ファイナンシャルプランナーを目指す人の中には、「年収が低いと聞いて不安」「将来的には独立したいけど難しそう」などと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
お金の専門家として男女ともに人気が高いファイナンシャルプランナーですが、資格を取れば誰でも高年収を得られるわけではありません。
この記事では、ファイナンシャルプランナーの年収や、独立の難易度など、ファイナンシャルプランナーの実態を徹底調査します。
目次
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ファイナンシャルプランナーの年収相場は?年代・男女別に調査
一口にファイナンシャルプランナーと言っても、その年収は年代や性別、会社勤めか独立かなどによって変わります。
まずは、それぞれの区分ごとに、ファイナンシャルプランナーの年収相場を紹介します。
ファイナンシャルプランナーの平均年収
ファイナンシャルプランナーの年収に関する調査は定期的には行われておらず、大規模な調査は日本FP協会が2011年に行った「ファイナンシャル・プランナー業務調査」が最新です。
この調査によると、2010年の日本FP協会会員の平均年収は305.3万円です。
また、求人サイトの転職ボックスに掲載されている求人から算出されたファイナンシャルプランナーの平均年収は、392万円でした。
このことから、ファイナンシャルプランナーの年収相場は300万円~400万円で、平均年収も300万円台と推測されます。
国税庁の民間給与実態統計調査結果によると、令和元年度の平均年収は436万円なので、ファイナンシャルプランナーの年収は日本の平均と比べてやや低いです。
ファイナンシャルプランナーの年収【年代別】30代・40代・50代
ファイナンシャルプランナーは平均年収が高いとは言えませんが、年代別ではどれだけ年収が変わるのでしょうか。
ファイナンシャルプランナーなどの資格通信教育を行うユーキャンによると、ファイナンシャルプランナーの年収のピークは40代~50代です。
国税庁の民間給与実態統計調査結果と平均年収をもとに算出したファイナンシャルプランナーの年代別の年収は、以下のとおりです。
年代 | 年収 |
10代~20代 | 224万円 |
30代 | 374万円 |
40代 | 426万円 |
50代 | 456万円 |
ファイナンシャルプランナーの年収が年代とともに上がるのは、会社勤めは一般的な社内での昇給、フリーランスは社会経験の豊富さが背景にあると推測されます。
年齢を重ねて社会経験を積んだファイナンシャルプランナーの方が説得力があるという消費者の考えが、プランナーの年収にも反映されているようです。
ファイナンシャルプランナーの年収【業界別】不動産・金融・保険
ファイナンシャルプランナーの年収を大きく左右する要因の1つが、在籍している業界です。代表的なものに、不動産業界、金融業界、保険業界があります。
転職エージェントのパソナキャリアとリクルートエージェントに掲載されている求人のうち、各業界のファイナンシャルプランナーの年収の平均を調べました。
業界 | 平均年収 |
不動産 | 651万円 |
金融 | 545万円 |
保険 | 544万円 |
ファイナンシャルプランナーの年収が最も高いのは不動産業界で、他の金融業界や保険業界と比べると平均年収に100万円以上の差がついています。
不動産業界の年収が高い理由として、不動産売買には巨額のお金が動くため、ファイナンシャルプランナーの責任が大きいことが挙げられます。
ライフプランナーが年収UPするにはFP資格が必須?
