税理士になりたい人は、税理士の給料相場が気になるのではないでしょうか。
一口に税理士と言っても、税理士事務所所属の税理士や開業している税理士、一般企業で働いている企業内税理士によって年収は違ってきます。
この記事では、税理士の給料について解説し、税理士の年収を年代・職種別に明らかにします。
税理士試験の受験勉強をしながら働く税理士補助や事務員の給料についても説明します。
目次
会計事務所と税理士事務所の違いって?仕事内容や給料に違いはある?
税理士事務所と会計事務所は呼び方が違うだけで、仕事内容や給料に違いはありません。
税理士と公認会計士は仕事内容が異なりますが、どちらも会計業務を行っているため、事務所名を○○会計事務所にしている税理士は数多く存在します。
ちなみに、公認会計士は弁護士に次ぐ難関国家資格であり、年収は税理士を上回ります。
そもそも「会計士」という言葉に特別な定義はなく、税理士や公認会計士、USCPA(米国公認会計士)などの税務や会計の専門家は「会計士」と呼ばれます。
税理事務所や会計事務所の主な仕事内容は、税務書類の作成や税務申告の代理、税務相談などで、給料の詳細はこれから詳しく説明します。
税理士事務所(所属税理士)の給料は安い?年代・性・職種別に徹底調査!
ここでは、税理士事務所で働く所属税理士の給料を年代・性別・職種別に解説し、事務員(税理士補助)や開業税理士、企業内税理士の年収についても言及します。
税理士に特化したデータは公表されておらず、税理士の年収は厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(公認会計士・税理士)」や日本税理士連合会のアンケート調査などを参考に算定しています。
注意点として、年代・男女別の年収は「公認会計士・税理士」の年収になり、高年収の公認会計士の年収も含まれているため、税理士の実際の年収はこれよりも低くなると思われます。
20代
20~24歳の所属税理士
平均年収 | 月収 | 賞与 | |
全体 | 3,800,000円 | 290,000円 | 260,000円 |
男性 | 4,500,000円 | 350,000円 | 250,000円 |
女性 | 2,800,000円 | 210,000円 | 270,000円 |
25~29歳の所属税理士
平均年収 | 月収 | 賞与 | |
全体 | 7,800,000円 | 530,000円 | 1,350,000円 |
男性 | 8,400,000円 | 570,000円 | 1,500,000円 |
女性 | 6,200,000円 | 430,000円 | 980,000円 |
30代
30~34歳の所属税理士
平均年収 | 月収 | 賞与 | |
全体 | 8,000,000円 | 550,000円 | 1,400,000円 |
男性 | 8,200,000円 | 560,000円 | 1,480,000円 |
女性 | 7,400,000円 | 520,000円 | 1,210,000円 |
35~39歳の所属税理士
平均年収 | 月収 | 賞与 | |
全体 | 8,600,000円 | 570,000円 | 1,790,000円 |
男性 | 8,800,000円 | 580,000円 | 1,870,000円 |
女性 | 8,200,000円 | 550,000円 | 1.500,000円 |
40代
40~44歳の所属税理士
平均年収 | 月収 | 賞与 | |
全体 | 9,600,000円 | 590,000円 | 2,490,000円 |
男性 | 9,900,000円 | 610,000円 | 2,600,000円 |
女性 | 9,100,000円 | 570,000円 | 2,270,000円 |
45~49歳の所属税理士
平均年収 | 月収 | 賞与 | |
全体 | 10,700,000円 | 720,000円 | 2,007,000円 |
男性 | 17,600,000円 | 690,000円 | 2,290,000円 |
女性 | 10,900,000円 | 780,000円 | 1,520,000円 |
50代
50~54歳の所属税理士
平均年収 | 月収 | 賞与 | |
全体 | 13,700,000円 | 980,000円 | 1,920,000円 |
男性 | 17,600,000円 | 1,230,000円 | 2,770,000円 |
女性 | 10,700,000円 | 780,000円 | 1,280,000円 |
55~59歳の所属税理士
平均年収 | 月収 | 賞与 | |
