中小企業診断士の年収は?独立/勤務/副業別に現実を徹底調査!将来性も考察

中小企業診断士は、中小企業の経営をコンサルティングする能力を示す唯一の国家資格です。

経済産業省の「経済センサス活動調査」によれば、日本の企業の約99.8%が中小企業です。中小企業診断士が活躍できる場は非常に多いです。

この記事では、そんな中小企業診断士の年収を独立・勤務・副業など働き方別に徹底調査していきます。

中小企業診断士の将来性についても触れます。これから中小企業診断士を目指す方も参考にしてください。

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中小企業診断士の年収は?年齢・独立/勤務/副業別にまとめ

企業経営に関する高い専門性やスキルが要求される中小企業診断士の年収について、様々な角度から調査をします。

年齢や独立・勤務・副業などの働き方別にまとめました。中小企業診断士の年収実態を把握しておきましょう。

中小企業診断士の平均年収・中央値

中小企業診断士の年収について、一般社団法人中小企業診断協会が会員の中小企業診断士を対象に行ったアンケート調査の結果は以下のとおりです。

年収回答数割合
300万円以内49名8.9%
301万~400万円46名8.3%
401万~500万円55名10.0%
501万~800万円110名19.9%
801万~1,000万円82名14.9%
1,001万~1,500万円104名18.8%
1,501万~2,000万円50名9.1%
2,001万~2,500万円20名3.6%
2,501万~3,000万円12名2.2%
3,001万円以上24名4.3%

年収501万~800万円の割合が最も多く、全体の2割を占めています。さらに、全体の約4割が年収1,000万円以上です。

調査対象者の年収階層と人数から単純計算で中小企業診断士の平均年収を求めると、1029万円になります。

ただし、調査対象人数が少なく、ボリュームゾーンから推定すると年収800万円くらいとみられます。

国税庁の調査によれば、日本の全給与所得者の平均年収は436万円です。中小企業診断士の平均年収は、日本の平均年収よりはるかに高い水準です。

中小企業診断士の年収・年齢別

現役の中小企業診断士を対象としたアンケート調査によれば、中小企業診断士の年齢構成は以下のとおりです。

年齢回答数割合
20代11名0.6%
30代195名9.8%
40代457名22.9%
50代580名29.1%
60代509名25.6%
70代以上236名11.8%

高い専門性やスキルが要求される国家資格とあって、40代~60代が全体の8割を占めています。

中小企業診断士の年齢別年収については公開されているデータがなかったため、ネットの口コミを参考に年齢別の推定年収をまとめました。

年齢推定年収
20代270万〜330万円
30代380万〜425万円
40代500万〜570万円
50代570万〜615万円
60代400万〜500万円

企業経営に関するコンサルティングという業務内容から、一定のマネジメント経験・経営実績を積んだ40代~50代が最も平均年収が高くなるようです。

中小企業診断士の年収・働き方別(独立/企業勤務/副業)

中小企業診断士として独立開業した場合、年収は個人により大きく開きがあるようです。公式な年収データは見つけられなかったため、ネットの口コミを以下にまとめます。

  • 年収1,000万円や2,000万円を超えている中小企業診断士はそれなりにいる
  • 独立1年目の年収は400万円程度だった
  • 民間支援業務の割合を高めていけば、年収3,000万円も夢ではない

中小企業診断士が独立して安定した収入を得るには、一定の経験と実績が必要になりそうです。引き受ける仕事の内容によって、年収に大きな差が生じているようです。

企業勤務の場合の年収は、大手転職サイトdodaの掲載求人例によると以下の通りです。

企業名仕事内容想定年収
株式会社アタックス組織・人事コンサルタント410~520万円
みらいコンサルティング株式会社税務・財務コンサルタント500~800万円
株式会社NIコンサルティング経営コンサルタント520~650万円

企業や仕事内容によりバラつきはあるものの、500万円以上の年収は得られるようです。

中小企業診断士の資格を活かした副業はいくつか挙げられますが、平日夜や休日のみで手軽にできそうなものを紹介します。

  • 中小企業診断士試験のテキスト作成
  • 記事の執筆・連載
  • ブログの運営

副業の内容や報酬単価によりバラつきが生じますが、ネットの口コミを参考にすると年間20~30万円程度の収入を得るケースが多いようです。

中小企業診断士は儲からない?年収の現実を口コミから調査

中小企業診断士の年収についてTwitterからリアルな声を集めました。

独立して早々に年収1,000万円に到達するケースや、年収1,000万円を大きく上回る人の事例が紹介されています。

中小企業診断士の資格は副業や会社での出世にも役立つようで、資格取得によって年収がアップする事例もあるようです。

中小企業診断士の将来性は?

