保育士の仕事は、子供との関わりの中で様々なやりがいや喜びを感じられる仕事として女性に人気の仕事ですが、給料や労働環境、人間関係などの問題で転職を考える人も多くいます。
今は待機児童問題もあり、保育士の需要は高く転職も比較的簡単です。しかし安易な転職は抱えている問題の解決にならないどころか、無意味な転職を繰り返すことにもなりかねません。
この記事では保育士を辞める前に考えておくべきことや、転職を成功させるコツについての情報をまとめました。有意義な転職を実現させるために、ぜひチェックして下さい。
目次
保育士の転職が簡単な理由と注意したい落とし穴
今は保育士が不足していて求人もたくさんあり、比較的簡単に転職ができます。だからと言って目先のことだけを考えて転職すると、後悔することも少なくありません。
転職は十分に考えた上で、慎重に決断をしましょう。
保育士の転職が簡単な理由
政府は2020年度までに全国の待機児童数ゼロを目指しており、都市部を中心に保育施設が増加しています。しかし受け皿の施設が増えても、実務を担う保育士不足は深刻化しています。
そのため保育士の有効求人倍率は2018年11月時点で3.20倍で、全職種平均1.57倍の2倍以上と非常に高く、転職売り手市場となっています。
それに伴って給料や労働環境の改善なども進んでおり、現在の職場に不満がある保育士にとって、今は転職に適したタイミングと言えます。
保育士の転職で注意したい落とし穴
転職売り手市場の現在、保育士は比較的簡単に転職できるかもしれません。しかし何の考えもなしに転職をすると、思わぬ落とし穴にハマることもあるので注意しましょう。
保育士の転職の落とし穴①転職しても悩みや不満が解消されるとは限らない
保育士の転職理由で多いのは、勤務条件や人間関係、保育方針、時間などの悩みや不満です。それを解消しようと転職したのに、新しい職場に入ったら思っていたのと違う、ということも少なくありません。
もちろん転職で改善される問題もありますが、人間関係や保育方針など入ってみないとわからないことも多く、必ずしも転職で問題が解消されるとは限りません。
仕事の悩みや不満を解消するには、転職先で以前の職場で学んだことを活かし、自分自身が成長することも必要です。
保育士の転職の落とし穴②転職しても働きやすくなるとは限らない
年収UPに限らず、労働環境や時間などの不満や悩みも解決したいと考えている場合、全ての条件を満たす転職先を見つけるのは非常に困難です。
保育士不足の現在、新規開園の保育園などでは経験者を集めるために、平均より高い給料で採用する可能性もありますが、既に給料面で恵まれた職場にいる場合、転職で年収をあげることは難しいです。
転職して労働環境は良くなったが給与は下がった、あるいはその逆パターンもあります。希望を全て満たす働きやすい環境の転職先を探すのは難しいのです。
保育士の転職の落とし穴③保育士を辞めて別の転職先に進むのは難しい
保育士以外の仕事に転職する場合、例えば託児所や学童保育など保育士としての経験や資格を活かせる仕事であれば、需要も高く比較的転職もしやすいです。
しかし事務職など保育士とは全く異なった仕事の場合は、未経験者扱いになることが多く、転職も簡単ではありません。
だからといって諦めることはありません。保育士の仕事はコミュニケーション力や対応力なども必要な仕事で、それらのスキルは一般企業でも十分アピールポイントとなります。
後はやる気があれば、保育士以外への転職も十分に可能です。
保育士が転職したいと思ったらどうする?辞める前にやっておきたい3つのこと
実際に転職活動を始めようと思ったら、何から始めればいいのでしょうか。後悔しない転職を実現するためにも、今の職場を辞める前に次の3つのことはやっておきましょう。
保育士が辞める前にやるべきこと①転職したい理由を明らかにする
まずは転職したいと思った原因をもう一度じっくりと掘り下げて、その理由をできるだけ明確にしましょう。
今の環境に悩みや不満があったり、現職では実現できない新たなチャレンジをするためであったり、転職の理由は様々です。
しかし「なんとなく不満がある」「何か新しいことに挑戦したい」といった、漠然とした理由だけでは、納得できる転職先を見つけるのは難しく、余計に時間もかかってしまいます。
転職したい理由を明確にすることは、自分が大切にしたいことや転職先に求めることを明確にすることなのです。
保育士が辞める前にやるべきこと②転職先に望む条件を考える
転職理由を明らかにできたら、次に転職先に望む条件を具体的にしましょう。
転職先に望む条件とは、転職理由となった問題を解決する条件のことです。給料が安いことが転職理由であれば、給料を上げることが転職先に望む条件になります。
条件を考え始めると、1つだけでなくいくつも希望・要望が出てくると思います。しかしそれらすべてを実現できる職場を見つけることは非常に難しいです。
