国税庁の「令和元年分民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は436万円です。
男女別では男性が540万円・女性が296万円ですが、これはあくまで個人年収です。
では、世帯別に見た平均年収は、どれくらいでしょうか。
今回は、年齢・地域・家族構成ごとの世帯年収の平均額に加え、世帯年収ごとの生活レベルの違いについても解説します。
世帯年収を上げるための情報もお伝えをします。今より生活水準を上げるためにも、ぜひ参考にしてください。
目次
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世帯年収の平均は?年齢・地域・家族構成別にまとめ
世帯年収とは生計を共にする人の年収を合計した金額のことです。昨今は共働き世帯が増え、生活費などは1人の収入ではなく世帯年収で考える方が実際の感覚と近い試算ができます。
冒頭で紹介した平均年収は個人単位であるものの、例えば夫婦2人世帯だからと言って全体の平均年収を2倍すれば世帯年収の平均になるとは限りません。
まずは年齢・地域・家族構成別の世帯年収平均をお伝えします。
世帯年収の平均・中央値・手取り
厚生労働省の令和元年「国民生活基礎調査(2019年)」によると、一人世帯や共働き世帯などを含む日本全体の世帯年収は平均552.3万円です。
一方、世帯年収の中央値は437万円です。中央値とは年収を低い順に並べたときに、ちょうど真ん中にくる数値で、「全体を二等分する境界値」と言っていいでしょう。
平均年収の場合、極端に高い年収の人がいると、他は年収が低くても平均値が高くなります。これに対し、中央値は真ん中のデータを取るため、より世間の実感に近い年収が分かります。
平均年収よりも中央値の方が100万円以上低い実態を見ると、一部の高年収世帯が平均を押し上げていることが分かります。
手取りは世帯が単身か扶養家族がいるのかなどで変わってきますが、一般的には年収の75~85%と言われています。
平均世帯年収552.3万円であれば414.2~469.4万円、中央値の437万円であれば327.7~371万円となります。
世帯年収の平均・年代別
次に世帯年収の平均を年代別に検証します。ここでは令和元年の「国民生活基礎調査」から世帯主の年代別で世帯年収をみていきます。
世帯主の年代 | 世帯平均年収 |
20代(29歳以下) | 362.6万円 |
30代(30~39歳) | 614.8万円 |
40代(40~49歳) | 694.8万円 |
50代(50~59歳) | 756.0万円 |
このように、年代とともに世帯年収が上がることがわかります。ピークは50代の756.0万円で最も低いのは20代の362.6万円です。
年功序列や年齢と共にキャリアが積み上がることを考えれば当然でしょう。
特に注目すべきは、20代と30代の年収差で、250万円もの差があります。
20代は1人暮らしのことが多く、手当などの金額が低いことに加え、アルバイトなど正社員に就いていないケースも多いためです。
一方、30代は結婚して収入が増える年代のため、20代に比べて年収が高くなります。
世帯年収の平均・地域別
全国平均の世帯年収は552.3万円でした。次は平均世帯年収を地域別で見ていきましょう。
下表は都道府県別の2人以上世帯の平均年収ランキングです。平成26年全国消費実態調査をもとに算出しました。
順位 | 都道府県名 | 世帯平均年収 |
1 | 東京都 | 769万円 |
2 | 福井県 | 714万円 |
3 | 山形県 | 699万円 |
4 | 愛知県 | 693万円 |
― | ― | ― |
45 | 宮崎県 | 530万円 |
46 | 青森県 | 528万円 |
47 | 沖縄県 | 469万円 |
2人以上世帯の平均年収で見ると、東京都が最高の769万円で、最低額は沖縄県の469万円です。
転職サイトdodaの調査によると、個人の平均年収も最も高いのは東京都の444万円、最も低いのは沖縄県で348万円と、平均世帯年収と同じ結果です。
ただし、東京と沖縄では家賃などの物価が当然異なるため、世帯年収が高いからと言って必ずしも豊かな生活が送れているとは限りません。
世帯年収の平均・家族構成別
世帯年収の平均を家族構成別に見ていきます。
年々共働き世帯が増えており、内閣府によると2019年には専業主婦世帯582世帯に対し、共働き世帯は1245世帯と2倍以上の数です。
総務省の「平成29年家計調査報告」によると、4人家族で専業主婦の世帯の場合、平均世帯年収は603万円です。
一方、共働き世帯(働いているのは夫婦のみ)の場合、平均世帯年収は730万円です。共働き世帯の収入割合は、世帯主が72.5%、配偶者が22.6%、その他収入が4.9%です。
専業主婦世帯と共働き世帯では、年収に約130万円の差があることがわかります。
生活レベルはどう変わる?①世帯年収ごとのデータを公開
世帯年収によって生活レベルがどう変わるのか、気になるところでしょう。ここでは世帯年収による生活レベルの違いを検証していきます。
以下の条件を前提に算出しています。
- 主たる生計者は40歳以上65歳未満
- 専業主婦世帯
- 16歳以上18歳以下の子どもが1人
- 賞与は4ヶ月分
世帯年収 | 手取り月収 | 食費 | 住居費 | 貯金 |
500万円 | 24.8万円 | 6.5万円 | 7.4万円 | 4.9万円 |
600万円 | 29.3万円 | 7.7万円 | 8.7万円 | 5.8万円 |
700万円 | 33.8万円 | 8.9万円 | 10.1万円 | 6.7万円 |
800万円 | 38.0万円 | 10.0万円 | 11.4万円 | 7.6万円 |
900万円 | 41.8万円 | 11.0万円 | 12.5万円 | 8.3万円 |
1000万円 | 45.6万円 | 12.0万円 | 13.6万円 | 9.1万円 |
世帯年収500万円の場合、手取り金額から食費・住居費・貯金を除いた残りは6万円しかありません。
他にも光熱水費や交通費・通信費、子どもの養育費なども必要になり、さらに子どもの進学も考えると、もっと多くの貯金が必要となるかもしれません。
上記の表はあくまで目安ではありますが、ゆとりのある生活をしたいなら、節約して支出を抑えるか世帯収入を上げる必要があります。
生活レベルはどう変わる?②世帯年収ごとの暮らしぶりを公開
世帯年収ごとに生活レベルはどう変わるか、実際の暮らしぶりをTwitterで調査しました。
実際問題、子無しでも世帯年収500万だと、ちょっときつい。600超えて余裕出来て貯金出来てるけど、子供のためなら後100万ちょいくらいは世帯年収上げたいかな。
— Yohei@キャンパーエンジニア(カブ主) (@FREE_CREATORS) February 11, 2020
https://twitter.com/totsuakirei/status/1307736136383512576
国民生活基礎調査によると世帯年収の平均は552.3万円で、平均値以下の割合は61.1%です。日本の世帯の6割が平均未満で、格差が広がっていることが分かります。
平均以下の世帯年収では、ゆとりある生活レベルの実現は難しいでしょう。
世帯年収1000万越えてていまでも1人月5000円だけど、教育費考えたら子供2人でもいっぱいいっぱい。
本当はもう1人欲しかったなー
これ、逆差別じゃない?
