公務員の年収はいくら?職種別の平均年収や年収推移を調査

昔から、公務員は人気の高い職業の1つです。「公務員は安定しているから安心」と思っていらっしゃる方も多いでしょう。

国や自治体に勤める公務員は、倒産がないことや給与の急激な上下がないことから、安定した職業と言われています。実際のところ、公務員の年収はいくらなのでしょうか。

公務員も職種や担当業務によって年収に差が出ます。こちらの記事では、一般行政職の年収を参考に、公務員の年収について詳しく解説していきます。

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公務員の平均年収はいくら?中央値は?

「公務員」と聞くと、外交官や税務署職員、市役所などで働いている人をイメージされる方も多いでしょう。

それこそが「一般行政職」と呼ばれる仕事です。一般行政職にの国家公務員は139,782人(2019年8月時点)、地方公務員は850,430人(2018年4月時点)います。

一般行政職全体の平均年収は6,787,887円です(平均年齢は42.8歳)。ちなみに、年収中央値は560万円前後と言われています。

【年齢別】公務員の平均年収

次に、年齢別で公務員の平均年収を解説します。公務員は、職種はもちろん年齢や勤続年数によっても給与に差がみられる職業です。

ここでは、人事院が発表した「平成31年国家公務員給与等実態調査報告書」を基に、一般行政職の平均年収を紹介します。

20歳代の公務員の平均年収

20歳代全体の平均年収は約400万円で、民間企業と比べると高いです。 民間企業社員の平均年収は312万円です。

年齢ごとの平均年収は、以下の通りです。

  • 20歳~23歳:約340万円(平均月収201,137円+ボーナス約94万円)
  • 24歳~27歳:約400万円(平均月収242,730円+ボーナス約110万円)
  • 28歳~31歳:約460万円(平均月収288,550円+ボーナス約120万円)

報告書では、28歳以上32歳未満が同じ区分のため、今回は20歳代として表記しています。

30歳代の公務員の平均年収

30歳代全体の平均年収は約570万円です。こちらも、民間企業社員の平均年収425万円を大きく上回っています。

年齢ごとの平均年収は、以下の通りです。

  • 32歳~35歳:約540万円(平均月収338,606円+ボーナス約134万円)
  • 36歳~39歳:約600万円(平均月収380,280円+ボーナス約150万円)

公務員は年功序列のケースが多く、20代前半から比べると、着実に平均年収が増えているのがわかります。

40歳代の公務員の平均年収

40歳代全体の平均年収は約720万円です。民間企業社員の平均年収482万円に比べて約1.5倍です。

年齢ごとの平均年収は、以下の通りです。

  • 40歳~43歳:約660万円(平均月収414,849円+ボーナス約170万円)
  • 44歳~47歳:約720万円(平均年収446,295円+ボーナス約183万円)
  • 48歳~51歳:約770万円(平均年収482,667円+ボーナス約192万円)

報告書では、48歳以上52歳未満が同じ区分のため、今回は40歳代として表記しています。

50歳代の公務員の平均年収

50歳代全体の平均年収は約803万円です。民間企業社員の50歳以上の平均年収が520万円であることを考えると、約280万の差がみられます。

年齢ごとの平均年収は、以下の通りです。

  • 52歳~55歳:約797万円(平均月収498,229円+ボーナス約200万円)
  • 56歳~59歳:約810万円(平均月収507,696円+ボーナス約205万円)