挙げる条件が多すぎると、求人情報を見た時に、自分が一番重要視していたポイントは何なのかを見失ってしまうこともあります。
そのような事態にならないためにも、自分自身が譲れない部分を考えて条件を絞り込み、複数の条件がある場合はしっかりと優先順位をつけるようにしましょう。
保育士が辞める前にやるべきこと③保育士向けの転職エージェントに登録して相談する
3つ目のやるべきことは、保育士向けの転職エージェントに相談することです。
保育士向けの転職エージェントとは、保育業界に詳しい転職のプロが転職のサポートをしてくれるサービスで、仕事で時間が取れない保育士には心強い存在です。
登録者には専任のコーディネーターが付き、希望の職場を探してくれたり、求人情報だけではわからない職場の雰囲気や環境などの情報を教えてくれたりします。
さらに応募書類の書き方や面接のアドバイス、職場見学の調整、条件交渉や入社後のサポートまで、転職のスタートから働きはじめるまでのサービスを無料で受けられます。
希望にかなった有意義な転職を実現させるためにも、業界に詳しいプロだからこそ入手できる情報とそのサポートを是非活用してください。
保育士に人気の転職先ランキング!それぞれの転職必勝法とは?
保育士に人気の転職先ランキング上位3つと、そこに転職するための必勝法をご紹介します。転職しやすい保育業界とはいえ、人気の転職先に行くにはそれなりの対策が必要です。
保育士に人気の転職先ランキング第1位:公立保育園への転職
公立保育園とは自治体が運営している保育園のことです。勤務する保育士は地方公務員のため、私立保育園と比較して比較的高待遇で、転職先として非常に人気があります。
転職するには各自治体の公務員保育士試験に合格しなければなりません。試験は各自治体が独自に実施するので一概には言えませんが、総じて高難度・高倍率です。
臨時職員については公務員保育士の試験が必要ない場合が多く、募集が出ると競争率も非常に高くなります。
転職エージェントに登録してプロに相談すれば、臨時職員の求人情報に出会える可能性が高くなります。公立保育園ならではの注意点やアドバイスをもらうことも可能です。
保育士に人気の転職先ランキング第2位:保育園以外の保育施設
保育園以外にも保育士のスキルを求めている企業・施設はたくさんあり、保育士の資格とキャリアを生かせる転職先として人気があります。
病院内保育施設
病院の中に設置された保育所のことで、病院職員の子どもを預かる院内保育所と、病気中や回復期の子どもを預かる病児保育があります。
学童保育施設
放課後に小学生の子どもを預かる施設です。年間休日が120日以上あるなど、ワークライフバランスを重視するには適した職場といえます。
企業内保育所
企業のオフィス内にある保育所です。残業も少なめで保護者が同じ敷地内で働いているため、お迎えで苦労することも少ないなどのメリットがあります。
これ以外にも保育士の資格と経験を活かせる仕事は多数ありますが、そのような職場に転職したしたいときにも転職エージェントに登録することをお勧めします。
転職エージェントを活用しプロに相談することで、保育士の資格を生かせる転職先の情報も手間をかけず収集でき、それぞれの仕事に応じた対策を練ることもできます。
保育士に人気の転職先ランキング第3位:一般企業
保育士という仕事を離れ、思い切って一般企業など今までとは全く違った仕事に挑戦する転職の場合、未経験者として見られることが多いです。
しかし、だからと言ってあきらめることはありません。保育士から異業種への転職は十分に可能です。 ここでは保育士から一般企業への転職でお勧めの仕事を2つ紹介します。
一般企業のおすすめ業種①介護職
介護職は将来性も高く求人も多い仕事です。臨機応変な対応力が求められるなど、保育の仕事と共通点も多く、保育士が転職しやすい仕事といえます。
介護職への転職なら「かいご畑」が最もおすすめです。
介護職が未経験の方でも、サポート体制が充実しており安心して転職できます。約13万円の介護資格取得費用が実質0円となる「キャリアアップ応援制度」があるので、まずは登録して資格取得を目指すのがおすすめです。
かいご畑の公式サイトかいご畑の評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 かいご畑の評判は?500人の口コミ調査の結果一般企業のおすすめ業種②サービス業
保育士として培ったコミュニケーション能力を活かせます。未経験でも比較的転職がしやすく、人と接する仕事を続けたい人にお勧めの仕事です。
保育士から一般企業へ転職は不安も多いですが、転職エージェントに登録してプロによる相談やサポートを受ければ、安心して転職活動に臨めます。
保育士の転職でよくある質問:履歴書や面接対策は?転職フェアは行くべき?