一定の学力以上の大学が無料だったら私も3人産んでたよ
税金取るだけ取って、この仕打ち(泣)#世帯年収 #児童手当 #逆差別 #高額納税者は損— 歌うたいBBA (@utautaiBBA) November 6, 2020
東京で生活してると、世帯年収1000万て、子供に満足な教育を受けさせるための最低ラインのような気がしてくるな。もう少し頑張らんと貧困が連鎖しそうで怖い
— ほあんぐ (@mai_ong_hoang) August 18, 2019
世帯年収1000万円超は裕福層のイメージが強いものの、子どもの教育に力を入れようとすると、それでも足りないとのも声が聞かれました。
世帯年収を上げたい!何をすればいい?
ここまで読んで「世帯年収を上げたい」と思った方も多いのではないでしょうか。
節約にも限度があります。少しでもゆとりのある生活をするためには、世帯年収を上げていくことが必要です。
ここからは世帯年収を上げる方法をお伝えます。
副業する?
働き方改革の一環で副業を許可する企業は増えています。新型コロナウイルスの影響で本業の収入が減った世帯も多く、より副業に注目が集まっています。
パーソル総合研究所によると、副業にかける時間は1週間あたり平均10.32時間、副業収入は平均月6.82万円です。
副業収入の階層別内訳を見ると、月5~10万円が23.8%と最も多いものの、月収5万円未満が50%以上を占め、副業では期待しているほど稼げないことが分かります。
また、本業をしながら週10時間以上を副業に費やすのは難しい方もいるでしょう。
副業のデメリットには「過重労働」が指摘されています。体調を崩したり、本業に支障が出てしまっては元も子もありません。
専業主婦をやめて共働きにする?
専業主婦をしていて、働きに出ることを考えている方もいるのではないでしょうか。
世帯収入が同じ額であれば、専業主婦世帯でも共働き世帯でも手取りは変わらないと思われがちですが、実際は異なります。
例えば世帯年収500万円の場合、専業主婦世帯の手取りは391万円です。一方、共働き世帯の手取りは402万円です。(主たる生計者の年収350万円の場合)
手取りで年収10万円もの差が出るのは、日本の所得税が「累進課税制度」を採用しているためです。個人年収が高いほど、高額な所得税を取られます。
つまり、世帯収入が同じなら、共働き世帯の方がより多くの手取りを得られるのです。
ただ、仕事を離れてからブランクがあって仕事復帰するのが不安な方もいるでしょう。不安な方は転職エージェントを頼れば、ブランクがあっても万全の体制でサポートしてくれます。
転職する?
共働き世帯が年収を上げるためには、思い切って転職をすることもおすすめです。
総務省の労働力調査によると、2020年の転職者数は319万人にのぼり、新型コロナが流行する中でも転職市場は活況を呈しています。
現職で昇進を目指すのもひとつの手ではありますが、長い時間がかかるだけでなく、必ず昇進できる保証もありません。
転職の場合、同じ仕事でもこれまでの経験やスキルを活かして年収をアップさせることができます。
世帯年収を上げたいなら転職エージェントに登録するのが最善
仕事復帰したり、転職したりして世帯年収を上げたいのであれば、質の良い転職エージェントに登録しなければ転職に失敗するリスクが高まります。
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この記事では、世帯年収の平均や生活レベルなどの実態に迫ってきました。日本全体の世帯年収の平均は552.3万円、中央値は437万円でした。
世帯主の年代や住んでいる地域によって世帯収入は異なり、世帯収入自体は同じでも専業主婦か共働きかによっても手取りが変わることを紹介しました。
今は生活できていても将来的に子どもに進学をさせる、老後もゆとりのある生活を送る、など将来に向けて備えたい場合、世帯年収を上げていく必要があります。
世帯年収を上げるには、副業する方法もありますが、過重労働になりがちな上、期待しているほど儲かるわけではありません。
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世帯年収を上げて、ゆとりある生活をぜひ手にしてください。