公務員の年収には勤続年数が大きく関わっているので、長く働けば働くほど年収が高くなります。

【種類別】公務員の平均年収

公務員は大きく国家公務員と地方公務員の2種類に区分され、平均年収も違ってきます。

ここでは、国家公務員と地方公務員の一般行政職の平均年収差を解説します。

国家公務員の平均年収

国家公務員は、外務省や経済産業省などの省庁や、裁判所、国会のような国家機関に所属し、国政全体に関わる仕事をします。

国家公務員(一般行政職)の平均年収は、約720万円です。平均月収は463,872円、ボーナスの平均額は約165万円です。

ちなみに、総合職試験を突破した国家公務員(キャリア官僚)の平均年収は別格です。キャリア官僚の平均年収は、約1300万円と言われています。

キャリア官僚は出世のスピードが早く、各機関の中枢を担う人材でもあります。激務をこなす職種のため、一般職に比べて給与の額も高いようです。

地方公務員の平均年収

総務省の「地方公務員給与実態調査」を基に、地方公務員の平均年収を説明します。

地方公務員は、市役所のような自治体の組織や消防士、警察官として働く人たちのことです。自治体運営の病院で働く医師や看護師も地方公務員です。

地方公務員(一般行政職)の平均年収は、約640万円です。平均月収は401,242円、ボーナスの平均額は約153万円です。

さらに、民間企業と比べると少ないものの、給与に男女差があります。その差は月々5,000円~20,000円で、年齢を重ねるにつれて広がります。

また、地方公務員は務める先の自治体によって給与額が大きく異なります。大都市はキャリア官僚並みに給料が恵まれているところもあります。

公務員の年収は低い?他の職種と比べてどう?

公務員の年収は決して低くありません。公務員の給与額は、大企業の平均給与を参考に毎年改定されるので、基本的には大企業並みと考えてよいでしょう。

一方、公務員以外の仕事でも、公務員の平均年収を大きく上回る職業があります。

日本人の平均年収を踏まえて、公務員の年収と他の職種の年収を比べてみましょう。

日本人の平均年収

国税庁の民間給与実態調査によると、日本人の平均年収は441万円です。平成25年度の調査から、平均年収は年々増加傾向にあります。

それでも、公務員(一般行政職)の平均年収は約670万円ですから、日本人の平均年収を大きく上回ります。

また、民間企業で働く日本人の平均年収には男女差があり、男性が545万円、女性が293万円と大きな差がみられます。

民間企業の平均給与は、短時間勤務の社員も計算に含めているため、時短勤務などの女性社員の給与が平均を下げているとみられます。

公務員は年収ランキング何位?

国家公務員や地方公務員(一般行政職)の平均年収を、100種の職業で平均年収を比べると以下のようになりました。

    1. 航空機操縦士 2048万円
    2. 医師 1161万円
    3. 大学教授 1081万円
    4. 公認会計士・税理士 891万円
    5. 大学准教授 867万円
    6. 歯科医師 848万円
    7. 記者 788万円
    8. 弁護士 765万円
    9. 国家公務員(一般行政職)722万円
    10. 一級建築士 721万円
    11. 大学講師 719万円
    12. 電車運転士 655万円
    13. 自然化学系研究者 653万円
    14. 不動産鑑定士 644万円
    15. 地方公務員(一般行政職)640万円

国家公務員は第9位、地方公務員は第15位です。専門性が必要になる航空操縦士や医師、弁護士には及びませんが、100職種で考えると高い順位です。

公務員の年収推移は?きちんと上がる?

年齢別の平均年収でも紹介したように、公務員は勤続年数に合わせて年収が増加します。

さらに、過去5年の公務員の平均年収を比べると、平均年収も年々増加しています。2013年から2019年までの平均年収の推移は以下の通りです。

  • 2015年:7113,000円
  • 2016年:7164,000円
  • 2017年:7215,000円
  • 2018年:7223,644円
  • 2019年:7226,194円

公務員の給与は人事院や自治体の人事委員会が、大企業の平均給与を基に算出するので、大企業の平均給与が上がれば公務員の給与も上がる仕組みです。

もちろん例外もあり、人事院や人事委が給与増額を決定(勧告)しても、財政が厳しい国や自治体では増額されないこともあります。

公務員の年収についてよくある質問

ここまで公務員の平均年収について解説しました。

次に、公務員の年収に関するよくある質問4つに回答していきます。

高卒・大卒公務員の年収はどのくらい違う?新卒データを比較

公務員を目指せるタイミングはいくつかありますが、高校卒業後または大学卒業後で公務員を目指す人が多いと言われています。

公務員の20歳~23歳の平均年収を比べると、高卒・大卒それぞれ以下のような結果です。ちなみに、国家公務員と地方公務員の一般行政職全体の平均を算出しています。

  • 高卒:平均年収約300万円
  • 大卒:平均年収約331万円

20~23歳では、差は30万円程度で、学歴によって年収に差が出ています。

出世するかどうかも学歴によって決まります。同じ能力であれば大卒が選ばれやすく、年齢を重ねるにつれて高卒と大卒の給与差は大きくひろがるのです。

50歳代になると、高卒よりも大卒の方が100万~150万円ほど年収が高くなります。

公務員で年収1000万以上ってあり得る?

