キオクシア(旧東芝メモリ)の年収は?年代・職種・役職ごとに徹底調査

キオクシア

キオクシアは、東芝の半導体メモリ部門が分社化されて誕生した会社です。旧社名は東芝メモリで、その後社名変更しています。

キオクシアは海外も含めた半導体売上高のランキングで上位に入る企業で、最先端設備や世界規模の生産能力を持つ拠点を整備するなど、成長拡大に注力しています。

業界大手のため、キオクシアの年収水準や待遇などが気になる人も多いのではないでしょうか。

ここでは、キオクシア(旧東芝メモリ)の年収を年代や職種、役職ごとに徹底調査しました。転職先として検討している人は参考にしてください。

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キオクシア(旧東芝メモリ)の年収は?そもそも会社として大丈夫?

東芝の粉飾決算が発覚後、高収益だった半導体メモリ部門が分社化され、東芝メモリが誕生しました。2019年に社名変更し、キオクシアとなりました。

キオクシアの会社としての安定性にも触れながら、キオクシアの年収について詳しく解説します。

キオクシアとは

キオクシアの旧社名は東芝メモリで、2017年に東芝の半導体部門の分社化により設立されました。2019年に社名変更でキオクシアになりました。

キオクシアとは、日本語の「記憶」とギリシャ語で価値を意味する「axia」を組み合わせた造語です。

東京都港区に本社があり、代表取締役社長は早坂伸夫氏です。従業員規模は単体で約10,000名、連結で約12,000名です。

キオクシアの主力商品はNAND型フラッシュメモリです。NAND型フラッシュメモリは、SDカードなどに使用される比較的安価で大容量の記憶媒体です。

売上高は設立初年度の2018年3月期に1兆1937億円、2019年3月期は7511億円で、半導体売上高シェア国内トップ、世界では9位にランクインしています。

キオクシアの平均年収・賞与・手取り

複数の口コミサイトによると、キオクシアの平均年収は約850万円で、年2回支給される賞与は年間合計で3~3.5カ月分程度です。平均年収の手取り額の試算は約620万円です。

年収は比較的高水準で、他の大手メーカーと比較しても遜色ありません。

一般社員の年収には、基礎給の他に残業代、住宅手当、次世代育成手当(子供手当)などの諸手当と賞与が含まれます。管理職以上は、手当相当分を含む年俸制が適用されています。

基礎給は年齢に比例する年功制の考え方で設計され、年齢が上がるほど月収が高くなります。

ここからは、より詳細に年齢や職種、役職ごとに実際に得られる年収を解説します。

キオクシアの年収【年代別】

キオクシアは年功序列で、年齢が上がるにつれて基本給が上がり、年収も増加していきます。

平均年収(年代別)万円
50代1000万円
40代850万円
30代650万円
20代400万円

大卒1年目の初任給は215,500円で、賞与などを含む年収は約350万円です。大学院修了者の初年度の年収は、大卒より高く設定されています。

20代の平均年収は約400万円(最高約500万円)で、30代の平均年収は約650万円です。

30代の平均年収は20代と比較すると30%以上増加率し、30代で昇進が早い場合は700万円以上の年収を得ている人もいます。

40代の平均年収は800万円を超えます。50代以上は、役職に就くかどうかで年収に大きな差がつき、800万円台後半から1,000万円超の高年収を得ます。

キオクシアの年収【職種別】

キオクシアは技術系総合職、事務系総合職の2職種に大別され、年収幅は以下の通りです。

  • 技術系総合職:350万円(初年度)~1,200万円程度
  • 事務系総合職:350万円(初年度)~1,000万円程度

技術系総合職には、製品やデバイスの技術開発、システムの回路設計、評価解析、顧客向けに技術面の対応を行う各職種があります。

事務系総合職には、マーケティングやプロモーション戦略、営業活動などの営業職、経営戦略、財務・経理、人事、総務、内部監査などの管理部門があります。

どちらの職種も初年度の年収相場は同じで、その後の年収レンジに差が出ます。

キオクシアの年収【役職別】

キオクシアの主な役職(主務、副参事、参事)別年収を紹介します。

平均年収(役職別)万円
参事(部長級)1,200万円
副参事(課長級)1,000万円
主務(係長級)750万円

主務は係長クラスに相当する役職で、昇格時期は30代前半が目安です。主務の年収は750万円程度です。

副参事は課長クラスに相当し、全員が主務から副参事に昇格できるわけではありません。昇進する人は、40代前半~40代半ばが目安です。

副参事の年収は1,000万円程度で、内訳は月収約65万円、賞与約200万円です。

参事は部長クラスに相当す、副参事よりもさらに狭き門ではありますが、参事になれば年収1,200万円程度と高水準です。

モデル年収:キオクシア主務

キオクシア主務のモデル年収は、中途入社から5年以内に開発部門で昇格したケースで約750万円です。月収は約37万円、賞与は120万円程度です。

キオクシアでは、係長に相当する役職を主務と呼んでいます。新卒入社の場合、入社から10年前後の30代前半で主務に昇格する人が多いです。

中途採用で入社した場合、実力次第で入社から3年から5年程度で主務に昇格できるケースもあります。

主務に昇格すると、年収は約1割上がります。キオクシア全体の30代平均年収は約650万円なので、主務に昇格すると年収700万円超も望めます。

キオクシアの年収【学歴別】高卒・大卒でどのくらい違う?

