消防士の年収や退職金の実際を調査!地域別給料ランキングも

消防士に対して「危険な仕事」「殉職することもある」といったイメージをお持ちの人は多いでしょう。

消防士は危険を伴う仕事です。そのため、年収も他の公務員と比較して相応の金額に達します。この記事では消防士の年収の実態を徹底解説します。

他にも、退職金や給料の規定など消防士にに関する疑問を調査しました。公務員の安定性と高年収を兼ね備えた消防士になるために、突破しなければならない試験の難易度も解説します。

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消防士の年収は下降傾向?命懸けの割に低い?

火災や救急現場に急行する消防士は、火の中に飛び込むこともある職業です。常に公務災害と隣り合わせで、殉職することもあります。

にもかかわらず、実は消防士の平均年収は、この20年で下落傾向にあります。

ここでは、消防士の仕事内容と給料の実態を解説します。

なお、消防士の給与は地方公務員の「一般職」で統一集計されており、消防士だけに絞り込んだ公的な統計はありません。

消防士の基本給は他の一般職地方公務員と変わりませんが、宿直手当や危険手当が出るため、実際の年収は「一般職の平均年収」より高くなる点に注意してください。

消防士の平均年収・中央値

総務省「地方公務員給与実態調査結果」によると、消防士を含む地方公務員一般職2018年度の平均年収は約660万円でした。

日本人の平均年収が女性や非正規雇用を含めて441万円、サラリーマン男性に限定しても521万円ですから、消防士の平均年収はサラリーマンよりやや高めです。

消防士の平均年収がサラリーマンに比べて高いのは、消防士には危険作業手当や特殊勤務手当など、各種手当が支給されるからです。

手取りの平均月収は30万円強で、推定年収の中央値はおよそ550万円から570万円です。民間の年収中央値が360万円ですから、消防士の年収中央値はかなり高めです。

一方、消防士の年収は、この20年で下落傾向にあります。

2003年に約712万円だった消防士の平均年収は、2008年に約681万円、2013年は633万円と最も落ち込みました。

民間の平均年収が1997年のピーク時から50万円ほど下落しているのと比べると、消防士の年収の下落幅が大きいことが分かります

消防士の年収は民間企業の給与水準に連動するのが基本ですが、2009年の世界金融危機や2011年の東日本大震災などを受けて財源を確保するため、給与が低く抑えられているのです。

消防士の年収・階級別

消防士の年収を階級別に紹介します。

消防士の階級は「消防士」から「消防総監」まで10段階あり、消防士~消防司令長が現場に出向きます。なお。消防司令長は一般職員で言う課長級です。

消防士の年収は約300万円、消防司令でも約600万円です。消防士の現場では年収に、大きな差が付きにくくなっています

消防署長(部長級)に相当する「消防監」以上の階級は、全体の1%ほどです。消防監以上の階級は年収が高くなり、消防司監(政令指定都市の消防長=局長級)は約1000万円の年収があります。

階級年収
消防士約300万円
消防士長約400~500万円
消防司令約500~600万円
消防司監約1000万円

課長補佐に相当する消防司令で年収600万円ですから、現場の消防士と民間企業のサラリーマンに大きな年収差はありません

危険が伴う職業であることを考えれば、消防士の年収が低いと思う人も多いでしょう。

消防士の年収・最終学歴別(高卒・大卒)

一般的には高卒より、大卒の方が昇進や初任給で有利です。消防士も同じで、大卒の方が初任給が5万円ほど高くなります

管理職の割合は大卒の消防士が多くを占めますが、一定以上の昇進には試験を受ける必要があります。昇進試験の結果によっては、大卒より高卒の消防士の階級が上になることもあります。

消防士は体力仕事ですから、現場の仕事は高卒が有利と言われています。レスキュー隊員の試験資格に学歴は関係ありません。高卒のレスキュー隊員も多く存在します。

消防士は警察や国家公務員と異なり、大卒が無条件で有利なわけではありません。大卒と高卒の年収差は、国家公務員と比べて少なくなります。消防士は学歴であまり年収差が付かない職業のひとつです。

消防士の年収・地域別給料ランキング|東京や横浜はやっぱり高め?