中小企業診断士協会が実施した、中小企業診断士のコンサルティング需要に関するアンケート結果は以下のとおりです。

中小企業診断士の需要は?回答数割合
伸びると思う472名25.9%
徐々に伸びると思う658名36.1%
変わらないと思う474名26.0%
徐々に減少すると思う155名8.5%
減少すると思う62名3.4%

現役の中小企業診断士の約6割が「今後需要が伸びる」と前向きな予想をしています。

今後需要が伸びると予測する理由の一部を紹介します。

  • 新分野進出、新規創業、事業再生など戦略的支援の要請が高まるから
  • 経営環境の厳しさから、よりレベルの高い経営力が必要となるから
  • 販路開拓などマーケティング活動の高度化の要請が高まるから

中小企業診断士への期待は、今後さらに高まっていくと考えてよいでしょう。

中小企業診断士として年収を上げる方法

中小企業診断士として活躍するためには、企業勤め以外にも独立開業する・副業として取り組むなど様々な手段があります。

ここでは、中小企業診断士として年収アップを狙うための方法を検証します。

そもそも中小企業診断士になるには?難易度は?

中小企業診断士になるには、一般社団法人中小企業診断協会が主催する試験に合格する必要があります。以下のように、試験は大きく3つのステップに分かれています。

試験の種類内容
1次試験企業経営やコンサルティングに関する基礎知識を問う
2次試験企業の問題点について回答する筆記+口述試験
実務補習・実務従事2週間程度のコンサルティング業務の実践

中小企業診断協会が公表している、中小企業診断士試験の合格率の推移は以下のとおりです。

試験実施年度合格率(1次試験)合格率(2次試験)
令和元年度30.2%18.3%
平成30年度23.5%18.8%
平成29年度21.7%19.4%
平成28年度17.7%19.2%
平成27年度26.0%19.1%

年度によりバラつきはありますが、中小企業診断士試験は1次試験・2次試験を通算して4~5%程度しか合格できない難関です。

独立開業して年収を上げる?

ネットの口コミから、中小企業診断士として独立開業するメリット・デメリットをまとめます。

メリットデメリット
  • 成功すれば高収入が狙える
  • 自由に働くことができる
  • 企業から頼られる存在になる
  • やりたい仕事を追求できる
  • 収入が安定しない
  • 今の仕事をやめなければならない
  • 一人で背負う責任が大きい
  • 仕事以外の作業もやらなければならない

中小企業診断士協会が現役の中小企業診断士を対象に実施したアンケートによると、独立予定がない理由として多かった意見は以下のとおりです。

  • 受注機会の確保が難しいと思うから
  • 収入が安定しないから
  • 現在に比べ、収入が低下するから

独立開業で確実に年収が上がることはなく、収入が安定しないリスクが付きまといます。やりたいことや自由な働き方を求める方は、独立開業を検討してもよいでしょう。

転職して年収を上げる?

企業の経営に関する高い専門性やスキルを要する中小企業診断士は、転職市場における価値は高いと言われています。

中小企業診断士として年収アップを狙うのであれば、転職が最も確実でおすすめです。

ネットの口コミから、中小企業診断士が転職するメリット・デメリットを以下にまとめます。

メリットデメリット
  • 年収や条件など明確な希望が提示できる
  • 人事評価をリセットできる
  • やりたいことや夢を追求できる
  • 書類作成や情報収集に時間を要する
  • 新しい環境に慣れるまでの苦労
  • 退職金や企業年金が少なくなる

「年収や労働条件などの待遇面を改善したい」や「キャリアアップしたい」という希望があるなら、転職するのが良いでしょう。

仕事を続けながらの転職活動はやることも多く大変ですが、転職を支援するサービスを活用することでその悩みは解消できます。

転職エージェントに相談するのが最も確実

ネットの口コミを参考に、転職エージェントに相談するメリットをまとめてみます。

  • 無料で相談・利用できるので損はない
  • 職務経歴書の書き方などについてアドバイスがもらえる
  • 明確なビジョンがなくても、自分のなりたい姿を見つけるサポートをしてくれる
  • 書類選考や面接の通過率が高まる
  • 転職エージェントのみに公開されている求人も紹介してもらえる可能性がある
  • 年収や労働条件などの交渉・調整を引き受けてくれる

以下で紹介する転職エージェントは、転職支援実績が豊富でユーザーからの評価も高い優良転職エージェントばかりです。

いずれも無料で利用できます。自分の希望や条件に見合う求人がないか探してみましょう。

パソナキャリア

パソナキャリア

パソナキャリアは、2020年のオリコン顧客満足度調査で1位を獲得した優良転職エージェントです。25万人以上の転職を支援した実績と豊富な求人数が強みです。

2020年12月時点で中小企業診断士の資格が必要、または資格を持っていると有利に働きそうな求人が20件程度公開されています。その一部を抜粋して紹介します。

企業名仕事内容想定年収
社名非公開中小企業の企業再生800~1,200万円
株式会社AGSコンサルティングシステム導入コンサルティング400~1,000万円
株式会社ネクストビート経理責任者500~840万円

