日本銀行は、日本の中央銀行として経済を根幹から支えるために作られた組織で、「日本銀行法」に定められている認可法人です。
金融業界への転職を考えている人の憧れであり、一度は働いてみたいと思った人も多いのではないでしょうか。
日本銀行は、中途採用をHPで行っており、定期的に募集をかけていますが、応募者数がかなり多いため、転職難易度は高いです。
また、日本銀行は、一般の企業とは違うため、転職エージェントが求人を持っている可能性は低いです。
金融業界に特化した転職エージェントに登録をして、受かるためのノウハウを教えてもらって転職するのが、効率的と言えるでしょう。
この記事では、日本銀行の基本情報から、転職方法まで詳しく解説しています。
記事の最後では、日本銀行への転職におすすめな転職エージェントも紹介しているので、合わせてチェックしてみてください。
目次
各エージェントに「良い転職先があれば、すぐに転職したい」と伝え、優先的にサポートしてもらう。
担当者との相性を確認しながら本命のエージェントを1社に絞り、本格的な転職活動を開始する。
日本銀行への転職は可能?データから難易度を検証
まずは日本銀行への転職の難易度はどの程度かを見ていきましょう。
公開求人はある?
公開求人とは、公式ホームページで募集している求人のことです。公開求人は誰にでも自力で応募できるのが特徴です。
日本銀行の公式ホームページでメニューボタンから「日本銀行について」を開くと採用情報があります。こちらに新規採用や中途採用の求人情報があります。
求人情報は随時更新されているのでまずはここで情報収集すると良いでしょう。
現在の中途採用はどんなのがあるの?応募資格は厳しい?
日本銀行ではどのような中途採用が行われているのでしょうか。現在掲載されている募集情報を以下にまとめておきました。
中途採用の募集情報
総合職 | システムエンジニア | 庶務職員(警備) | 庶務職員(自動車運転員) | 金融市場の調査・分析担当者(有期限職員) | |
---|---|---|---|---|---|
業務内容 | 金融政策の企画・立案や銀行券発行などの中央銀行業務 | システム開発・設計・構築に関連する業務 | – | 自動車運転(普通車・大型車) | 金融市場の調査・分析などに関する業務 |
応募資格 | 専門卒以上 | 専門卒以上、3年以上のシステムの企画・設計・開発経験 | 高卒以上 | 高卒以上、大型自動車運転免許(入行までに取得していること) | 大学卒以上、金融市場の調査・分析業務の実務経験または専門知識を有すること |
歓迎スキル | 金融工学、マーケット関連実務、国際金融実務など | 業務遂行に必要なITスキル | – | – | 金融市場の調査・分析にかかわる経験・知識 |
若干名の募集となっていて、中途採用の求人数はそれほど多くないようです。また、職種によって応募資格に違いがありますので気をつけましょう。
これだけでは情報が少ないため新卒採用の内容についても調査してみましょう。
新卒採用
総合職 | 特定職(業務分野特定) | 特定職(専門分野特定) | 一般職 | |
---|---|---|---|---|
応募資格 | 専門学校卒業以上 | |||
業務内容 | 日本銀行の政策・業務運営全般 | 以下のいずれかの業務
| システムエンジニアリング、経済、法律などの専門知識を生かした担当領域に関する業務 | データ管理、統計作成など実務業務全般 |
就業先 | 全国の本支店、海外駐在員事務所、国際機関 | 全国を8つに分けた地域ブロック内の支店・事務所、本店(府中電算センター、戸田発券センター含む) | 原則本店(府中電算センター、戸田発券センター含む) | 入行した本支店・事務所 |
転勤 | あり | エリア内でのみあり | – | 同意なく転居が必要となる転勤なし |
新卒採用は上記のコースでの募集を行っています。コースの併願はできないようになっており、転勤の有無や勤務先に違いがあります。
一般職の募集店は年によって違いますので注意が必要です。
採用実績
採用実績は増加傾向にあるようです。直近の実績をみると毎年150名前後の採用がされています。内訳は総合職:30名前後、特定職:50名前後、一般職:70名前後です。
採用は全国の大学・短大などから幅広く採用しており、学部の指定はありません。
ただし、近年の採用実績では総合職、特定職に関しては7割から8割が文系出身者となっていましたのでコースによっては文系の方が有利といえるかもしれません。
日本銀行が求める人材とは?
