JR東海は、1987年に日本国有鉄道(国鉄)が分割・民営化されて発足した鉄道会社です。利用者は非常に多く、安定した大企業であり、年収はJR系列の中ではJR東日本を抑えてトップに位置しています。
このためJR東海で働きたいと考える人も多く、転職難易度は高めです。この記事では、JR東海の条件別年収や職種について紹介しています。
最後には、JR東海に転職したい人におすすめの転職エージェントを複数まとめているので、ぜひ参考にしてください。
目次
各エージェントに「良い転職先があれば、すぐに転職したい」と伝え、優先的にサポートしてもらう。
担当者との相性を確認しながら本命のエージェントを1社に絞り、本格的な転職活動を開始する。
JR東海の年収は?学歴・年代・職種別まとめ
JR東海(東海旅客鉄道)は、日本の中心を走る東海道新幹線を軸として、関東甲信越・東海・近畿エリアで鉄道を運行する旅客鉄道会社です。従業員の数18,147名にのぼります(2019年3月時点)。
トヨタ自動車や中部電力と並び、中部財界の「新御三家」と称されるJR東海の年収について、学歴・年代・職種別に見ていきます。
JR東海の年収・年度別推移(全体)
JR東海の平均年収は約735万円です(有価証券報告書参照)。
下の表は年度別平均年収の推移です。安定した収益を得ている大企業であるため、平均年収もゆるやかな上昇傾向にあります。
年度 | 平均年収 |
2013年(平成25年) | 716万3,583円 |
2014年(平成26年) | 719万7,143円 |
2015年(平成27年) | 728万4,842円 |
2016年(平成28年) | 733万2,555円 |
2017年(平成29年) | 733万4,778円 |
JR東海の年収・年代別
次に、年代別の年収を紹介します。年功序列が色濃く残る企業のため、年齢とともに年収も上昇しています。50代前半に年収のピークを迎え、それ以降は少しずつ下降していくとされています。
※これより以下の年収データは、複数の就職情報サイトに投稿された社員口コミを独自に集計し、算出したものです。
年代 | 平均年収 |
20代 | 約488万円 |
30代 | 約727万円 |
40代 | 約896万円 |
50代 | 約1,200万円 |
JR東海の年収・役職別
次は役職別の年収についてです。20〜24歳の一般社員で約440万円と推定されています。
そこから昇進するごとに年収も大きく上がっていきます。後でも触れますが、役職の有無で待遇に大きな差が出てくるため、同期でも数百万円の開きが出ます。
役職 | 平均年収 |
主任 | 約716万円 |
係長 | 約760万円 |
課長 | 約1037万円 |
部長 | 約1200万円 |
JR東海の年収・学歴別
次に、学歴別の年収について見ていきます。
JR東海の公式ホームページに、2019年4月初任給実績(東京地区勤務の場合)が記載されています。
- 修士了 266,500円
- 大学卒 236,500円
(※勤務地により異なる。職種による違いはなし)
上記を踏まえ、入社一年目の年収を推定すると以下の通りです。
学歴 | 平均年収 |
高卒 | 約300万円 |
高専卒 | 約391万円 |
大卒 | 約426万円 |
院卒 | 約481万円 |
JR東海の年収・職種別|総合職とプロフェッショナル職はどれだけ違う?
JR東海の職種は「総合職」「プロフェッショナル職」「アソシエイト職」の3つに分かれ、それぞれ給与体系や昇進・昇給スピードなどは異なります。入社後の職種や系統の転換制度はありません。
そもそもJR東海のプロフェッショナル職って?
