柔道整復師は国家資格の1つであり、手術によらないケガの回復を目指した施術や健康改善のサポートを行う専門職です。
年々活躍の場は広がり、柔道整復師に興味を持つ方も増えてきています。柔道整復師を目指すにあたって、その年収や現状が気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では柔道整復師の年収を詳しく解説しつつ、将来性やキャリアアップするための方法もご紹介します。
おすすめの転職エージェントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
各エージェントに「良い転職先があれば、すぐに転職したい」と伝え、優先的にサポートしてもらう。
担当者との相性を確認しながら本命のエージェントを1社に絞り、本格的な転職活動を開始する。
柔道整復師の年収は?男性/女性別・初任給などケース別にまとめ
柔道整復師全体の平均年収は350万円前後です。ただし、個人によって300~1000万円と年収の幅が広くなっています。
実は、柔道整復師は収入格差が大きい職業の1つです。そこで、何が柔道整復師の収入を左右するのか、以下のケース別に柔道整復師の年収について解説します。
- 男女別
- 年齢別
- 雇用形態(開業・雇われ・アルバイト)
柔道整復師の年収は公式な調査資料がないので、口コミや求人情報などのデータを独自に調査しました。
他の医療系職種との年収比較や、柔道整復師の初任給も分かりやすくお伝えしていきます。
柔道整復師の平均年収・年齢【男女別】
柔道整復師の収入に男女差はありません。専門職であり、女性患者は同性からの施術を求めるケースが多いので、男女問わず活躍できるチャンスがあります。
口コミでも、男女で平均年収や平均年齢が大きく異なるとの情報は見当たりませんでした。
柔道整復師全体の平均年収と平均年齢は以下の通りです。
平均年収 | 平均年齢 |
350万円前後 | 36.3歳 |
国税庁「民間給与実態調査結果」(2019年11月)によると、一般企業に勤める人の平均年収は441万円です。(男性平均:545万円,女性平均:293万円)
全体の平均年収と比べ、柔道整復師の平均年収は一般企業の平均を下回っているようです。
ただし、女性は年収に男女差がある企業で働くよりも、高い年収を得られる可能性があります。
柔道整復師の年収【年齢別】
年齢 | 年収 |
20代 | 280~350万円 |
30代 | 300~390万円 |
40代 | 400~600万円 |
50代 | 500~700万円 |
60歳以上 | 350~400万円 |
この表によると、柔道整復師の年収は年齢に比例しているように見えます。ただし、柔道整復師は経験や抱える顧客数が年収に大きく影響する職業です。
このため、年齢を重ねれば給与も上がるという単純な昇給システムではありません。技術を磨き、どれだけ多くの施術を担当できるかが年収を決める鍵なのです。
柔道整復師の学校に通う学生の平均年齢は26歳前後で、卒業後の20代・30代で経験を積んで顧客数が増えるにつれて、給与も上がっていきます。
柔道整復師は確かな技術が必要な職業です。60歳以上になると、自身の体調も考慮して施術する顧客数を減らす方もいるようで、年収は下がる傾向が見られます。
柔道整復師の年収【開業・雇われ・アルバイト】
柔道整復師の年収は技術と顧客数が鍵になると説明しましたが、もう1つ柔道整復師として働く「雇用形態」も重要な要素です。
雇用形態 | 年収 |
開業 | 300万円~1000万円以上 |
正社員 | 300~700万円 |
契約社員・派遣社員 | 250~500万円 |
アルバイト・パート | 200~300万円 |
年収の高さを第1条件にするなら、正社員として就職し、経験を積んだ後に開業するのが良いでしょう。
柔道整復師になって順調に技術を磨き、指名が多い人気の柔道整復師になれば、開業後は年収1000万円以上も不可能ではありません。
ただし、独立したからといって必ず年収がアップするわけではなく、上手く顧客を獲得できない場合は、正社員として雇われていた方が年収が高いこともあります。
正社員の場合、新人時代は年収300~400万円で、経験とスキルに応じて600~700万円程度まで昇給が可能です。
契約社員やアルバイトは時給制の職場が多く、個人の能力に合わせて時給900~1500円が相場と言われています。
柔道整復師の年収は他の医療系職種と比較してどう?