パソナキャリアに会員登録すれば、より好条件の非公開求人を紹介してもらえる可能性があります。

パソナキャリアの公式サイト

リクルートエージェント

リクルートエージェント

リクルートエージェントは、業界最大手のリクルートグループが展開する転職支援サービスです。10万件を超える圧倒的な求人数と実績豊富なアドバイザーが強みです。

2020年12月時点で、中小企業診断士の資格保有者向けの求人は45件公開されています。さらに非公開求人は130件を超えています。以下でその一部を紹介します。

企業名仕事内容想定年収
株式会社アタックス経営コンサルタント360~900万円
株式会社不二工機戦略人事(人事制度企画)500~600万円
経営戦略研究所株式会社経営コンサルタント600~800万円

リクルートエージェントに登録すれば、上記の公開求人以外に非公開求人も紹介してもらえる可能性があります。年収1,000万円超の求人もあるようなので、詳細を確認してみましょう。

リクルートエージェントの公式サイト

ランスタッド

ランスタッド

ランスタッドは、オランダで設立され、今では世界39の国と地域に展開する外資系の転職エージェントです。

日本国内にも複数の拠点があり、日系企業のグローバル案件なども多数取り扱っています。

2020年12月時点で、中小企業診断士の資格を活かせる求人が13件公開されていました。その求人の一部を抜粋して紹介します。会員登録すれば、社名も確認できます。

求人概要職種想定年収
経営コンサルタント戦略コンサルタント400~660万円
エンタメ業界コンサルタント会計コンサルタント450~800万円
化粧品メーカー財務経理財務・会計・税務・経理600~750万円

ランスタッドが保有する求人は非公開求人が8割に上ります。会員登録すれば、より希望に近い非公開求人を紹介してもらえる可能性があります。

ランスタッドの公式サイト

中小企業診断士として超高年収を実現している人の事例は?

現役の中小企業診断士を対象に実施したアンケート結果などから、中小企業診断士の平均年収は800万円程度と推測され日本の平均年収436万円を大きく上回る水準です。

一方、中小企業診断士の平均年収をはるかに上回る高年収を実現している中小企業診断士もいます。以下で事例を紹介します。

中小企業診断士で年収2000万もらっている人はいる?

中小企業診断士を対象に実施したアンケート結果では、年収2000万円を超える中小企業診断士は回答者全体の1割程度です。

中小企業診断士の年収に関する2chへの書き込みの一部を紹介します。

  • 今はだいたい年収2500万~3000万位で推移してる
  • 診断士の業務形態を知ってれば、年収2000万だろうが自宅でも余裕だぞ
  • 開業3年目、全国とびまわっていてほぼ毎日働いているが、年収2000万円程度。これ以上はきつい感じ
  • 年収2000万の診断士って、いくらでもいるんじゃない
  • 年収は2300万円台かな

2chの書き込みを見ても、年収2,000万円を超える中小企業診断士はかなり存在するようです。

中小企業診断士で年収3000万もらっている人はいる?

上の項目と同じアンケートによれば、年収3000万円を超える中小企業診断士は全体の4.3%です。

中小企業診断士の年収に関する2chへの書き込みの一部を紹介します。

  • どの地域でもトップレベルは年収3000万円超だろうから
  • 年収3000万円公言してる診断士が実在している
  • セミナー講師で年収3000万を見たことがある

2chへの書き込みを見ても、年収3,000万円を実現している中小企業診断士はいるようです。

中小企業診断士で年収1億もらっている人はいる?

上記のアンケートでは、「年収1億円」とする回答項目はなく、統計的なデータは不明です。中小企業診断士の年収に関する2chへの書き込みの一部を紹介します。

  • 全国とびまわっていてほぼ毎日働いているが、年収2000万円程度。これ以上はきつい
  • 中小企業診断士のトップレベルとなると年収3,000万円程度と聞く。

2chの書き込みを見る限りでは、中小企業診断士の仕事のみでは年収2,000~3,000万円程度が限界のようです。

Twitterには、中小企業診断士の資格を副業で活用する事例が掲載されています。

https://twitter.com/ken_sbloger/status/1175924867125796867

本業の収入を得ながら中小企業診断士の資格を活用した副業を行えば、年収1億円を実現できる可能性もありそうです。

中小企業診断士の年収まとめ

中小企業診断士の平均年収は800万円程度とみられ、日本の平均年収より2倍の水準です。

現役の中小企業診断士の約4割が年収1,000万円以上というアンケート結果もあり、高年収が期待できる職業です。

市場の変化が激しく、より高い専門性が求められる今後の企業経営にとって、中小企業診断士への期待はさらに高まると予想されます。

難関試験を突破する必要がある中小企業診断士には、独立開業・副業・企業勤務など様々な働き方の選択肢がありますが、年収アップを狙うには転職するのが一番おすすめです。

この記事で紹介した転職エージェントは、中小企業診断士の資格を活かせる優良求人を多数紹介しています。会員登録して詳細を確認してみましょう。