キオクシアでは、4年制大学の学部卒、大学院の修士了・博士了の3区分で新卒採用を行っています。初任給と年収は以下の通りです(諸手当・賞与含む)。

採用区分初任給年収
学部卒215,500円約350万円
修士了239,500円約380万円
博士了286,000円約450万円

2020年4月実績の初任給は、学部卒が215,500円、修士了が239,500円、博士了が286,000円です。

初年度の年収は学部卒で約350万円、修士了で約380万円、博士了で約450万円と、学歴が上がるごとに上昇します。

キオクシアの新卒採用サイトでは高卒採用の募集はしていませんが、キオクシアの生産拠点であるキオクシア岩手は今後高卒採用を本格化する方針です。

キオクシア岩手が高卒採用を強化する背景には、2019年の生産拠点の新設があり、2020年4月にも86人の高卒が入社しています。

キオクシアの年収は高い?同業他社や元の母体・東芝と比較!

キオクシアの平均年収は約850万円と、世間一般では高い水準ですが、半導体企業の中でも高いのでしょうか。

ここでは、半導体メモリ業界の主要企業や、母体であった東芝の年収水準と比較しながら解説します。

キオクシアの年収ランキングは半導体メモリ業界で何位?

キオクシアの平均年収約850万円は、半導体業界の中でも比較的高い水準です。各社有価証券報告書から作成した年収ランキングは以下の通りです。

業界年収ランキング万円
東京エレクトロン1,270円
レーザーテック1,110円
アドバンテスト1,020円
長瀬産業940万円
SCREENホールディングス896万円
キオクシア850万円
日立ハイテクノロジーズ830万円
ローツェ820万円
ルネサンスエレクトロニクス800万円
ニューフレアテクノロジー760万円
東京エレクトロンデバイス740万円

年収ランキングは、上場企業が公開する有価証券報告書に記載された平均年収をもとに作成することが多く、未上場のキオクシアは参考値です。

キオクシアは年収ランキングに当てはめると、半導体業界で5位と6位の間に位置します。

半導体業界の年収ランキング第1位は東京エレクトロンの約1,270万円、次いでレーザーテックの約1,110万円、アドバンテストの約1,020万円と続きます。

4位以下は平均年収1,000万円を切るものの、上位10位までは高水準です。

キオクシアの年収は東芝と比較してどう?

有価証券報告書によると東芝の平均年収は約915万円で、キオクシアの平均年収約850万円と比較すると高水準です。

直近の平均年収はキオクシアより東芝の方が高いものの、東芝の平均年収は業績で大きく左右されます。9500億円もの巨額赤字を出した2016年の東芝の平均年収は711万円でした。

役職別では、東芝の主務(係長級)が約800万円、副参事(課長級)が約1100万円です。キオクシアの主務は年収750万円程度、副参事は年収1,000万円程度ですから、東芝の方が50万円~100万円ほど高いです

キオクシアに転職すべき?転職難易度や口コミを調査!

世界の半導体売上高トップ10にランクインする実力を持ち、年収も高水準なキオクシアへの転職は魅力的です。

転職を検討する上で重要な転職難易度や、実際にキオクシアで働いた経験のある方の口コミを紹介します。

キオクシアに転職するか迷っている人は参考にしてください。

キオクシアの転職難易度・中途採用情報は?

キオクシアのキャリア採用専用ページには求人情報が随時公開されています。人気企業で倍率は高く、特に高度な専門性が要求される技術系の職種を中心に転職難易度は高いです。