柔道整復師の年収についてケース別に解説したところで、次は同じ医療系の職種とも年収を比較します。
柔道整復師は整骨院・接骨院だけではなく、リハビリの現場でも活躍する職業です。そこで、同じリハビリの現場で働く「作業療法士」「理学療法士」と年収を比べてみます。
作業療法士 | 理学療法士 | 柔道整復師 | |
平均年収 | 420万円 | 406万円 | 350万円 |
年収 | 300~700万円 | 400~900万円 | 300~1000万円以上 |
平均年収が最も高いのは作業療法士です。柔道整復師と比べると、平均年収が70万円高くなっています。
一方、年収の幅が最も大きいのは柔道整復師です。理由は、医療施設としての独立開業が許されているかどうかに関係があります。
柔道整復師は3つの職業中で、唯一医療施設としての独立開業が許されている職業です。作業療法士・理学療法士は治療目的の開業は認められていません。
柔道整復師は整骨院や接骨院を開業できるので、年収1000万円以上を実現している方もいます。このため、作業療法士や理学療法士に比べて年収の幅が広いのです。
整骨院や接骨院の数は年々増加しており、競争率は高まっています。ただし、柔道整復師は実力次第で年収を大きく増やせる職業です。
柔道整復師の初任給は?
新卒で柔道整復師として就職をした場合の初任給は20~25万円が相場です。中には28万円を超える整骨院・接骨院グループもあります。
前の項目で年収を比較した作業療法士や理学療法士と比べても、決して低水準ではありません。
- 作業療法士の初任給:19~22万円
- 理学療法士の初任給:20~24万円
医療系の職業は、就職先によって初任給に大きな差が出ることも少なくありません。都心と地方でも給与に差が出るので、雇用条件を十分に確認しておくことが必要です。
給与はもちろん、福利厚生の充実度や昇給システムについても調べるようにしましょう。自分の力だけでは限界があるので、転職サイトや転職エージェントを必ず使うのがおすすめです。
柔道整復師の年収を上げる3つの方法!1000万円も可能?
ここからは、柔道整復師として年収アップを目指す方法を紹介します。すでにお伝えしている通り、柔道整復師は実力次第で年収アップが叶う職業です。
年収1000万円を超える可能性も大いにあり、その点も解説していきます。
柔道整復師が年収を上げる方法①介護施設で働いて資格を獲得する
柔道整復師として働きながら、柔道整復師以外の資格を取得します。例えば、目指す方が多いのは、介護支援専門員(ケアマネージャー)の資格取得です。
ケアマネージャーは介護保険制度を利用し、利用者のケアプラン作成や負担額の計算などを通して、利用者の自立をサポートする仕事です。
ケアマネージャー資格を獲得する条件は以下の通りです。
- 国家資格を有している(柔道整復師も対象)
- 国家資格に基づく業務に通算5年以上かつ900日以上従事している
合格率は10~15%と低い一方、取得できれば年収面・スキル面ともに大きく飛躍できます。他にも同じ国家資格である「介護福祉士」資格を取得する方もいます。
介護業界への転職におすすめ:かいご畑
柔道整復師として介護業界への転職を考えているなら、介護就職支援センターの「かいご畑」の利用が最適です。
かいご畑は未経験者・経験者問わず、介護に関わる仕事探しをサポートするために設立された厚生労働大臣認可の就職支援センターでもあります。
厚生労働省認可の介護転職サービスは全体の0.2%しかありません。厳しい基準をクリアし、国から「優良」と認められているので、安心して利用できます。
他にもかいご畑には以下のおすすめポイントがあります。
- 介護資格を持つコーディネーターがサポートしてくれる
- 働きながら0円で介護資格が取れる制度がある
- 多くの求人数から施設を選べる
柔道整復師の資格を活かして働ける転職先探しをサポートしてくれるだけではなく、介護資格の取得まで支援してくれます。
介護施設への転職を希望している方、転職と同時に介護資格を取得したい方もぜひ利用してみてください。
かいご畑の公式サイトかいご畑の評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 かいご畑の評判は?500人の口コミ調査の結果柔道整復師が年収を上げる方法②昇給しやすい職場に転職する
2つ目の方法は、昇給システムが整った職場に転職することです。どの職業にも言えることですが、正当な評価を受けられる職場の方が良いのは言うまでもありません。
今の職場で実力に見合った報酬を受け取れていないのであれば、昇給しやすい職場への転職を検討してください。
ただし自分だけで転職を進めると、同じ失敗を繰り返してしまいます。それを防ぐために、転職エージェントの利用は必須です。
転職の成功は、集める情報の質と量にかかっています。転職エージェントは素人では知りえない企業情報も教えてくれるので、応募書類や面接対策と併せてサポートしてもらいましょう。
雇用条件が改善されなければ意味がないので、転職エージェントには自分の希望をしっかり伝えるようにしてください。
好待遇の転職におすすめ:マイナビコメディカル