JR東海のプロフェッショナル職は、「運輸系統」「車両機械系統」「施設系統」「電気システム系統」を担当し、現場で実務を担う理系の職種です。短大・専門学校・高校卒の方も応募でき、その割合が多くなっています。
将来のマネジメント層を念頭に育成が行われる総合職は院卒・大卒のみの採用です。他の2種と比べ、昇進・昇給スピードが早く、最も高い年収を得られます。
アソシエイト職はいわゆる一般職にあたり、総務・経理・技術企画などの補佐的なオフィスワークを中心に行います。年収は全職種中、最も低いです。
職種 | 系統 | 平均年収 |
総合職 | 事務系統 | 約928万円 |
総合職 | 運輸系統 | 約732万円 |
総合職 | 車両・機械系統 | 約795万円 |
プロフェッショナル職 | 車両・機械系統 | 約507万円 |
プロフェッショナル職 | 施設系統 | 約658万円 |
プロフェッショナル職 | 電気・システム系統 | 約481万円 |
アソシエイト職 | - | 約400万円 |
JR東海・大卒・総合職・20代の年収モデルケース
JR東海の総合職に就職した大卒20代の推定年収は、約570万円です(月給:31.5万円)。
いわゆるキャリア組である総合職は、全職種中昇給スピードが最も早く、30代には更なる年収アップが見込めます。
JR東海の年収についてもっと詳しく!ボーナスや退職金は?
次に、JR東海のボーナスや退職金を解説します。いわずと知れた大企業であるため、ボーナスや退職金は充分に支給されており、現役社員の口コミを見ても概ね高評価です。
インフラ事業のため収益が安定しており、将来的に大きく下降する恐れは現状では低いです。
JR東海の年収①ボーナス(2019年)は?
JR東海の2019年度夏季ボーナスは「3.05箇月分」と発表されています。
2018年度は夏季3.05箇月分、年末3.0箇月分、ボーナス額の年間平均値は約230万円ででした(「鉄道統計年報」参照)。
ただ、役職や年代によって大きく異なり、約80〜300万円と開きがみられます。
JR東海の年収②退職金は?
退職金は「基本給×勤続年数に応じた倍率」で決まるため、社員個々の状況で金額に開きがありますが、役職無しの一般職で数百万円から、長期在籍で役職付きは3000万円ほどと推定されます。
ちなみに2019年6月、JR東海は定年を60歳から65歳に引き上げると発表しました。
JR東海の年収③1000万円いくこともある?
年収1000万円以上を目指す場合、入社時点の職種と、役職に就けるかがポイントです。
総合職は、多くの人が課長までは昇進できるといわれ、年収は1,000万円以上まで上がる可能性が高いです。
プロフェッショナル職は総合職より昇進スピードが劣り、役職も係長止まりの場合が多いとされ、年収は1000万円には届き難いようです。
ただ、JR東海では年齢を重ねるにつれ年収が増加していくため、プロフェッショナル職でも年収のピークとなる50代前半あたりで1000万円に届く可能性もあります。
JR東海の年収④就職ランキング・年収ランキングでは何位?
2020年卒の就活生が選んだ「就職希望企業ランキング」(キャリタス就活調べ)では、JR東海は総合200位中25位にランクインしています。JR系列の中では、JR東日本の総合15位に次ぐ二番目の人気です。
年収ランキングでは全国のトップ500社中494位にランクインしています。同率494位には日本BS放送、ムゲンエステート、オルガノ、古河電気工業、歌舞伎座が肩を並べています。
JR東海の年収⑤JR各社と年収を比較すると?
JRは上場・非上場含めて全6社ありますが、JR東海の平均年収は他のJR各社と比べどのくらいなのか、比較してみます。
以下は「鉄道統計年報」(平成28年度)が集計したJR各社の平均年収です。
- JR東海:約735万円
- JR東日本:約715万円
- JR西日本:約669万円
- JR九州:約550万円
- JR四国:約527万円
- JR北海道:約497万円
JR系列の中でJR東海の平均年収は最も高いことがわかります。
首都圏を走るJR東日本より平均年収が高いのは、JR東海は赤字路線が少ないからです。
JR東日本は東北地方を中心に広大な赤字路線を抱え、東日本大震災による復旧に経費がかかることから年収が低く抑えられています。
これに対しJR東海は岐阜・三重両県に赤字路線があるものの、全体として乗客数は好調なうえ、主要都市を結ぶ東海道新幹線は「ドル箱路線」と言われており、収益が安定しています。
JR東海に転職して高年収を実現したい!方法は?