消防士は地方公務員なので、年収は所属する自治体ごとにかなりの差があります

一般的には東京消防庁(東京都)や横浜市消防局(横浜市)など、人口の多い大都市の消防士は年収が高くなります。

1位東京都752万円
2位横浜市704万円
3位大阪市659万円

東京消防庁は東京都のほぼ全域を担う巨大組織で、市町村ごとに消防本部を設置する原則から考えると異質な存在です。

東京消防庁所属の消防士の給与は都から出るため、予算が潤沢にある分、給料も高くなります。以下、規模が大きい横浜市と大阪市も平均年収が高いです。

初任給も東京都は高く、年収286万円です。これに対し、全国平均は247万円です。東京都以外の政令指定都市も248万円と、あまり他の都道府県と変わりません。

消防士の給与は所属する自治体の条例で決まるので、年収を一つの基準にしたい方は詳しい給与規定をチェックしておきましょう。

消防士の年収・オレンジ色の「レスキュー隊」の給料は?

意外に思われるでしょうが、精鋭部隊であるレスキュー隊員の年収は一般の消防士と変わりません

レスキュー隊の正式名称は「特別救助隊」です。地域ごとに愛称を決めていることもあり、東京は「ハイパーレスキュー」、横浜は「スーパーレンジャー」と呼んでいす。

火災の他に水難・山岳事故、自然災害、テロなどの特殊災害において、人命救助を主な任務とします。

一般の消防隊員の中から志願や辞令によって選抜試験を受け、合格した精鋭がレスキュー隊に所属できます。

煙の中でも目立つように、ユニフォームはオレンジ色をしています。このユニフォームに憧れて、レスキュー隊を目指す人もいます。

レスキュー隊だけでなく、消防士を目指す人の志望動機には金銭以外の理由が多いです。各消防のレスキュー隊の特徴を比較してから、志願先を決めるのもいいでしょう。

消防士の定年・退職金は?

消防士の退職金は自治体の給与条例で定められており、定年まで勤めた場合でおよそ2200万円です。

一方、民間の退職金は、厚生労働省の平成30年就労条件総合調査によると大卒で平均1983万円です。消防士の退職金は、サラリーマンの平均よりやや恵まれているといえます。

ただし、大企業に絞るとサラリーマンの退職金は平均2300万円ですから、消防士の方がやや少なくなります。消防士の職務は特殊ですが、年収や退職金は他の地方公務員と変わりません。

消防士の定年は、他の公務員や民間と同じく60歳でです。現在、公務員も定年延長の議論がありますが、一般職と異なり消防士は体力が必要なため議論を呼んでいます。

近い将来、消防士の定年も延長される可能性があります。

消防士の年収や生活・結婚についての真相を検証!

消防士は不規則な勤務が多く、一般の人に消防士の生活はなかなか想像しづらいでしょう。消防士の生活スタイルや結婚、お金の使い方の傾向を調べました

消防士として就職や転職を検討している方は参考にしてください。

消防士は年収が高いのに「貧乏」と感じる人が多い理由

消防士は生活がカツカツだと、感じる人が多いです。これには、消防士ならではの3つの理由があります。

①休日が多すぎる

消防士の勤務は「日勤→夜勤→非番」のローテーションで、他の公務員と同じように週2日の休みもあります。

非番の日は呼び出しに備えなければなりませんが、何もなければ休みと一緒なので事実上、週休3日に感じられます。

このため、趣味や遊びにお金を使う時間が多くなります

②自主研修や参考書などが高額かつ補助がない

勉強熱心な消防士は様々な研修を受けたり、参考書を購入したりします。消防士は求められるスキルが多いからです。

救急隊で特に活躍する救急救命士になるには、消防士の経験を積むと試験が受けられるようになるため、仕事の傍ら救急救命士国家試験の勉強をする人もいます

ところが自主研修や参考書購入に、補助はほぼありません。勉強熱心な消防士ほど、出費もかさみます。

③お金のリテラシーを気にかける機会が少ない

一般の会社では費用対効果を気にかけ、コスト意識を身につけますが、消防士はどんな困難を差し置いても人名を助けるのが最優先です。

仕事でコスト意識を付ける機会が無いため、私生活でもついお金をかけてしまうようです。

消防士は結婚できない?