マイナビコメディカルは、大手マイナビが運営する医療従事者の転職支援に特化した転職エージェントです。
東京などの都市部をはじめ、北海道から沖縄まで全国の医療関連の求人に強い点や、求人検索が充実している点が高く評価されています。
求人数は他の医療系転職サービスと比べてもトップクラスで、2020年4月19日時点で約26000件です。
マイナビコメディカルでは職員の定着率も重視しており、著しく離職率が高い医療機関や施設を紹介されることはありません。
キャリアアドバイザーは実際に取引先に出向き、職場の雰囲気や求められる人材像をヒアリングしています。このため、より自分に合った求人を紹介してもらえるのです。
今の職場よりも好待遇の転職先を探しやすいので、業界は変えずに、職場環境の改善や年収アップをしたい方はぜひ利用してください。
マイナビコメディカルの公式サイト柔道整復師が年収を上げる方法③接骨院などの経営にかかわる
柔道整復師の経験を活かして、整骨院や接骨院の経営にかかわることで年収を上げられるケースもあります。
具体的には、柔道整復師として働いた経験をもとに院の経営コンサルタントをする仕事です。
整骨院や接骨院は年々数が増加し、競争が激しくなっています。そんな中、整骨院・接骨院の経営に特化したコンサルタント企業が登場しているのです。
オーナーの悩みを汲み取り最適な提案をする能力が必要で、コミュニケーションが得意な方はやりがいを感じられるでしょう。
一方、柔道整復師の施術とは関係のない分野への転職は不安に感じる方も多いです。
より広い視野で最適な転職先を探せるように、他業種への転職も考えている方は求人数が多い転職エージェントを利用してください。
キャリアアップ求人が豊富:リクルートエージェント
医療や介護業界以外にも、広く転職先を探したい方に支持されているのがリクルートエージェントです。その理由は、リクルートエージェントの圧倒的な求人数にあります。
2020年4月19日時点で、公開求人は108,256件、非公開求人は122,413件です。これは他の転職エージェントと比べても、右に出るものはいません。
求人数が多いため、柔道整復師の資格を活かしてどんなキャリアアップが可能か、提案できる選択肢も多くなります。
柔道整復師の求人はもちろん、経験を活かした経営コンサルタントや柔道整復学科の教員の求人に応募することも可能です。
応募書類の添削や面接対策も受けられるので、柔道整復師の資格を活かして最大限自分をアピールできるようサポートしてもらえるでしょう。
リクルートエージェントの公式サイトリクルートエージェントの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 リクルートエージェントは評判が悪い?500人の口コミ調査の結果柔道整復師として独立開業すると年収1000万円も可能?
口コミを見ると、柔道整復師として年収1000万円を超えている方のほとんどが独立開業しています。
開業すれば年収1000万円以上が約束されるわけではありませんが、不可能ではありません。反対に、正社員として年収1000万円を目指すのは難しいようです。
開業後に年収1000万円を超えるか否かは、集められる顧客数にかかっています。
さらに、開業には物件取得費・設備費・広告費・人件費などの開業資金が700~1000万円程度必要です。
将来的に独立開業を考えている方は、
- 今の職場で見込み客を獲得できるか
- 今の給与で開業資金を貯められるか
この2点を事前に確認しておいてください。この2点を満たしていない場合は、転職エージェントを利用して、独立の準備を整えやすい職場に転職をするのが開業への近道です。
ちなみに、独立後は整骨院や接骨院のオーナーになる方が多いですが、これ以外にも企業やスポーツチームと契約してフリーのスポーツトレーナーとして働く方もいます。
柔道整復師のリアルに直撃!やめたほうがいい?結婚できない?
こちらの記事をご覧の方の中には、柔道整復師を目指すかどうか悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
そこで、こちらでは柔道整復師に関する疑問に答えていきます。柔道整復師になろうか検討している方は、ぜひ参考にしてください。
柔道整復師の仕事はきつい?
柔道整復師は決して楽な仕事ではありません。体力が必要な仕事であり、施術以外にも事務作業・カルテ整理・清掃などやるべきことは多いです。
職場が大手であれば1人1人の担当が決まっているので、慣れてくれば比較的余裕を持って働けますが、個人経営の場合は、1人でやるべき作業が多く激務になる傾向があります。
さらに、実際に柔道整復師として働く方の中には、患者と信頼関係を築くのが大変だと感じている方も多いです。
施術は患者の身体に触れるため、患者からの信頼は欠かせません。身体の問題と向き合い、患者が施術に安心感を持てるよう、常に患者とコミュニケーションを取る必要があります。
ただし、きついと感じる面がある一方で、患者が元気になる手助けができるので、やりがいのある仕事でもあります。
柔道整復師は結婚できない?