JR各社の中でも平均年収トップのJR東海は、毎日の利用客も多く安定した企業収益があり、福利厚生も充実していると現役社員から好評です。
鉄道関連の仕事に興味のある方にはとても魅力的な職場であり、人気も高いです。そんなJR東海に転職するにはどうすればよいか、採用情報を見ていきましょう。
JR東海の採用情報は出ている?
JR東海の採用情報は公式ホームページに掲載されています。
「鉄道・運輸・クリーンサービス」「流通・飲食」「駅ビル・不動産」「旅行・広告・ホテル」「車両・機械」「土木・建築」「電気・情報」「その他」の事業に分かれ、それぞれの採用募集状況が見られます。
ただしJR東海は通年採用は行っておらず、不定期(主に2〜3月・7〜8月)に求人を募集しているため、こちらから応募したい場合はこまめに公式HPをチェックする必要があります。
JR東海に高年収で転職するには転職エージェント利用が必須
公式ホームページ掲載の公開求人とは別に、非公開求人が多く存在します。非公開求人を豊富に保有し、転職希望者に紹介してくれるのが転職エージェントです。
JR東海のような人気企業は、求人を出すと応募者が殺到してしまいます。このため非公開求人を転職エージェントに出し、限定的に人材を募ることが多いのです。
転職エージェントに登録すると、 登録者が希望する職種の求人を、専任のコンサルタント(仲介者)から紹介してもらえます。
転職に向けたカウンセリング、履歴書や応募書類などの添削、面接対策、面接の日程調整、入社後の条件交渉など、転職活動支援も受けられます。
一般的に、複数の転職エージェントに登録し、それぞれの利用しやすさを比較しながら、最も自分の希望に合う求人へ応募するのが良いとされています。
JR東海の転職におすすめなエージェント5選
転職活動を支援する転職エージェントは多数あります。それぞれに強みがあり、例えばハイクラス転職が得意、初めて転職する人にも安心のサポートが充実している、など様々です。
ここではJR東海、またはそれに関連する職種への転職におすすめのエージェントを見ていきます。
①パソナキャリア
パソナキャリアは、求人件数50,000件以上、取引実績企業16,000社以上、25万人の転職支援実績のある転職エージェントです。
パソナキャリアを利用して転職した人のうち、年収アップした人の割合は67.1%と公表しています。
転職希望者につく専任のキャリアアドバイザーが、リクルーティングアドバイザー(求人企業の担当営業)と密な連携を取っており、常に新しく正確な求人情報を転職希望者に紹介できることを強みとしています。
パソナキャリアが扱う求人のうち、80%は非公開求人で、無料登録後に見られるようになります。現在パソナキャリアの公開求人にJR東海の募集はありませんが、航空・鉄道ジャンル中に静岡鉄道株式会社、東急株式会社の求人が掲載されています。
上記の通り、人気企業は求人募集を公開しないことが多いので、JR東海の非公開求人を保有している可能性は大いにあります。
パソナグループは企業理念に「社会の問題点を解決する」ことを掲げ、利益よりも社会貢献度を優先しています。
このため、「求人の押し付けがない」「相談ごとや心配ごとにも親身に対応してくれる」といった口コミが目立ちます。
パソナキャリアの公式サイトパソナキャリアの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 パソナキャリアの評判は?629人の口コミ調査の結果②リクルートエージェント
リクルートエージェントは扱う求人の9割が非公開求人です。その数は20万件以上で、業界トップの求人数を保有しています。
リクルートエージェントでは、JR東海などの鉄道の求人を、公開求人では275件、非公開求人では65件扱っています。そこから自分のスキルやキーワードを入力し、条件を絞った詳細検索が可能です。
転職希望者には、企業研究や面接対策に役立つ独自の企業レポート「AGENT Report」を配布しており、企業の特徴や選考のポイントなどの実情を知ることができます。
口コミを見ると「求人を紹介数してもらえる数が多い」「書類選考通過率が高い」という声が多く、転職に関する勉強や情報収集にも大いに活用できるエージェントです。