日本銀行が求める人材像とはどのようなものなのでしょうか。公式ホームページでは以下のように記載されています。
- パブリックな仕事に対する情熱と誇りを持てる人
- 知的好奇心を持つとともに、他人の意見に耳を傾ける柔軟性、バランス感覚を持つ人
- 新たな課題に対し、常に挑戦し続ける気概と必要な施策を成し遂げていく実行力を持つ人
日本銀行はその業務内容もさることながら、組織のあり方も他にはない独自の存在です。
その業務内容から「銀行の銀行」ともいわれる日本銀行ですので、日本経済の発展を担っている根幹の組織の一員として公的な視点や考えが重要です。
日本銀行の業務内容や職場環境は?
次に日本銀行の業務内容や職場の環境はどのようなものかを見ていきましょう。メガバンク3行と比較した平均年収もご紹介します。
日本銀行の基本情報
日本銀行は日本銀行法のもとに定められた組織で、株式会社でも政府の機関でもありません。
1882年に業務を開始し、以降一貫して時代の流れに合わせながら日本経済を適切に発展させるための存在として独自の業務にあたっています。
日本銀行の概要
名称 | 日本銀行 |
---|---|
設立 | 1882年(明治15年)10月10日 |
資本金 | 1億円 |
本社 | 東京都中央区日本橋本石町2-1-1 |
TEL | 03-3279-1111(代表) |
代表者(総裁) | 黒田 東彦 |
主な業務 | 紙幣の発行、決済に関するサービスの提供、金融政策の運営、金融システムの安定に向けた取り組みなど |
従業員数 | 4,653名 |
事務所 | 本店、支店32カ所、国内事務所14カ所、海外駐在員事務所7カ所 |
日本銀行の目的と業務内容
日本銀行は物価の安定、金融システムの安定を目的とし、付随する業務を行っています。
よく言われるところでは紙幣の発行をして国民がお金をいつでも使用できる状態を維持することがあげられます。
国民がお金を預けたり引き出したりするのは近所の銀行や信用金庫ですので日本銀行は各金融機関の紙幣が足りない状態にならないよう努めています。
その他にも、金融政策、決済業務企画、リサーチなど幅広い分野の業務を行い日本経済を支えています。
紙幣の発行
日本銀行は、日本で唯一紙幣の発行をしています。金融機関との間で紙幣の受払をし、受け入れた紙幣の鑑査(枚数の計査、真偽の鑑定、再利用可能性の判別)など、紙幣の信認を確保するための業務を行っています。
決済に関するサービスの提供
金融機関から当座預金を受け入れ、当座預金の振替によって金融機関の間の資金決済を行うシステムの提供、また国債振替決済制度など国債の決済システムの提供を行っています。
決済の仕組みや方式などの改善に向けた取り組みや、日本銀行以外の主体が提供する決済システムのモニタリング・評価・改善に向けた働きかけなどを行っています。
金融政策の運営
金融市場に従い、日々の金融調整の金額や方法を決定し、資金の供給や吸収を行っています。
金融システムの安定に向けた取り組み
金融システム(お金の受払や貸借りを行う仕組み)が正常に機能し、企業や個人の安定して利用できる状態を確保するために金融機関に対し、業務運営の実態や各種リスクの管理状況などを把握するための調査を行っています。
その他にも「国の事務の取扱い、対政府取引に関する業務」や「国際業務」など幅広い業務を行っています。
平均年収
キャリコネで調べた結果、日本銀行の平均年収は約582万円だということがわかりました。
日本銀行にはライバル企業といったものは存在しません。しかし、比較材料としてここではメガバンク3行をあげてそれぞれの年収を比較してみたいと思います。
メガバンクとして知られるみずほ銀行では約585万円、三井住友銀行が約553万円、三菱UFJ銀行は約526万円でしたので、日本銀行の平均年収は高めだといえるでしょう。
日本銀行とメガバンク3行で働く20代、30代、40代の世代別の最高年収と平均年収を調査して表にまとめました。
20代最高年収 | 30代最高年収 | 40代最高年収 | 平均年収 | |
---|---|---|---|---|