ライフプランナーになること自体には資格は必要ありませんが、年収を上げるためにはファイナンシャルプランナーの資格を取得しておくことをおすすめします。
資格を持っていると顧客に安心感を与えられ、結果として営業成績が上がって年収も上がることが期待できます。
ライフプランナーの年収は実績や評価次第で大きく変動します。顧客と信頼関係を築き、満足感を与えられるかどうかが年収を左右するのです。
顧客からの信頼を得る方法はさまざまですが、顧客から見て最も分かりやすい基準の1つが資格の有無です。FP資格はライフプランナーが年収を上げるためには必要です。
実際に、ソニー生命では、ライフプランナーの研修の一環としてFP資格の取得を積極的に支援しています。年収アップのために、FP資格は取得しておくべきでしょう。
ファイナンシャルプランナーの年収【男性・女性別】
ファイナンシャルプランナーの年収について、男性と女性の差を示す明確なデータはありません。
民間の給与は男性の方が女性より高いのが一般的である一方、ファイナンシャルプランナーは女性の方が活躍の場が広いケースもあります。
育児休暇や時短勤務のような女性が働きやすい環境を整備する企業も増えているうえ、家計管理を担う女性に対して、同じ女性の目線から助言できる強みがあります。
ファイナンシャルプランナーは子育てをしながらでも続けやすい仕事です。女性でも男性と同じ程度の年収を稼ぐことも可能です。
ファイナンシャルプランナーの年収【企業所属・独立】
ファイナンシャルプランナーは企業に所属するだけでなく、開業して独立ファイナンシャルプランナーとして活動することも可能です。
独立のメリットは、働く時間と場所を自分の裁量で決められることと、企業所属と比べて年収に上限がなく、自分の努力次第で高年収を狙えることです。
独立ファイナンシャルプランナーの年収の正確なデータはないものの、年収1,000万円を超える人もいれば、年収200万円程度の人もいるなど、年収幅はとても広いです。
一方、企業所属の場合、転職エージェントに掲載されているファイナンシャルプランナーの求人の平均年収は600万円前後です。
年収が安定している企業所属に比べて、独立ファイナンシャルプランナーは大きく稼げることもあれば企業所属よりずっと年収が低くなることもあります。
ファイナンシャルプランナーの年収・副業にしている人の場合
ファイナンシャルプランナーを副業にしている人の年収は、完全出来高制となるため、経験年数や働き方によって異なります。
本業の人ように精力的に取り組めば、独立ファイナンシャルプランナーのように年収数百万円を稼ぐことも可能です。
一方、あくまで副業として取り組むのであれば、年収は50万円から100万円程度が平均的です。
日本FP協会によると、FP資格者が設定している1時間あたりの相談料は、5,000円~1万円が相場です。
仮に1時間5,000円の相談料で1カ月10時間ずつ相談業務を行うと年収は60万円です。副業として行うのであれば年収100万円以下が妥当な額と推測されます。
ファイナンシャルプランナーの収入源は?給料はどこから得ている?
ファイナンシャルプランナーという仕事は知っていても、どういった仕事でどのような収益を上げているのか詳しく分からない人も多いのではないでしょうか。
ここでは、企業で働く場合と独立した場合の2パターンに分けて、それぞれの仕事内容や収入源を紹介します。
企業で働く場合
企業で働くファイナンシャルプランナーの収入には、給料が支払われるパターンと、完全歩合制の報酬を受け取るパターンがあります。
給料が支払われるパターンは、一般のサラリーマンと同様です。企業によっては、固定給に加えて実績に応じた歩合給が支払われることもあります。
完全歩合制のパターンは、保険会社勤務のファイナンシャルプランナーに多いです。営業内容に応じて、歩合制の給料を受け取ります。
歩合制の場合も固定給はありますが、給料制と比較すると低く設定され、契約件数に応じて年収も上がる仕組みです。
給料制と比較して歩合制は高年収が期待できるものの、年収が安定しないデメリットがあります。
就職先はどんな業種・企業がある?
ファイナンシャルプランナーの就職先として代表的な業界は、金融業界、保険業界、不動産業界の3つです。
金融業界では、銀行や証券会社などに勤務します。顧客に対して、金融商品や資産運用、各種ローンに関する説明やアドバイスを行います。
保険業界では、保険会社の営業担当として顧客の相談に乗りながらライフプランに合った保険を紹介します。
不動産業界では、住宅メーカーや不動産仲介会社などに勤務し、住宅を購入する際の住宅ローン提案や相続などの相談に乗るのが主な仕事です。
ほかにも、税理士事務所や公認会計士事務所など、3つの業界以外でもファイナンシャルプランナーが活躍する企業や職場は多くあります。
独立した場合
ファイナンシャルプランナーとして独立した場合の収入源は、相談料と紹介手数料、自社商品や自社サービスによる収益の3種類です。
顧客から支払われる相談料は、1時間あたり5,000円未満から20,000円以上とさまざまですが、相場は5,000円から1万円です。
紹介手数料は、商品を顧客に販売することで商品提供元から得られる報酬です。代表的なものに、保険商品の販売が挙げられます。
これ以外にも、自社商品や自社サービスを開発すれば、販売収益を全て自分の利益にできます。
セミナーを開催したり、顧客と顧問契約を結んだり、ブログを書いて収入を得たりと、独立系ファイナンシャルプランナーの稼ぎ方はさまざまです。
独立したFPが年収1000万円稼ぐことは可能?