柔道整復師は職場によって収入に差があり、比較的忙しい仕事です。そのため、
- 今の収入で結婚できるか不安
- 結婚後も仕事を続けられるか心配
と不安に思う方も多いようですが、心配はいりません。
国家資格である柔道整復師は誰でもできる仕事ではないため、整骨院・接骨院・病院・福祉施設から求められ収入も安定してきています。
一般企業の年収と比べても、決して給与水準が低すぎるわけではないので、結婚しても生活するには十分です。
結婚後、仕事と家族で過ごす時間のバランスに悩む方も多いですが、柔道整復師は不規則な勤務体系ではないので、結婚しても仕事の継続は可能です。
どうしても収入や職場環境に不安がある場合は、転職エージェントを利用してより好待遇の職場に転職することをおすすめします。
柔道整復師をこれから目指すなら!将来性・離職率は?
柔道整復師は、年々活躍の場を広げている注目の職業です。福祉やリハビリの現場でも需要は高まっており、これから柔道整復師を目指す方も多くなるでしょう。
そんな方のために、柔道整復師になる方法・将来性・離職率について最後に解説します。
柔道整復師になるには
柔道整復師になるには、大学・短大・専門学校のいずれかで柔道整復師の養成課程を修了し、国家試験に合格する必要があります。
仕事をしながら通信教育で資格を取得したい方も多いのですが、柔道整復師の資格は通信教育では取れません。
柔道整復師は施術を行う医療従事者です。専門的な知識・技術の習得が必要であるため、通学でのみ養成課程を受けられます。
養成施設では、解剖学などの基礎科目や、柔道整復理論、柔道整復実技などの専門科目、骨折や脱臼など柔道整復師が行う整復法、固定法の実技を学びます。
柔道整復師の国家試験の受験条件は以下の通りです。
- 柔道整復師の養成施設に3年以上通う
- 所定の課程を全て修了する
以上の条件を満たし、国家試験に合格した人のみが柔道整復師として働くことが許されます。
柔道整復師の将来性
柔道整復師は十分に将来性のある職業です。以前は、整骨院や接骨院で高齢者の健康維持が主な仕事でしたが、柔道整復師の活躍の場は年々広がりを見せています。
例えば、2000年から柔道整復師には機能訓練指導員としての資格が与えられました。機能訓練指導員とは、運動機能に障害がある方へのリハビリを行う人のことです。
これにより、特別養護老人ホームやデイサービスから柔道整復師の求人も増加しており、「整骨院の先生」から福祉分野でも活躍できる存在になっています。
さらに、今最も注目されている人気の活躍先がスポーツトレーナーです。応急処置ができるスポーツトレーナーとして、患部の施術からリハビリまで一貫して担当できます。
スポーツ選手をトレーニングでサポートするだけではなく、国家資格を持った医療スタッフとしても能力を発揮できるので、スポーツ界でも活躍が期待されているのです。
柔道整復師の離職率
柔道整復師の離職率は6%から40%後半まで、職場環境によって大きく異なります。口コミによると、離職率が高い職場の特徴は以下の通りです。
- 労働時間に対して給与が少ない
- 拘束時間が長く、残業が多い
- 院長とスタッフの仲が悪い
このような環境の離職率が高いのは当然のことです。これは柔道整復師だけではなく、同じ医療系の職業全般に言えます。
一方で、前向きな理由で今働いている職場を離職する方もいます。柔道整復師は国家資格なので、スキルアップのために転職をしたり、経験を活かして独立する場合が多いのです。
柔道整復師だから離職率が高いわけではないので、職場選びを慎重に行い、どうしても環境が改善できない場合には転職でより良い環境に移るのが良いでしょう。
柔道整復師の年収まとめ
こちらの記事では、年収を軸に柔道整復師について解説しました。最後に、柔道整復師の年収について解説した内容を簡単におさらいしておきましょう。
- 柔道整復師の平均年収は350万円前後
- 個人によって年収は300~1000万円以上と幅が広い
- 年収に男女差はなく、経験・スキル・雇用形態によって年収が決まる
- 年収1000万円以上を超えられる可能性が高いのは「独立開業」
- 年収アップを目指す方法は、「介護施設で資格取得」「より好待遇の職場に転職」「接骨院などの経営に携わる」
記事中で何度も触れているように、柔道整復師の活躍の場は年々増加しています。キャリアアップの方法もより多様化してくることでしょう。
より充実した環境で柔道整復師として働くためには、求人サイトや転職エージェントを上手に活用することが大切です。
本日紹介した転職エージェントも活用しながら、あなたにぴったりの職場・働き方を見つけてみてください。