実際に転職活動を始めると様々な疑問が出てきます。ここでは代表的なものをピックアップしてみました。
志望動機の書き方は?
志望動機を考える上で、退職理由と混同してしまうことがよくあります。
給料が安い、人間関係が上手くいかないなど、確かに転職する理由、動機ではあるかもしれませんが、転職先を志望する理由にはなりません。
志望動機で伝えるべきことは、なぜこの職場を選んだのか、この職場で自分は何ができるのかという前向きな気持ちです。
そのためには転職先をよく知り、自分が転職先で貢献できることを具体的に考えみましょう。
履歴書や面接などの対策はどうしたらいい?
履歴書や面接などの対策には、転職エージェントの活用をおすすめします。
履歴書や面接対策にはノウハウがあり、経験豊富なプロの専任コーディネーターからのアドバイスは、非常に効果的な対策です。
コーディネーターは転職に関するノウハウだけでなく、業界や転職先についても詳細な情報をもっているので、それぞれの転職先に応じた対策をアドバイスしてくれます。
保育士向けの転職フェアには参加するべき?
保育士向けの転職フェアはぜひ参加すべきです。
保育士向け転職フェアに参加すれば、その職場で働いている人と直接話せます。求人情報などでは分からない現場の生の声を聞けるだけでなく、その職場の雰囲気を感じることも出来ます。
また、通常の職場見学では1日に1件か2件が限界ですが、フェアでは一度にたくさんの転職先候補を回れますので非常に効率的です。
自分の地域で保育士向け転職フェアが開かれることがあれば、ぜひ参加して下さい。
男性保育士が転職で注意すべきポイントは?
男性保育士は女性に比べて圧倒的に少数派です。求人でも男性保育士の募集を目にはしますが、女性と比較すると明らかに少ないです。
一方、男性保育士の需要は高まっており、中には主任・園長候補の求人も出ています。
しかし、女性保育士ほどの選択肢はないので、なかなか要望通りの転職先を見つけることは難しいかもしれません。
自力で転職先を探すと時間の無駄になるケースが多いので、迷わず転職エージェントに相談することをおすすめします。
今の園を円満にやめるためのコツはある?
保育園は年度単位で運営されており、年度末である3月まで勤めてから転職するのが一般的です。円満に退社するのであれば、年度末が最も適していると言えます。
また受け持っている子どもたちを進級させ、送り出してから転職した方が、自分自身の達成感にも繋がります。
しかし事情によっては、年度中の退職も仕方ありません。その場合は少なくとも1ヶ月前までには退職の意思を伝えるようにしましょう。
保育士におすすめの転職サイトランキング①同業種転職編
保育園に転職したいのであれば、保育士向けの転職サイトへの登録をおすすめします。一般企業に転職するか迷っている場合も、まずは保育士向けの転職サイトに登録してみましょう。
ランキング1位:ほいく畑
「ほいく畑」は、福祉系人材派遣大手のニッソーネットが運営しています。
求人数は少なめですが、未経験やブランクありといった不利な条件の求人に強みを持っているのが特徴です。そのため育児を終えた方の復職などでもよく利用されています。
全国の求人を扱っていますが、特に関東と関西の求人情報に強みがあります。また派遣の仕事の場合、週払いに対応してくれるのも大きな特徴です。
コーディネーターの面談は、直接対面でも電話でも可能です。自分の予定や面談のしやすさに応じて、自分にあった面談方法を選べます。
対面での相談では全国18カ所ある拠点を活用することができます。
ほいく畑の公式サイトランキング2位:保育ひろば
「保育ひろば」は、人材大手ネオキャリアが運営する保育士向けの転職エージェントです。
求人は豊富で全国に対応していますが、特に一都三県、および愛知、大阪、福岡など都市部の求人に強く、正社員やパートのほかに派遣の求人情報も豊富です。
給料交渉などにもしっかり対応してくれてサポートも充実しています。しかも転職が成功するとお祝い金をもらえ、正社員への転職で2万円、派遣やパートでも5000円が支給されます。
求人を出していない園にも採用選考の打診をしてくれるといった、独自のサービスもあり、働きたい園や気になる園がある人は必ず登録しておきたい転職エージェントです。
保育ひろばの公式サイト保育ひろばの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 保育ひろばの評判は?500人の口コミ調査の結果ランキング3位:マイナビ保育士