ファイナンシャルプランナーが独立するメリットの1つは、年収に上限がないことです。努力次第では、ファイナンシャルプランナーでも年収1,000万円を稼ぐことは可能です。
日本FP協会「ファイナンシャル・プランナー業務調査」(2011年)によると、業務経験15年以上の人のうち、22%が年間収入1,000万円を超えているようです。
独立ファイナンシャルプランナーが年収1,000万円を稼ぐには、新規顧客を開拓し続けなければならないような単価の低い相談料で稼ぐ方法はおすすめできません。
複数の案件や商品を扱って紹介手数料を得たり、顧問契約を結んで定期的に顧問料を得たりする稼ぎ方が、年収1,000万円を目指すファイナンシャルプランナーにはおすすめです。
ファイナンシャルプランナーとして転職を成功させる方法
ファイナンシャルプランナーは平均年収がそれほど高くないものの、高年収の求人も存在します。転職を成功させるためには、「どこで求人を探すか」がとても重要です。
ここでは、ファイナンシャルプランナーとして転職を成功させ、高年収を得るための方法を紹介します。
ファイナンシャルプランナーの求人は自分で応募しないほうがいい
ファイナンシャルプランナーとして転職する場合、求人に自分で応募するのはおすすめできません。自分で応募できる求人は、待遇があまり良くないものが多いからです。
ファイナンシャルプランナーとして転職するのであれば、高年収の非公開求人を保有する転職エージェント経由で転職するのがおすすめです。
非公開求人は年収などの待遇が良く人気の求人が多く、ファイナンシャルプランナーも高年収が期待できます。
さらに、転職エージェントを利用すれば企業との調整など転職に必要な手続きを代行してもらえるので、働きながらでも転職活動を進められます。
ファイナンシャルプランナーとして転職したい人に特におすすめしたい転職エージェントを、独自に集めた利用者の口コミとともに紹介します。
FPにおすすめ①パソナキャリア
パソナキャリアは、人材派遣業界大手のパソナグループが運営する転職エージェントです。
2020年12月現在の公開求人数28,265件のうち、ファイナンシャルプランナーの求人は51件確認できました。
パソナキャリアの魅力は、2020年のオリコン顧客満足度調査の転職エージェント部門で第1位になるほどの満足度の高いサービスです。
転職後に年収アップした人は67.1%と高いため、ファイナンシャルプランナーとして転職して年収アップを目指す人に特におすすめです。
利用者の口コミでも、サポートの手厚さを高く評価する声が多く見られました。
30歳女性・衣料品製造
45歳男性・製造業
FPにおすすめ②リクルートエージェント
リクルートエージェントは、リクルートグループが運営する業界最大手の転職エージェントです。
2020年12月現在、公開求人数は107,059件、非公開求人数は120,564件です。このうち、ファイナンシャルプランナーの公開求人は62件確認できました。
リクルートエージェントの魅力は、最大手ならではの豊富な求人数と、支援実績に裏付けされた質の高いサポートです。
転職後に年収アップした人の割合は62.7%と高く、ファイナンシャルプランナーとして転職して年収アップを目指す人に特におすすめです。
利用者の口コミでも、豊富な求人量を高く評価する声が多く見られました。
46歳男性・インフラSE
26歳女性・アパレル販売員
FPにおすすめ③ランスタッド
ランスタッドは、国内外で人材派遣業を手掛ける外資系企業のランスタッド株式会社が運営する転職エージェントです。
2020年12月現在の公開求人数8,276件のうち、ファイナンシャルプランナーの求人は2件確認できました。
ランスタッドの魅力は、高年収の求人が豊富で、他の転職エージェントが保有していない独自案件を多く保有している点です。
年収1,000万円以上の求人が2,800件以上あるなど高年収の求人が多く、ファイナンシャルプランナーとして転職して年収アップを目指す人に特におすすめです。
利用者の口コミでは、親身なサポートを高く評価する声が見られました。
29歳女性・出版業界
29歳女性・マスコミ関係
これからファイナンシャルプランナーを目指す人が知っておくべきこと
ファイナンシャルプランナーの年収などを説明してきましたが、これからファイナンシャルプランナーを目指す人は、どうすればいいのか不安な人もいるのではないでしょうか。
ここでは、これから資格を取得してファイナンシャルプランナーになりたい人に向けて、知っておきたい情報を紹介します。
ファイナンシャルプランナーの難易度は?