全体 | 13,800,000円 | 1,003,000円 | 1,380,000円 |
男性 | 13,000,000円 | 970,000円 | 1,320,000円 |
女性 | 16,200,000円 | 1,220,000円 | 1,560,000円 |
開業税理士
開業税理士の年収はまちまちで、年収300万円以下の人もいれば、年収1億円を超える人もいます。
親の事務所を継いだ人や所属税理士時代の顧客を受け継ぎ、ある程度顧客を抱えて独立した場合だと年収500万円~1,000万円程度は可能ですが、着実に顧客を増やさないと年収アップは望めません。
開業税理士の年収のデータは少なく、開業税理士の平均年収などはわかりませんが、600万円~700万円程度が平均と思われ、努力次第で年収1,000万円以上を目指せます。
税理士補助(事務員)
税理士の国家資格取得を目指して、税理士事務所で働きながら勉強している税理士補助の給料は、一般事務の給料と同程度か少し上回る水準です。
未経験者の給料は20万円前後で、簿記2級以上の資格があると25万円~30万円程度の給料は見込めます。
働きながら勉強するのは大変ですが、税理士の国家資格を取得して所属税理士になると大幅な年収アップが可能です。
企業内税理士
一般企業の経理部などで働く企業内税理士の年収は、勤務先の会社の規模によって大きく異なります。
上場企業の企業内税理士だと年収は600万円~900万円程度で、経理部長や最高財務責任者(CFO)クラスになると、年収1,000万円~1,200万円以上にアップします。
中小企業の企業内税理士は年収500万円~600万円程度で、管理職になると年収600万円~800万円程度です。
税理士事務所のボーナスはいくら?
税理士事務所のボーナス(賞与)は先に説明した所属税理士の年収の一覧表に記載していますが、公認会計士の年収も含まれているため、必ずしも実態を表していません。
税理士事務所に勤務する所属税理士のボーナスは勤務先の事務所規模によって違いがあり、大規模事務所の平均的なボーナスは約150万円、中小の事務所だと約130万円程度です。
給料もそうですが、ボーナスも事務所の規模が大きくなるほど支給額が増加する傾向があります。
税理士事務所の年収は他の職業と比べて安い?高い?
税理士事務所の給料は他の職業と比べるとどうなのでしょうか?
ここでは、税理士事務所の給料を多角的に分析し、税理士事務所の年収は他の職業と比べて安いのか高いのかを明らかにします。
日本人の平均年収
国税庁の平成29年度「民間給与実態統計調査結果」によると、日本人の平均年収は440万7,000円で、正規雇用者の平均年収は503万5,000円、非正規雇用者の平均年収は179万円です。
男女別の平均年収は以下の通りです。
- 男性→545万円(正規雇用者559万9,000円、非正規雇用者236万円)
- 女性→293万1,000円(正規雇用者386万円、非正規雇用者154万1,000円)
税理士事務所の年収ランキングは何位?
厚生労働省の平成29年度「賃金構造基本統計調査」によると、「公認会計士・税理士」の平均年収は1,042万円(40.7歳)です。
「公認会計士・税理士」の平均年収のランキングは次のように、第4位にランクインされています。
順位 | 職業 | 平均年収 |
1 | 医師 | 1,233万円 |
2 | 航空機操縦士 | 1,192万円 |
3 | 大学教授 | 1,051万円 |
4 | 公認会計士・税理士 | 1,042万円 |
5 | 弁護士 | 1,029万円 |
統計上は公認会計士と税理士を同一にしていますが、税理士よりも公認会計士の方が年収は高いです。
税理士事務所の給料は安定している?年収推移を調査
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」による「公認会計士・税理士」の年収の推移は次の通りです。
年度 | 平均年収 | 月収 | 賞与 |
2017 | 10,424,900円 | 691,800円 | 2,123,300円 |
2016 | 8,644,400円 | 604,500円 | 1,390,400円 |
2015 | 7,188,000円 | 475,800円 | 1,478,400円 |
2014 | 7,163,000円 | 413,700円 | 2,198,600円 |
2013 | 8,171,200円 | 546,400円 | 1,614,400円 |
税理士だけでなく公認会計士も含みますが、税理士の給料は安定していると言えるでしょう。
税理士事務所でパートで働く場合の仕事内容は?