消防士は結婚しにくいと言われますが、命に関わる仕事という側面に加え、特殊な勤務体系が「結婚できない」背景にあります。

24時間勤務の3交代制なので、夜に家を不在にすることが多く、非番でも災害があれば呼び出しを受けます。家庭生活を重視したいパートナーからすれば、敬遠材料です。

ローテーション勤務なので土日に必ず休めるわけではなく、交際するにも相手とタイミングが合いません。デートの時間が合わなければ結婚につながりにくくなります。

平日に休みになった場合、他にすることがないので趣味や遊びに走りがちです。これも、結婚できない理由のひとつです。

消防士の仕事は命懸けですから、交際相手の両親が結婚に反対するケースもあります。

消防士の給与明細が見てみたい!

退職した消防士が、自身の給与明細を公開している例があります。「消防士 給与明細」で画像検索すると、数多く出てきます。

いくつかの給与明細を比較すると、地方別の特徴がはっきりします。

  • 東京消防庁勤務と地方勤務では、月収に5万円以上の開きがある
  • 東京消防庁は特殊勤務手当が手厚く、地方ではほぼゼロのケースもある
  • 勤続年数に従って、着実に月収がアップしている

実際に働いていた消防士の給与明細からも、東京消防庁の年収が恵まれていることが分かります。

消防士の年収や待遇がうらやましいと思ったら

消防士は公務員ですから、給与も安定しています。倒産したりクビになったりする心配も、真面目に勤務している限りはありません。

うらやましいと感じるのも、無理はありません。けれども消防士以上の待遇で、転職するチャンスはたくさんあります

消防士になるのは至難の業!試験は難しい?

消防士試験はかなり難易度が高いです。「消防士になるのは決して難しくない」との記事もありますが、大間違いです。

消防士の試験倍率は最低でも7倍です。平均倍率は10倍程度で、県庁所在地や政令指定都市では最低でも10倍です。試験日程次第で20倍前後になることもあります。東京消防庁は15倍~20倍です。

現在の消防士は高学歴が多く、国立大学やMARCH卒も珍しくありません。高卒でも偏差値60以上の人ばかり、との情報もあります。

公務員は、「高校生が将来なりたい職業」の上位にランクインしています。消防士も高倍率の人気公務員であり、試験の倍率も非常に高いのです。

消防士になるより確実に年収アップする方法

消防士になるには、厳しい試験を突破しなければなりません。その上、初任給は決して高くありません。公務員の消防士は給与・待遇が安定していますが、より高収入の職業はたくさんあります。

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消防士の年収まとめ

消防士は地方公務員であり、危険を伴う仕事の反面、年収と雇用は安定しています。一般的な会社員より、高収入で安定した職業といえます。

ただし、消防士の勤務体系は特殊で休日もかなり他の職業とは異なり、ストレスがたまりやすい仕事でもあります。

結婚しにくいとの声もあり、休日の多さ故に散財してしまう消防士も多くいます。一方で研修などの補助が出ず、職務に熱心であるほど必要経費もかさみます。

消防士試験はかなりハードルが高い試験です。最低でも倍率が7倍以上、政令指定都市や東京では20倍以上の倍率も珍しくありません。

人の命を助ける消防士のやりがいは、年収だけで測れるものではありません。ただ、消防士だけに絞って転職活動をすると後悔しかねません。

民間企業への転職も視野に入れる必要がありますが、民間に転職する際には転職エージェントの利用がおすすめです。この記事で紹介した転職エージェントはどれも良質です。ぜひ登録してみてください。