ファイナンシャルプランナーの資格試験には、日本FP協会が実施するものと、きんざいが実施するものの2種類があり、それぞれ3級、2級、1級の3つの難易度があります。
問題の内容はそれぞれ異なりますが、3級の合格率はいずれも70%前後、2級は25~30%と、それほど難易度が高いわけではありません。
ただし、1級は筆記試験の時点で合格率は10%前後と、難易度が大きく上がります。筆記試験の合格者が受験できる実技試験の合格率は90%ほどです。
合格に必要とされる勉強時間は、2級が300時間ほど、1級はその倍の600時間必要と言われています。
ファイナンシャルプランナー1級の資格を取得するのであれば、受験資格である実務経験に加えて、かなりの勉強量をこなすことが必要です。
ファイナンシャルプランナーの試験内容
ファイナンシャルプランナーの試験は、以下の6つの科目から出題されます。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業承継
これら6つの科目は1級から3級まで共通で、級によって習得すべき知識の深さが異なります。
たとえば、3級では出題されない法人関連のテーマが、2級では出題されるなど、各科目で問われる知識は級が上がるごとに増えていきます。
試験は、学科試験と実技試験の両方に合格する必要があります。学科試験は受験する団体に関わらずマークシート方式で、3級は全て選択式、2級と1級は記述式や計算問題も出題されます。
実技試験は団体によって異なり、実践的な知識が問われます。
ファイナンシャルプランナーを副業にするのはおすすめなのか?
近年では、社員の副業を容認する企業も増えていることから、休日などに副業としてファイナンシャルプランナーの仕事をする人も増えています。
しかし、年収アップが目的であるならば、ファイナンシャルプランナーを副業にするのはあまりおすすめできません。
企業に属さないファイナンシャルプランナーの年収は、自発的に行動を起こさないとなかなか上がらないため、副業で始めても労力の割に収入が得られないからです。
資格取得していても、副業では安定して仕事を得られるわけではありません。副業のために2級、1級を目指すのは、労力に見合わないためおすすめしません。
ファイナンシャルプランナーを副業にして稼ぐよりも、転職エージェントを利用して年収アップを目指すことをおすすめします。
ファイナンシャルプランナーの年収まとめ
ファイナンシャルプランナーの平均年収は日本国内の平均年収と比べて高くはないものの、年収1,000万円など高年収を実現している人も少なくありません。
独立すれば年収1,000万円以上も夢ではありませんが、同じファイナンシャルプランナーでも年収格差が大きいのが現状です。
ファイナンシャルプランナーが安定して高年収を得るためには、好待遇の求人を出している企業に転職するのがおすすめです。
好待遇の求人を探す際には、条件の良い非公開求人を多く保有する転職エージェントを利用し、ファイナンシャルプランナー向けの求人を紹介してもらうことをおすすめします。
ファイナンシャルプランナーこそ転職エージェントを上手に活用し、高年収を実現させてください。