れられていたというケースもあります。
転職エージェントは転職者が入社して初めて手数料収入を得ます。つまり、今すぐ売上に貢献してくれる人材かどうか見極められているのです。
よくあるケースなので、一つの転職エージェントに固執するのではなく複数の転職エージェントを併用した方が転職活動がスムーズに行きます。
転職エージェントとのトラブル②電話面談のみで直接会ってくれない
これもよくあるケースです。「連絡がこない」同様、登録した転職エージェントが求めるレベルに、あなたのキャリアやスペックが足りていない可能性があります。
また、登録情報を見て「やる気が感じられない」「今すぐ転職をしたいわけではない」と判断され、電話面談のみの対応をされることもあります。
転職エージェントは、電話対応でもあなたの人柄を見ています。コミュニケーション能力、社会人マナーなど、プロのキャリアコンサルタントなら全てお見通しです。
どうしても直接会って話したいなら、登録時と電話面談の際にやる気をアピールしましょう。
転職エージェントとのトラブル③面談後、全然求人紹介してくれない
これもよくあるケースです。電話面談や直接面談をして、現段階でおすすめきできる案件がないのが一因です。
あなたのキャリアやスペックが足りなかったり、希望する業界や職種がニッチで求人がなかったり、やる気が感じられなかったり、病気を患っていたり、コミュニケーションに問題があったり、理由はいろいろです。
特に1日に何人もの求職者との面談を行っている転職エージェントもあります。その中で、今ある求人でどの人が転職できそうか見極めています。
一向に紹介してくれない転職エージェントには見切りをつけ、市場価値をしっかり認めてくれる自分に見合った転職エージェントを選ぶことをおすすめします。
転職エージェントとのトラブル④転職を急かされる
キャリアコンサルタントには、月に〇〇万もしくは月に〇〇人と、売上目標が課されています。このため、転職を急かしてくるキャリアコンサルタントもいるのです。
転職してもらうと必死で、上手に口車にのせられて、自分があまり望んでいない転職先に決めてしまうこともあります。
同時に他社の転職エージェントで選考が進んでいた場合、自社経由で就職決定してもらいたいがために、急かしてくるケースもあります。
とはいえ、あなたのために必死で良い転職先をおすすめしてくれるキャリアコンサルタントもいます。この人なら信用できるという人を見つけることも大切です。
転職エージェントとのトラブル⑤信用できない
これも、キャリアコンサルタントにより様々です。あなたのことよりも自分の売上目標のために動いていると感じた場合、信用を無くすのは当然です。
また連絡を怠る、フォローがあまりないなど雑な対応も、信用を無くす要因です。
信用できないと感じた場合、他のキャリアコンサルタントに変えてもらうか、違う転職エージェントに替えるか決める必要があります。
転職エージェントを通じて転職活動を行う場合、キャリアコンサルタントと二人三脚で進めていくことが転職成功のカギです。
複数の転職エージェントを併用して、信頼できるキャリアコンサルタントを見極めましょう。
転職エージェントが信用できない9つの理由転職エージェントとのトラブル⑥内定辞退を拒否される、損害賠償しろと脅される
転職エージェント経由で企業の内定を得たものの、希望と違ったり、他の転職エージェントで応募した求人の方を優先したくなるときは、しばしばあります。
ところが、悪質な転職エージェントの中には、こちらが内定を辞退しようと連絡しても「内定辞退はできない」「損害賠償を請求する」などと脅してくるところもあります。
内定辞退は労働者の権利です。憲法には「職業選択の自由」が定められており、内定辞退を拒否すること自体、違法です。
「内定」は「始期付解約権留保付労働契約」といい、労働契約の一種とされています。
民法では、労働契約は労働者側が退職(内定辞退)を申し出てから2週間で契約を解除できると定められています。
企業や転職エージェントはどのような理由でも内定辞退を拒否することはできません。損害賠償も「損害」を実証することは困難ですので、請求されることはありません。
詳しくは以下の記事で解説しています。
内定辞退はできる?内定辞退を伝える4つのコツ・メール例文も最後に
この記事では、転職エージェントの裏事情を解説しました。裏事情が引き起こすトラブルについても紹介しました。
知り過ぎて悪い印象になった人もいるかもしれませんが、上手に活用すれば、転職活動がより効率的にできます。
何よりも一人で悩まず相談できる人がいるというのは転職活動をする上で非常に大きな支えになります。
日本は人手不足が深刻化しています。日本銀行の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、主要28業種のうち約4割の11業種で人手不足との結果が出ています。
転職エージェント業界の最大手リクルートキャリアによると、3月の転職求人倍率は1.77倍です。職種別の求人数は前月比で34職種中11職種が増加しています。
転職エージェントに高い手数料を支払ってでも良い人材が欲しいという結果が如実に出ているのです。今が転職する最高のチャンスです。
転職エージェントの裏事情を知ったあなたなら、有利に転職活動が進められ転職成功率もアップするでしょう!