リクルートエージェントの公式サイトリクルートエージェントの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 リクルートエージェントは評判が悪い?500人の口コミ調査の結果③ランスタッド
オランダに本社がある世界的な派遣会社です。求人件数10,000件以上、取り扱い実績企業は10,000社以上、全体の80%が非公開求人です。
外資系やグローバル企業への転職支援に定評があり、英語を必要とする求人や、製薬・金融系などのハイスペックな求人を多く取り扱っています。
若手ハイクラス層〜管理職の転職を得意とし、志が高く妥協したくない人におすすめの転職エージェントで、「年収がアップした」「紹介量は多くないがサポートの質が良い」と評判です。
求人検索の際は雇用形態を指定し、キーワードを入力して探します。雇用形態を「正社員(ハイクラス)」にした際の鉄道系の公開求人は1件、一般的な「正社員・契約社員」を選択した場合は74件です。
ランスタッドの公式サイトランスタッドの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 ランスタッドの評判は?500人の口コミ調査の結果④JACリクルートメント
こちらはロンドン発祥で、英国、ドイツ、アジアなどの12カ国・地域に展開するグローバルなエージェントです。
「転職して年収1,200万円以上に」をうたい、管理職や専門職のハイキャリア・高年収領域の転職支援に特化しています。
約25,000社の企業と取引し、求人数は15,000件以上、全体の60%が非公開求人です。公開求人の中に鉄道関連の求人はあまり無いようです。
ただ、平均年収が700万円を超えるJR東海は高収入案件の部類に入るため、そういったハイキャリア系の求人は非公開求人として扱われていると思われます。
ハイキャリア転職に強いエージェントであり、JR東海の総合職、プロフェッショナル職への転職活動の際には、適切なサポートが受けられることが期待できます。
JACリクルートメントの公式サイトJACリクルートメントの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 JACリクルートメントの評判は?500人の口コミ調査の結果⑤マイナビエージェント
マイナビエージェントは20~30代の転職者をターゲットにし、第二新卒の転職にも力を入れています。若い層の転職支援に集中してノウハウを多く蓄積し、大手他社と差別化を図っています。
求人数は30,000件以上で、全求人の約80%が非公開求人です。大手と比べて登録者数が少ない分、登録者一人一人にかける時間を多く割き、転職経験が少ない人でも安心のサポートが受けられます。
口コミでも「初めての転職だったが親身に書類添削や模擬面接をしてもらえて心強かった」「レスポンスが迅速」といった20代の声が多く見られます。
現在、公開求人の中にJR東海の募集はありませんが、株式会社ジェイアール西日本デイリーサービスネットの求人が出ています。
株式会社日立製作所(鉄道事業IT企画)や三菱電機株式会社神戸製作所(鉄道システムエンジニア)、中央電設株式会社(鉄道電気工事)などの求人も見られます。
マイナビITエージェントの公式サイトJR東海の年収まとめ
JR東海の平均年収は約735万円で、JR系列の中では最も高額です。
ボーナスは平均約230万円(年間6.05箇月分)で、他の待遇も含め、現役社員の口コミでは満足の声が多く寄せられています。
職種は院卒・大卒採用で幹部候補育成の総合職、高卒から就職できる現業系のプロフェッショナル職、事務職専門のアソシエイト職の3種があり、年収の相場は職種ごとに異なります。
JR東海への転職で年収1000万円以上を目指すなら、総合職への転職が必須です。入社後の職種転換はできないので、職種や系統をよく把握してから求人に応募しましょう。
就職人気ランキングでは総合200位中25位と人気もあり、転職難易度は高めです。JR東海の求人に応募する際は、転職エージェントを大いに活用し、万全の事前調査と対策をして臨みましょう。