日本銀行 | 約976万円 | 約1,280万円 | 約937万円 | 約582万円 |
みずほ銀行 | 約990万円 | 約1,158万円 | 約1,490万円 | 約585万円 |
三井住友銀行 | 約996万円 | 約1,490万円 | 約1,656万円 | 約553万円 |
三菱UFJ銀行 | 約1,010万円 | 約1,662万円 | 約978万円 | 約526万円 |
残業時間に関しては平均で26.2時間と他の3行(みずほ銀行29.8時間、三井住友銀行32.5時間、三菱UFJ銀行26.8時間)よりも少なく、有給取得率は平均66%(みずほ銀行61%、三井住友銀行67%、三菱UFJ銀行63%)とやや高めになっていました。
調査結果をみてみると、業界内では残業時間はあまり多くなく、有給取得率も高めといえそうです。年収は他業界と比較すると高めといえるでしょう。
さらに参考情報として新卒採用の勤務条件をまとめて表にしました。
新卒採用勤務条件(2019年度予定) | |
---|---|
勤務時間 | 原則8時50分から17時20分(部署によってフレックスタイム制あり) |
初任給 |
|
賞与 | 年2回(1年目は年1回) |
休日・休暇 | 完全週休2日(土・日)、1月2日・3日および12月31日、祝日、有給(10日から21日)、特別休暇 |
海外勤務 | 海外駐在員事務所勤務、国際機関(IMF、BISなど)への派遣 |
福利厚生
次に日本銀行の福利厚生はどのようになっているか調査しました。キャリコネで多くみられた口コミをご紹介いたします。
- 出産・育児・介護の理由で退職する人はほとんどいない
- 福利厚生は縮小傾向でほとんどないに等しい
- 転勤が多いので全国各地に独身寮・家族寮が用意されている
この他には年一回人間ドックが自己負担1割程度で受けられることやカフェテリア制のポイントが提供される、という口コミもありました。
公式サイトで調査してみると福利厚生についての記載は特にありませんでした。以前は保養所を独自に保有するなど充実していたようですが、現在はすべて売却済みとなっているようです。
目立つ福利厚生はありませんでしたが、出産・育児や介護に対する理解があり制度もしっかりと整っていることは分かりました。
時短勤務やフレックス制度の取得など柔軟に対応してくれるそうで働きやすさという点では良い口コミも多くありました。
日本銀行の職場環境は?
キャリコネの社員のリアルな口コミをもとに社風・やりがいなどを調べてみました。こちらも口コミを調査しましたので、参考にしていただければ幸いです。
社風・評価
- 年功序列・前例踏襲主義
- 男女による差はなく女性にとっても働きやすい
- プライベートでの干渉は少なく和気あいあいというよりはドライ
という口コミが見られました。
職場環境はいわゆる歴史のある日本企業らしく、年功序列で前例を重んじる体質のようです。
見方を変えると日本銀行は一般的な株式会社とは異なり自社の利益を追求する組織ではありません。
全体の調和を保つためには革新的や挑戦することだけではなく、これまでの流れをくみ取りながら業務を行う必要があるといえるでしょう。
やりがい
- 公共性が高く、中央銀行という業務や金融関連のシステムを取り扱えること
- 仕事がつらいだけで面白いと感じない
- 中央銀行ゆえに物価の安定や決済システムの安定などの仕事につける
などの口コミが見られました。
口コミの中には「経済の分析を楽しめるようなエコノミストであれば特にやりがいを感じる」とありました。
ベンチャー企業のようなスピーディーでクリエイティブな環境とは異なりますので、業務に物足りなさを感じている方も多くいるようです。
一方で唯一の中央銀行としての他にはないやりがいがあるとの声もありました。
日本銀行への転職を成功させる方法
日本銀行への中途採用はどのようなスケジュールとなっているのでしょうか。ここでは総合職を例に転職の流れをご紹介します。
<総合職の応募の流れ>
応募画面(キャリア採用登録フォームへリンク)から応募者情報を送信
メールアドレスに記載されたURLからログインし、応募書類を作成のうえ、以下の応募書類を送信
<応募書類>