「マイナビ保育士」は、転職大手のマイナビが運営する保育士向けの転職エージェントです。
多くの保育園と繋がりを持っており、自分で調べるだけではなかなか分からない職場の雰囲気や待遇面など、詳しい情報を提供してくれます。
また認可保育園はもちろん、企業内保育、院内保育、病児保育など、幅広く多数の保育求人を扱っていることも特徴の一つです。
首都圏に強く関東圏については最大の求人数を誇ります。さらに正社員求人が全体の約8割と非常に高く、首都圏で正社員雇用を希望する人には必須のエージェントです。
マイナビ保育士の公式サイトランキング4位:保育情報どっとこむ
「保育情報どっとこむ」は、人材派遣のアスカグループが運営しています。
求人内容はパート・アルバイト・派遣の仕事が多く、他社では取り扱いが少ない北海道や東北エリアの求人も充実しています。
派遣の場合はアスカグループで雇用され、毎年3%の時給UP保証制度があるので、非常勤で働きたい人にはおすすめです。
サポートも充実しており、特に見学・面接にはその園に詳しい担当者が同行してくれるので非常に心強いです。
保育士のための救命救急や腰痛対策、キャリアアップなどをテーマにした無料セミナーも開催しており、保育士のフォローやスキルアップにも力を入れています。
保育情報どっとこむの公式サイト保育情報どっとこむの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 保育情報どっとこむの評判は?500人の口コミ調査の結果保育士におすすめの転職サイトランキング②一般企業編
保育園以外の一般企業に転職したい場合は、幅広い業界に精通し、求人数も豊富な大手の転職エージェントがおすすめです。
ランキング1位:パソナキャリア
総合人材サービス大手・パソナが運営する転職エージェントで、顧客満足度調査で1位を獲得するなど利用者満足度の高いサービスです。
応募書類の添削や、企業情報の提供、年収交渉、退職手続き支援など転職コンサルタントの質の高さが強みで、年収アップ率も67.1%と非常に高い水準です。
業界に偏りがなくサポートも充実しているので、初めて転職をする人や幅広い選択肢の中から自分に合った仕事を探している人は、是非登録すべき転職エージェントの一つです。
パソナキャリアの公式サイトパソナキャリアの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 パソナキャリアの評判は?629人の口コミ調査の結果ランキング2位:リクルートエージェント
リクルートキャリアが運営する転職エージェントで、求人数30万件以上の業界最大手です。転職のノウハウも豊富でコンサルタントの質も高く、転職活動の際は登録必須です。
求人エリアは首都圏はもちろん、全国主要都市に拠点があり、地方への転職についても充実したサポートを受けることができます。
転職をサポートするコンサルタントは、業界に精通した専任の担当者です。スキル、経験共に豊富なコンサルタントが多いことも、リクルートエージェントの特徴です。
リクルートエージェントの公式サイトリクルートエージェントの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 リクルートエージェントは評判が悪い?500人の口コミ調査の結果ランキング3位:doda
総合人材サービス大手・パーソルキャリアが運営する大手転職エージェントです。豊富な求人数はもちろん、応募資料の添削や面接対策などのサポートにも定評があります。
dodaのコンサルタントは原則として女性なのも大きな特徴です。女性ならではのきめ細かいサポートが男性はもちろん、女性からも好評です。
dodaでは就職フェアや就職セミナーを頻繁に開催しており、企業担当者に直接会えるなど、転職先選びのポイントを学ぶことができます。
dodaの公式サイトdodaの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 dodaの評判は?500人の口コミ調査の結果保育士は「転職したい」理由を明確にして後悔のない転職を
「転職したい」理由を明確することは、自分自身が大切にしたいことや転職先に求めることを明確にすることと同じです。
転職したい理由を明確にしないまま転職活動を始めても、転職先に求める条件が曖昧になり、有意義で効率的な転職活動はできません。
まず「転職したい」理由を明確にして転職先の希望や条件を定め、転職エージェントを活用して、後悔のない転職を実現しましょう。