「高収入で安定している職業」といわれる公務員ですが、そんな公務員でも年収1000万円以上になるには長い年月と努力が必要と言われています。

国家公務員は、年収が1000万円を超えるのは本省の課長以上です。課長クラスまで出世するには、総合職での入省が必須です。

地方公務員は、部長級以上が年収1000万円の目安です。自治体ごとで異なりますが、大都市では課長級で1000万円に届くところもあります。反対に、地方の町役場などでは1000万円に届くのは難しいです。

公務員で年収1000万円以上の人はほんのひと握りです。

職種による年収の違いはある?

公務員は職種によって年収に差が出る職業です。公務員の中で1番年収が高い「内閣総理大臣」は約4000万円です。

その他にも、国会議員と事務次官は約2500万円、公務員の医師・歯科医師は約1200万円など、職種によって年収は異なります。

公務員を目指す方は、職種で給与が異なることに留意して、どの職種を目指すか吟味してください。

公務員の職種は、人事院や総務省の公式サイトで確認できます。

地方公務員の中では、どの職種の年収が最も高い?

地方公務員で最も年収が高いのは、警察官です。警察官の平均年収は813万円で、平均月収は約47万円、平均ボーナス額は約220万円です。

警察官は、公務員の中でも公安職と呼ばれる仕事です。休日でも呼び出しがあれば出勤しなければいけませんし、時には半月以上家に帰れないこともあります。

夜勤もあり、危険も伴う激務であることを考えると、高い給与にも納得がいきます。

ちなみに2番目に年収の高い職種は公立高校の教師です。

公務員が年収を上げる方法

働く年数を重ねるほど公務員の年収は上がっていきます。安定している一方で、短期間で年収を上げることはできません。

では、長く勤める以外にどうやって年収を上げれば良いのでしょうか。

民間に転職する

年収を上げる方法の1つは、民間企業への転職です。公務員を辞めることにはなりますが、転職を機に、年収を上げられる可能性はあります。

一方、民間企業への転職にはデメリットもあります。利益を追求する民間企業の環境に適応する必要があります。

「ルーティンワークで指示を待つ方が得意」「新しいことや、環境の変化が苦手」という方には、民間企業への転職はおすすめできません。

反対に、「仕事にもっとやりがいがほしい」「勤務年数ではなく、成果で評価してもらいたい」と思っている方は、民間企業でも成功する可能性が大きいです。

公務員から民間企業への転職は簡単ではありません。自分1人だけで進めようとせず、転職エージェントへの登録をおすすめします。

公務員の転職におすすめの転職エージェント

公務員から民間企業への転職を成功させるには、書類選考を通過し、面接でしっかり自分をアピールしければなりません。

そのためには、転職エージェントのようなプロの力が必要不可欠です。自分だけでも転職活動はできますが、求人が偏ってしまったり、書類の添削・面接対策まではできません。

そこで、公務員から民間企業に転職した方の多くが実際に利用した転職エージェントを、3つご紹介します。

パソナキャリア

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パソナキャリアの公式サイトパソナキャリアの評判と口コミについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 パソナキャリアの評判は?629人の口コミ調査の結果

リクルートエージェント

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公務員は「クリエイティブさが足りない」とのイメージが付きまとい、民間への転職では不利に働きます。このため、できるだけ多くの求人数を確保し、内定率を高める必要があります。

そのため、全業界・全業種の求人がそろっているリクルートエージェントを利用した方は多いようです。

運営会社のリクルートは、転職サイトである「リクナビNEXT」も運営しています。こちらでは、自己分析コンテンツのグッドポイント診断が受けられます。

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ランスタッド

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オランダに本社を置き、ヨーロッパを中心に転職支援を行っているため、外資・グローバル系のハイレベルな転職を得意としています。

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公務員は安定していて人気の職業!年収を上げたい人は民間への転職も考えよう

公務員になるには、公務員試験を受けるなど専門の対策が必要ですが、安定した仕事を求める方にはぴったりの職業です。

公務員になれば法律や制度の知識が付き、長く勤めれば高年収も得られます。

しかし、公務員の仕事は定型業務が多く、退屈に感じる人もいます。やりがいのある職場や、より高い年収を得たいと思う人もいるでしょう。そんな方は民間企業への転職を考えてみてください。

公務員から民間企業への転職は、メリットとデメリットがあります。それを良く理解した上で、自分の状況に合わせた転職エージェントに相談しましょう!