- 職務経歴書(600字以内)
- 志望動機書(1,000字以内)
- 小論文(1,000字以内 テーマ:金融・経済に関して自身が課題と感じる問題について、その理由と論点、適当な解決案)
日本銀行の中途採用はほとんど情報がありません。公式のホームページで採用情報があるものの、求人数が少なく転職は簡単ではないでしょう。
また、職務経歴書(600文字)や志望動機書(1000字)の要点をまとめて作成することも簡単ではありません。
あらためて自身のキャリアとスキルや強み、志望動機をまとめて「しっかりと伝わる応募書類」を作成する必要があります。
そこで利用したいのが転職エージェントです。転職エージェントを利用して、より転職を成功に導くためのコツをご紹介したいと思います。
転職エージェントを活用する理由とポイント
転職エージェントとは、キャリアアドバイザーが転職についてさまざまなアドバイスをしてくれるサービスです。ほとんどのサービスが無料で利用可能ですので、ぜひ登録してみましょう。
転職エージェントを使うメリットやポイントについて以下にまとめていますので参考にしてください。
履歴書や職務経歴書の添削を受けることができる
まずはじめに紹介したいのが履歴書や職務経歴書の添削サービスです。日本銀行への応募書類作成に生かすために利用すると良いでしょう。
プロのキャリアアドバイザーのアドバイスをもらって作成することで伝わる応募書類が提出できると言えます。
要点をまとめ日本銀行にアピールできる内容を作れるようにしましょう。
書類添削サービスを利用することで日本銀行だけでなく転職の最初の難関、書類選考の通過率が劇的に変化するでしょう。
面接対策を行ってくれる
次に転職エージェントを利用するメリットは面接対策を行ってくれる点です。模擬面接は転職エージェントから応募し面接日程が決まった後で対策をするという流れになるのが一般的です。
日本銀行のホームページから応募を希望する方は、模擬面接の対応ができない可能性があります。念のため、可能かどうかを相談してみると良いでしょう。
日本銀行だけでなく転職エージェントから紹介された他の求人にも応募する場合には対応をしてくれるかもしれません。
アピールの仕方、キャリアの伝え方をキャリアアドバイザーから学べるのは大きなメリットとなり、その後の転職活動にも役立つことでしょう。
非公開求人を紹介してもらえる
転職エージェントに登録することで、各エージェントのみが保有する非公開の求人情報を紹介してもらうことができます。
これは転職エージェントを利用する最大のメリットとも言えるでしょう。転職エージェントに日本銀行の非公開求人が届いた場合に教えてくれる可能性もありますし、好待遇の求人が多いため、他にはない優良求人を紹介してくれます。
非公開の求人情報ですので公開求人よりも応募者数は限られるという利点もあります。
また、転職エージェントを利用して応募をすると、キャリアアドバイザーが企業との間に入ってくれますので、条件交渉を行ってくれるため大変心強いのもメリットの一つです。
複数の転職エージェントに登録
転職エージェントを上手に利用するポイントとして、複数の転職エージェントに登録することをおすすめいたします。
非公開求人は各転職エージェントにより保有している求人が異なります。さまざまな非公開求人を見ることで、自分の条件に合った求人を早く見つけることができるでしょう。
転職のチャンスを広げるためにもいくつかの転職エージェントに登録しましょう。
転職エージェントは何社登録しても全く問題ありません。さらには転職エージェントによってそれぞれ特徴や得意分野がありますので、自分にあった転職エージェントを探すという意味でも複数の登録をおすすめいたします。
日本銀行への転職で必ず登録すべきエージェント・サイト
日本銀行へ転職するために登録しておきたい転職エージェントのご紹介をしていきます。
当社が独自に調査した各エージェントの口コミ・評判も合わせてご紹介していますので、参考にしていただければ幸いです。
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