税理士事務所でパートで働く場合の仕事内容は、税理士の国家資格の有無で違ってきます。
税理士の国家資格がある人は、税務書類の作成や税務申告の代理、税務相談などを担当し、パートでも仕事内容は所属税理士と同じです。
税理士の国家資格がない人は、税理士の補助業務や電話の応対、その他の雑用などを任されます。
無資格者でも簿記2級以上の資格を持っている人は、より専門的な仕事を任されることが多いです。
税理士事務所に転職したい場合はどうすれば良い?求人はある?
税理士事務所に転職するには、どのようにすれば良いのでしょうか?
税理士事務所で働くには実務経験や資格が大事になってくるため、ここでは、実務経験や資格などにも触れながら、税理士事務所に転職する方法について解説します。
アルバイト・パートなどで実務を積んでおく
税理士事務所で働くには、税務書類の作成の実務を知っておく必要があります。
また、税理士の国家試験に合格しても、2年間の実務経験がなければ税理士登録ができないため、実務経験は必須です。
税理士事務所でアルバイトやパートとして働いた期間も2年間の実務経験にカウントされるので、税理士を目指す方は早めに実務を経験しておきましょう。
アルバイトやパートなら未経験者でも求人はあり、転職エージェントに相談すると最適な求人を紹介してもらえます。
決められた資格を取得する
税理士試験に合格し、税理士登録も終わっていれば、所属税理士として税理士事務所で働くことが可能です。
税理士を目指して勉強中の方は、税理士事務所に転職して税理士補助として働きながら勉強し、11科目中5科目に合格すると税理士になるための資格が与えられます。
税理士試験を受験する前に日商簿記2級を取得する人も多く、日商簿記2級の資格があると実務でも重宝され、税理士試験の受験勉強にも役立ちます。
決められた職歴を積む
税理士になるには税理士試験に合格し、2年以上の実務経験が必要になりますが、税理士試験に合格する前に既に2年以上の実務経験があれば、すぐに税理士名簿に登録できます。
2年以上の実務経験がない人は、税理士試験に合格した後に税理士事務所に就職して、実務経験を積むことが必要です。
税理士になるための実務経験がない人は、転職エージェントに相談すると実務経験を積める税理士事務所を紹介してもらえるので、早めに転職エージェントに相談しましょう。
税理士事務所で働きたいなら、まずは転職のプロに相談しよう
税理士事務所で働きたい人は、転職の専門家に相談するのが一番の早道です。
独力で税理士事務所の求人を探すのはとても大変で、雇用のミスマッチの恐れもあります。
ここでは、税理士事務所の転職に強い転職エージェントを厳選してご紹介します。
マイナビ税理士
マイナビ税理士は、税理士や、税理士を目指して勉強している科目合格者の転職向けの転職エージェントです。
登録すると、税理士の転職専門のアドバイザーによる転職支援を無料で受けられ、転職を成功に導いてくれます。
マイナビ税理士のキャリアアドバイザーは税理士業界の転職に精通し、「転職先の紹介」「応募書類の作成」「面接対策」などで求職者を徹底サポートします。
営業担当のリクルーティングアドバイザーは税理士事務所などと太いパイプがあり、これまで数多くの求職者に対して優良求人を紹介してきた実績があります。
税理士や科目合格者で転職を考えている方は、実績豊富なマイナビ税理士に登録することを強くおすすめします。
マイナビ税理士の公式サイトMS-Japan
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税理士事務所の給料について説明してきましたが、税理士の年収は勤務する税理士事務所の規模によって大きく違ってきます。
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