一方、キオクシアの大株主である外資系ファンドは規模拡大を強く求めており、記憶媒体の需要も拡大しつづけているため、中途採用で人材確保を急いでいます。

特にスマートフォンに使用するフラッシュメモリなど主力商品の生産・開発に関わる技術系職種では、部門の強化と拡大のために大規模な募集が行われています。

難易度は高いものの、中途採用で入社するチャンスは十分にあります。

キオクシアへの転職を狙うなら、非公開情報を保有し、企業ごとの選考の傾向などを把握している転職エージェントを活用する方が有利です。

キオクシアの良い評判

実際にキオクシアで働く方の口コミによると、会社の将来性や事業内容に魅力を感じることが多いようです。

具体的には「半導体業界で国内シェアトップ」「世界でも戦える競争力がある」点に誇りを持っている人が多く、安定性があり安心して働けると感じている方が多数います。

今後さらに需要が拡大する半導体メモリを扱い、品質・技術ともに最先端の水準であることに将来性を感じて入社を決めた方も数多くいます。

技術系職種の方にとっては、世界レベルの技術に触れながら仕事ができることが、やりがいになっています。

自らが携わった商品が世界的に評価されることは、魅力的な経験となりモチベーションにも繫がるでしょう。

キオクシアの悪い評判

将来性や事業内容に魅力を感じる方が多い一方、社内の仕組みに疑問や不満を感じている方もいます。

具体的には、東芝メモリとして東芝から分社化され、キオクシアとして生まれ変わったものの、社内の人事制度や業務フローは旧来の考え方が根強く残っていることが挙げられます。

人事制度は年功序列の考え方が残り、実力ではなく年齢や残業時間で年収に差がつくことに対し、疑問が寄せられています。

業務フローに対する不満では、担当業務に時間を割きたいのに社内の打ち合わせが多く、残業に繋がってしまう点や、稟議の承認者が多く時間がかかる点が挙げられています。

キオクシアの年収や企業に関するよくある質問

キオクシアへの転職を検討する方なら知っておきたい会社概要などの疑問について解説します。

キオクシアは、近年の需要増加に伴い、生産規模の拡大や生産工程の効率化に注力しています。生産拠点を中心とした国内拠点の特徴と概要を押さえておく必要があります。

キオクシアの国内拠点・所在地は?

東京都港区に本社を置くキオクシアは、岩手県や三重県に国内生産拠点を有しています。岩手県には、キオクシアの記憶媒体の生産を担う子会社「キオクシア岩手」もあります。

キオクシア岩手は、東芝メモリが東芝から分社化されたタイミングで設立された新しい生産拠点です。三重県にある生産拠点は、もともとは東芝の生産拠点として稼働していました。

ここからは、各生産拠点について、設立の経緯や特徴を詳しく解説します。

キオクシア岩手の概要

キオクシア岩手は岩手県北上市にあるキオクシアの子会社で、フラッシュメモリを製造する「キオクシア北上工場」を運営しています。従業員数は約1,000名です。

2017年に東芝メモリが東芝から分社化されたタイミングで、東芝メモリの新規製造拠点の運営会社として設立されました。

当初は東芝メモリ岩手として設立され、キオクシアの社名変更に合わせてキオクシア岩手に名前を変えています。

キオクシア四日市工場の概要

キオクシア四日市工場(三重県四日市)は、最先端設備を導入している世界規模の生産拠点です。1992年に東芝のメモリ製品の量産拠点として発足しました。

四日市工場は設置当初、記憶媒体である64メガDRAMの生産増大などで拡大しましたが、2001年のIT不況の影響などで一時は規模縮小を余儀なくされました。

その後、カメラ付き携帯電話の普及などによってNAND型フラッシュメモリの需要が爆発的に増えたため、再度生産規模を拡大しています。

現在は、発足当初と比較して従業員規模は30倍以上の約5,000名、生産高は約45倍に拡大しています。

キオクシア北上工場の概要

キオクシア北上工場は四日市工場に次ぐ2か所目の生産拠点として、2019年10月に岩手県北上市に設立されました。800名程度の従業員規模ですでに稼働を開始しています。

キオクシア北上工場では、スマートフォンや自動運転車の普及によって需要拡大が見込まれる3次元NAND型フラッシュメモリを製造します。

生産効率を上げるために導入した人工知能など、最先端設備があることでも注目されている生産拠点です。

キオクシア北上工場の設立に伴い、キオクシア岩手は採用を強化しており、2020年4月には本格的な量産開始に向けて131名の新入社員を迎え入れました。

キオクシアや半導体業界で年収を上げるなら転職エージェントへ登録が必須

キオクシアは半導体メモリ業界でシェアトップ企業であり、商品力や企業の将来性の面で非常に魅力的な企業です。

年収水準の高い半導体業界の中でも、キオクシアの年収水準は比較的高く、半導体メーカーへの転職を考えている方にとっては、応募を検討すべき企業です。

魅力が高いため求人に対して応募者が多く、転職難易度は高いものの、中途採用を積極的に展開しており入社のチャンスは大いにあります。

転職難易度の高い半導体業界への転職には、転職エージェントが活用が必須です。キオクシア公式の中途採用ページよりも詳しい情報が得られ、多様な求人の中から希望に合った求人に出会えます。

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